教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
れんこんは酢水にひたさず、皮もむかないで
今回は、旬の食材れんこんを使った老化予防のレシピをご紹介します。れんこんを調理するときによく行うのが、酢水にさらすことではないでしょうか。れんこんの色を白くするために酢水にひたしますよね。
でも、しょうゆなどで味をつけるときはれんこんの見た目をよくすることよりも、水にさらすことで損失する栄養素を摂る方がおすすめです。
そこで今回は、れんこんの調理の常識を覆して、若返り効果を高める調理のポイントをご紹介します。使い方次第でぐっと健康効果を増すれんこんを、もちもちシャキシャキのステーキにしあげます。
れんこん
あまり知られていない、れんこんのアンチエイジング効果をご紹介します。れんこんはビタミンCが豊富に含まれます。その量はみかんの1.5倍です。ビタミンCは強い抗酸化作用があるため、疲労回復効果や免疫力の向上が期待できます。
また動脈硬化やガンを予防したり、コラーゲンを増やして皮膚や骨を強くする働きもあります。ビタミンCは細菌やウイルスの感染予防に役立つので、これからの季節は意識したい栄養素です。
れんこんの切り口や皮を見ると、黒ずんだり茶色っぽく見えるのは、クロロゲン酸やタンニンといったポリフェノールによるものです。これらは全て抗酸化物質です。クロロゲン酸やタンニンの効果は以下の通りです。
クロロゲン酸
脂肪燃焼、糖の吸収を穏やかにして血糖値のコントロールに役立ちます
タンニン
止血作用や炎症を抑える働きがあります。
れんこんに含まれるカリウムやビタミンC、タンニンなどは水に溶けやすい性質があります。れんこんを切った後、水にさらすと栄養をロスしてもったいないので、そのまま使うのがおすめめです。
また皮の部分には食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれるので、よく洗って皮も使えばさらに効果的です。
「れんこんステーキ」の作り方
れんこんをポリ袋に入れて、綿棒などで細かくなるよう叩いていきます。れんこんは、ひき肉状になるようなイメージで細かくしてください。
材料(1~2枚分)
- れんこん……300g
- かたくり粉……大さじ1
- 米油……適宜
ステーキソース
- しょうゆ……大さじ1
- みりん……大さじ1
- おろしにんにく……小さじ1
- 白髪ねぎ(トッピング用)……適量
トッピングに白長ねぎを使っていますが、大葉などでもおいしくしがります。お好みのものをお使いください。
作り方
1.れんこんは皮をつけたまま、きれいに洗います。れんこんをポリ袋の中に入れ、綿棒などで大きな塊がなくなるよう、細かく叩いていきます。れんこんはそのまま袋に入れても、包丁で切ってから入れてもどちらでもOKです。
※れんこんはちょっとでも傷ががついたり、衝撃があるとすぐ皮が黒ずんできたりします。この黒いのは、ポリフェノール類が反応している色なので食べられます。気になるところは取り除いていただいても結構です。
2.1のポリ袋にかたくり粉を入れて、全体になじませるように混ぜていきます。しっかりと混ざったら、ひとまとまりにします。
3.フライパンに油(分量外)を適量入れ、火をつけます。中火と弱火の間の火加減にして、じっくりと焼いていきます。焼きやすいように2枚に分けて焼いてもOKです。
フライパンにれんこんを出したら、ちょっと手で押しながらまとめておきます。最初はまだれんこんがくっつかないので、ボロボロとしてしまいます。
だんだんとでんぷん質が固まってくると、まとまってきますので大丈夫です。厚みをキープするように成形してみてください。
※ポリ袋かられんこんを取り出すときは、崩れやすいのでゆっくりと出してください。
4.れんこんを成形したら、ふたをして蒸し焼きにしていきます。
5.ひっくり返して、軽く上から押しつけて、形を整えます。ふたをせずに、裏側を焼きます。じっくり焼くと、れんこんがもちもちとしてきます。
6.両面がお好みの焼き具合に焼けたら、火を弱火にします。れんこんステーキをフライパンの端に寄せ、空いた部分にしょうゆ、みりん、おろしにんにくを入れてステーキソースを作ります。
調味料とおろしにんにくをよく混ぜて、しっかりとステーキソースをしあげます。火を通すとテリが出てきて、ブクブクとしてきます。
7.フライパンの中でステーキソースをれんこん全体にかけていきます。最後に火を強めて全体にしっかりとからめます。お皿に盛りつけて、白髪ねぎをトッピングしたら、できあがりです。
れんこんのカリっと香ばしく焼けたところと、もちもちっとした食感が本当にとってもいいハーモニーになっています。このにんにくしょうゆがよく合い、ご飯のおかずやお酒のおつまみにもおすすめです。
今回は、「れんこんステーキ」をご紹介しました。酢水につけずに皮をつけて調理をすると、より効果的にれんこんを食べることができます。れんこんの皮もおいしいので、丸ごと食べてみてください。
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。