1、悪口って、どうして言いたくなるの?
「嫌いな人の悪口を言った瞬間、心がスッとした!」
誰しも、一度や二度は、そんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。
実は、悪口を言うと、「ドーパミン」というホルモンが放出されることが明らかになっています。
「ドーパミン」とは、やる気や快楽に関わる脳内物質。
つまり、悪口を言うことで、ちょっと楽しい気持ちになる。ストレス発散になるのです。
「ストレスを発散したい」ということは、心が窮屈で不自由な状態にあるということ。
ズバズバと言いたい放題に見えるあの人たちも、実は心にストレスを抱えているということですね。
2、悪口を言う人の深層心理とは?
悪口を言いがちな人たちの心の中では、どんなことが起こっているのでしょう?
わかりやすく、4つのタイプに分けてみました。
本人も気づかない無意識の部分ではこんなことが起こっているのかも。
あなたのまわりにいるあの人は、どのタイプに当てはまりそう?
<A>取り締まらないと気が済まない!行き過ぎた正義のヒーロータイプ
「間違っていることが許せない!」というタイプの人がいます。
それは、心の中にマイルールが多い人。
「こうあるべき」「こうするのが常識だ」「こんなのはありえない」
心の中にこうしたマイルールを強く持っている人は、実は、自分自身の中に受け入れられない、認められない部分を強く持っている人かもしれません。
自分の中にあってはならないと思っている部分を他人の中に見ると、無意識に心が反応して、否定したくなってしまう。
だから、マイルールに反しているように見える人に対して、つい「間違っている」と言いたくなってしまうのです。
<B>実は、劣等感を隠したい……一見、辛口コメンテータータイプ
評価されている人の「欠点」を指摘してみたり、「あんなのは大したことがない」と否定してみたり。
一見、ズバッと切り込む辛口コメンテーター風ではあるけれど、なんだか違和感があるような……。
そんなタイプは、人と自分を比較して、劣等感を感じてしまいがちな人かもしれません。
劣等感があるがために、「羨ましい、自分もそうなりたい」という気持ちを認めることができず、ついつい相手を下げて、心のバランスを保とうとしちゃうのかも。
自分に自信がないからこそ、まわりの評価が気になってしまう。
だから、ちょっと賢く見えるような批判的な態度で、評価を得ようとしてしまうところもあるかもしれませんね。
<C>ひとりぼっちにしないで!群れて安心したいシマウマちゃんタイプ
「〇〇さんって、ちょっと▲▲だよね」「あー、わかる」なんて会話から、心の距離が近づくことがあります。
共通の趣味があると仲良くなりやすいのと同様に、共通の「嫌いな人」がいる状態でも、人は親密になりやすいようです(心理学では、認知的バランス理論と言います)。
誰かを悪く言うことで仲間を作りたい人は、無意識にひとりぼっちを怖がっている人かも。
<D>え?まさか愛情の裏返し?素直に好きって言えない不器用タイプ
パートナーやお子さん、身近な友人などに対して悪く言っているように見えて、実は愛情の裏返しということもあります。
照れて、素直に好意を表現できなかったり。
身内を謙遜するつもりが下げ過ぎてしまったり。
雑な扱いで親しさを表現していたり。
実は、寂しがりやで関わりを求めていたり。
まるで好きな人に意地悪をしてしまう小学生男子のようですが、大人でもあるのです。
いかがでしょう?
いつも誰かの否定や批判をして自信マンマンに見えるあの人も、ちょっと心の奥をのぞいてみると、意外な姿が見えてくるかもしれませんね。
次回は、そうした悪口への対処法について、お伝えしていきます。