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光熱費も払わないだらしない夫に困っています…。(45歳女性)#心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

カルチャー

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2022.01.07

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:光熱費も払わないだらしない夫で困る

悩む女性出典:stock.adobe.com

(広島県 45歳 ミホ)

46歳の夫と中学1年生の娘の三人家族です。
共働き夫婦なのですが、最近夫がほんとうにだらしなくて困っています。

例えば、夫が光熱費をコンビニで支払う担当なのですが、期限が過ぎて電気が以前止まってしまったことも。その時は「いく時間が無くて」と言っていましたが、正直数分でコンビニに行ける距離だし、夜テレビやスマホを何時間も見ているのでいけるでしょと思ってしまいます。

脱いだ服もそのまま。それを見てか娘まで脱いだ靴下は脱ぎっぱなし、学校からもらった保護者向けのプリントも提出しない状態。

もう怒る気力もないです。
協力しあえる夫婦になりたいのですが、どうしたらいいでしょうか。
 

心の奥底にある「期待」を見つめよう

回答

なるほど。文面から、ほとほと困っている様子が伝わってきました。

仕事をしながら家事に子育てに……となると、やるべきこと、気にかけることが常にいっぱいの毎日。任せたことくらいスムーズに済ませておいてほしい……と思うお気持ちもとってもよくわかります。
 
さて。「最近夫がほんとうにだらしなくて」と書かれていますから、以前はそれほど気にならなかったのに、どんどん気になってきた……という感じでしょうか。
 
実は私たちには、知らず知らずのうちに、相手の期待通りに動いてしまう、という習性があります。つまりご家族は、もしかしたらミホさんの期待通りに変化してきているのかもしれません(もちろん無意識に、ですが)。
 
「はああ???」と思いますよね?
「だらしなくなってほしいなんて全く期待してないわ!」と真っ向から否定したくなることと思います。
 
確かに、意識している部分では「しっかりしてほしい、協力しあえる夫婦関係になりたい」と望まれているはずです。ただ、心の奥底の部分(潜在意識とも言います)では、これが真逆になっている場合も多いんです。
 
私たちは、心の底から信じていることを証明したくなるんですね。つまり「夫はだらしない人だ」と信じていると、ついそれを証明したくなる。ミホさんも、つい彼を見張って「あー、やっぱりだらしない!またこんなことしてる!」と呆れたくなるような証拠をついつい自分から見つけようとしてしまっていませんか?これが心の奥底での「期待」なのです。
 
それからもうひとつ、もしかしたらミホさんは、幼い頃から「しっかりしなくちゃ!」と思っていませんでしたか?
 
親から「しっかりしなさい」と言われたり、「私がしっかりしてないと困ったことになる」と感じることがあったり。そんな体験をして育つと「私はしっかりしていないと許されない人間なんだ」と信じることに。
 
そうすると、これまた「私はしっかりしている人間だ」を証明したくなります。そうしないと、なんだか安心できなくなってしまうんですね。
 
自分がしっかりしていることを証明するためには、コントラストとして、だらしない人、できない人、頼りない人などが必要になります。
 
だって、まわりの人全員が自分より頼もしい人たちばかりだと、私のしっかりさが証明されなくなってしまいますもんね。これによって、実は潜在意識の部分では、まわりの人に頼りない存在になってもらうことを期待してしまっている……というわけなのです。
 
……ううううう。やだー!って気持ちになりますね……。
 
もし「しっかりしなければ許されない」と思うようになったきっかけに心当たりがありましたら、長い間、その役割を生きてきた自分に「おつかれさま。よくがんばったね」と労ってあげましょう。
 
「しっかりしている私」という役割を手放そうとすると、なぜだかさみしかったり、不安な気持ちを感じたりするかもしれません。それこそが、その役割を生きてきた証。もうこの役割の私として生きてなくていいんだな、と心の中で卒業していきましょう。
 
彼にはぜひ「ここぞという時にはなんとかしてくれる頼もしい人」というレッテルを貼ってみてくださいね。ぜひ証拠探しも。「あれ?実は意外としっかりしていたのね」そんなふうに今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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