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【夫とスキンシップがゼロ】母・妻として生きていく未来がツライ

カルチャー

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2023.11.30

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:夫とはスキンシップがゼロ。このまま母・妻として生きていく未来がツライ

悩む女性出典:stock.adobe.com

(東京都 ミチ 45歳)

5歳年上の夫と9歳の娘の3人家族です。

夫とは30歳で付き合い、33歳で結婚しました。
娘が生まれる前までは夫と恋人のように仲が良く、近所に買い物へ行くときですら腕を組んでいました。
でも娘が生まれてから、私は子育てと家事でいっぱいいっぱいで夫との会話、スキンシップも減っていきました。

そして今では、買い物に行くとしても腕を組まないどころか、夫はテレビを見ながら
「いってらっしゃ~い」と言う状態。

結婚当初、ずっと恋人同士のような関係でいたいと思っていましたが、真逆になってしまいました。

このまま「母」「妻」として生きていくと思うと悲しくなってきます。

夫と良い関係を築く方法や、私自身の気持を整える方法があったら、なにかアドバイスもらえましたら、うれしいです。

これからの関係は「今」からつくろう

回答

結婚してもずっと恋人同士のような関係でいたいと思っていたのに、そうではなくなってしまったと感じていらっしゃるんですね。

そして、「このままの状態で『母』『妻』として生きていく」ことを悲しく思われているのですね。
 
同じ女性として、そのお気持ちもとってもよくわかるつもりなのですが、でもまず、私としては「ミチさんなら、きっと大丈夫です」とお伝えしたいです。
 
だって、「恋人同士のような関係でいたい」という気持ちを今でも持ち続けていられること自体が、とっても素敵なことだなと思いますので。
 
その上で、質問です。
 
悲しく感じるということは、「会話やスキンシップが少ない=どんな証拠?」と、ミチさんは考えているのでしょう。

実は、私たちは、実際に起こっている出来事そのものに悲しさや苦しさを感じているというよりも、その出来事に対して自分でつけた<意味(解釈)>に悲しくなったり、苦しくなったりしていることがとっても多いんです。
 
たとえば、もしも「会話やスキンシップが少なくなった=女性として愛されていない」と意味づけをしたとしたら、その後はその意味づけを通して相手を見るので、「テレビを見ながら『いってらっしゃ~い』と言うだけ。ああ。やっぱり女性として愛されていないんだ」
なんてふうに、よりその意味づけの確信度を強くしていってしまいます。
 
それによって、悲しい、つらい気持ちがどんどん膨らんでいってしまうんです。
 
ですので、「今、夫婦間の会話やスキンシップが少ないこと(出来事、事実)」と「ミチさんを悲しくさせている意味づけ(解釈)」を切り離しましょう。
 
「今は会話やスキンシップが少なめだな」以上。
こんなふうに事実だけをフラットに受け止める感じです。

それによって、「もしかしたら別の視点での見方もあるのかな?」と思えるようになってくるかもしれません。

たとえば、小さな命を守り、育てていくことは、ものすごく大変なことです。
お嬢さんが生まれてから、母親であるミチさんも、父親である彼も、きっととっても頑張ってこられたのではと思います。

家族を大切に思うからこそ、親としての役割を、恋人同士のような関係性以上に優先しなくてはと思ってきたということかもしれません。

その間、母親として奮闘するミチさんを愛するからこそ、家族にとって頼もしい存在であろうとすることで、彼は彼なりの愛情表現をしてきたのかもしれません。
 
そんなふうに捉えてみると、いかがでしょう。
これまでの意味づけとは少し違う景色が見えてきませんでしょうか。

そして、これまでのことはこれまでのこと。
これからの関係性は、「今から」作っていけばいいんです。

「夫婦二人の時間も大切にしたいな」
「また仲良く腕を組んで歩いたりしたいな」
そんなふうに心の中で望んでいることを伝えてみたっていいんです。
(もしも私が夫だったら、こんなふうに伝えてくれたら「なんてかわいいんだ!」とうれしくなっちゃいそうです)
 
もちろん、会話やスキンシップが少なくなっている関係性の中で、こんなふうに伝えるのはちょっと恥ずかしかったり、抵抗があったりするかもしれませんし、受け取るほうだって、少しびっくりして、すぐには受け入れにくかったりするかもしれません。
 
でも、たとえ相手の反応はどうであったとしても、自分の希望を表現することは、主体的に自分の人生を作っていくことになります。

「私にとって、愛するパートナーとの会話やスキンシップはとっても大切」そう思っている自分の気持ちを大切に扱いながら、相手の気持ちや事情も大切に尊重する。
それが良い関係性を作っていく秘訣ではないかなと思います。
 
ミチさんが望む仲良しな夫婦関係は、きっと今からまた作っていけます。
そのためにも、何より大事なのは、ミチさんがご機嫌でいること。
家事や育児に忙しい中でも、ぜひ自分を喜ばせるための時間と機会を大切にして、ご機嫌でいてくださいね。ご機嫌な妻には、ついつい近づいていきたくなっちゃうんじゃないかなと思いますので。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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