教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。自分自身が生きづらさを抱え、本当の自分と向き合った30年間の経験をベースに、心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。
「すぐ他人のせいにする人」の理由や特徴
あなたの周りにいませんか?「言われた通りにやっただけで私は悪くない」など、明らかなミスをしたときにも誰かのせいにしてしまう人。この人たちにはどのような理由や特徴があるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
自己防衛する
他人のせいにしてしまう人は、“私は悪くない”という自己防衛本能が強い人です。何かが起こった際に責任をとりたくない意思が働いて、自分以外の身代わりを見つけてしまうのです。
幼少期からの成長過程でこのような思考パターンがついてしまったタイプ。また過保護な環境で育ち、親がいつも自分のミスをフォローしてくれたり、「うちの子は悪くない」と、周囲に接していたりしたことで、自然と「私はいつも悪くない」「誰かがいつでもしりぬぐいしてくれる」と環境ベースで思考パターンが身に付いている人もいます。
謝罪するのが嫌
責任を取りたくないのはもちろん、自分で対処する方法が分からない、面倒だと感じてそれを避けたくて他人のせいにしてしまう人たちもいます。
こういった人たちは自分の責任を認めることを徹底的に避けるので、次のような特徴が出てきます。
- 謝らない
- 言い訳ばかりしている
- 自分で解決策を考えない
- 同じ間違いを繰り返す
- 周囲の人からの信頼がない
自信がない
他人のせいにせいてしまう人は、とにかく自分がマイナスの感情を追いたくない、立場が悪くなるのはイヤだと考えています。大きな視点で物事を見られず、目の前の嫌なことだけを避けるという安易な決定で動く癖がついているのです。
事実を認めるキャパも自信がなくて、自分に非がないのを証明したいと考え、その場限りの決断をしながら過ごしているのです。
そんな状態なので自分の主張が認められないと、否定や拒絶されたと受け取って強い怒りを出します。このような人がいると周りの人たちにもイライラが伝染してしまい、心地よく過ごすことができません。
「他人のせいにしない人」との決定的な違い
他人のせいにする人としない人の違いは問題解決能力があるかないかです。
もっと詳しく言えば、問題を解決する能力があると思えているかいないか、なのです。
能力がないと思うからいつまでも問題を避け続ける。あると思えている人は、解決する方法を知っている(探そうとする)ので、ミスや失敗を気持ちよく受け止め、謝罪の言葉を口にできます。
「自分が悪くない」と自分を守り他人を攻撃する時間を問題解決の時間へと切り替えられるのです。
問題を解決できる人は、実は小さなことを丁寧に実践しているだけ。つまり、誰でも「他人のせいにせず責任を持てる人」に変われます。
例えばいつもミスをしてしまう人は、最適なチェック方法を身に着けたり、忘れっぽい人はいつも目にする場所にメモをしていたり。自分なりの工夫や努力をしているだけです。
こういった積み重ねが自信をつけ、成長できる機会だから他人のせいにするのはもったいない、とまで考えられるようになります。
人のせいにする思考は変えられます。自分は問題をどう解決するのか?こういった考えをぜひ身に着けてください。