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私の両親はいわゆる“毒親”だけど夫に悪くいわれるとツライんです…。#心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

家族・人間関係

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2022.02.11

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:両親がいわゆる“毒親”だけど夫に悪くいわれるとツライ

悩む女性出典:stock.adobe.com

(北海道 35歳 3人子ぶたママ)

はじめまして。3人の子どもの母をしている専業主婦です。

私は、今ではよく聞く、毒親の家庭で育ちました。主に母でしたが、なんでもあれこれと母の思い通りにならなければイライラしたり、友達などの人間関係、進路、身なり等も母の思うままでした。
そこから外れた際は怒鳴り散らされ、そのたびに、まあいいや。どうでもいいや。と指示に従ってきた経緯があります。

私自身、素敵な友人に恵まれてこの母親がおかしいと言うことが小学校高学年の頃から気づくことができ、自分は決してそんな親にならないと誓ってきました。そして、今、上の子が小学生の3人の母になり、実の母を反面教師としてされたことと反対のことを意識し、子供は子ども、あまり口を出さないように生活しているつもりです。

母は、私に、結婚は許さないと怒鳴り散らし、それを機に縁を切り、どこに住んでいるのかさえ父母は分からない状態です。

そんな私の生い立ちを知っている夫は度々、「あの人間らのようにならないように気をつけなよ」と釘を刺してきます。これがまた、私にとっては辛く、苦しいと感じてしまいます。しかし、事実であり間違ったことは言われていませんので、そんなふうに感じてしまう自分に嫌気がさします。どのように考えていけば良いでしょうか。回答頂ければ嬉しいです。
 

“矛盾する思い”もそのまま受け止めよう。

回答

幼い頃からお母さまの過干渉を感じ、そんな親にはならないと決めて生きてこられたのですね。「母親は母親、自分は自分」と境界線をひき、自分の人生の舵取りをされてきた様子をお読みして、とっても強くてしっかりされた方だなあと感じました。

「あの人間らのようにならないように気をつけなよ」と釘を刺されることが、私にとっては辛く、苦しい

と書かれていますが、この言葉をどんなふうに捉えて、辛く苦しくなってしまうのでしょうか?なんと言われているように感じてしまうのでしょう?
 
もしかしたら、「放っておくと母親のようになるよ」と、母親に似てしまうかもしれない自分を責められているように感じてしまうのではありませんか?
 
相手の言葉に傷ついてしまうとき、というのは、実は心の奥底で、自分に対して同じことを思っているときだったりします。
 
ご自身の傷ついた経験から「母親のようにはならない」と決めて正しい母親でいようとするお気持ちはとってもよくわかります。でも、そうやって自分のことを強く見張ることは、実は、心の底ではありのままの自分を否定していることになってしまうのです。だって、自分に対して「私は放っておくと間違った子育てをするはずだ」と信じていることになりますから。
 
そして、親子ですから、3人子ぶたママさんの中には、お母様から受け継いだ性質もあると思います。どんな性質も活かし方次第では魅力になりますから、性質自体に否はないのにも関わらず、ここは母親と似ているから隠さなくちゃ等と、自分の一部を否定していたとしたら……。自分がとっても苦しいですよね。
 
ですから、「もう自分を見張りすぎなくても大丈夫。私は私のままで大丈夫」と自分に言ってあげてください。お母さまを反面教師にした正しい子育てをしようとすればするほど、目の前の子供たちよりも自分の正しさに関心が向いてしまいますからね。
 
それからまた「あの人間らのように」という言葉も少し気になりました。「あの人間ら」とは、3人子ぶたママさんのご両親のことを指すのでしょうか。
 
「あの人間ら」と呼ばれて、心がチクっとしてしまう。それは、たとえ毒親と呼ばれるほど子供を傷つけた親だとしても、たとえ自分ではどんなに憎んだり否定したりしているとしても、3人子ぶたママさんの心のどこかにはご両親を大切に思う気持ちがあるからかもしれません。
 
自分の親を毒親と呼ぶことだって、本当なら悲しいこと。もっと大切に育てて欲しかった、愛されたかった、そんな気持ちだって心のどこかには残っているかもしれません。そんな悲しみをわかってもらえないような気がして、あるいはわかってもらおうとしてはいけないような気がして、苦しくなってしまうのかもしれませんね。
 
どんなお気持ちも、3人子ぶたママさんにとって大切な想いです。矛盾しているように思える複雑な思いも、すべてそのままあっていいんです。まずはご自分がわかってあげてくださいね。
 
私は、ご相談文から、3人子ぶたママさんの強さと優しさをたくさん感じました。だから、いつも正しいお母さんでいなくても大丈夫。弱いお母さんになる時があっても大丈夫。3人子ぶたママさんの強さと優しさは、お子さん達もたっぷりと感じているはず。どんなあなたでも、お子さんたちにとっては、最愛のお母さんです。自信を持って堂々としていてくださいね。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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