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【まるで独身のような夫】家事子育て全て私でもう限界です…。<心理カウンセラーが回答>

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2023.08.30

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:共働きだけど家事子育て全てわたし。もう限界です。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(静岡県 友美 42歳)

7歳と12歳の子どもがいます。
うちは共働きなのですが夫は家事子育てほぼ関与せず、仕事から帰ったあとは自分の部屋で好きなテレビを見て好きな時間に寝る。週末はゴルフ。まるで独身のような生活をしています。何を言っても手伝う気もなし。

逆にわたしはフルタイムで働いて帰ったら食事作りに家事全般。気づけば夜22時で寝る時間で起きたらまた洗濯に朝食作りと、自分の時間が無く生活しています。

正直、からだと心が限界に来ています。だからといって子どもを置いて家もでれず。両親は遠い所に住んでいて頼れません。

何をどうしたらいいのか、助けてほしいです。
 

最重要事項は「休む」こと

回答

あああああ。とてもしんどいですね。
友美さん、どれだけ一人で頑張ってこられたのでしょう。
こんなにしんどいのに、頑張り続けなくてはいけない。頼れる人がいないと感じる。本当につらいですね。
「助けてほしい」と、SOSを出してくださり、ありがとうございます。

「からだと心が限界に来ている」。
そう感じる時は、何よりもまず、「休む」ことが最重要事項です。
なんとしてでも、一人でホッとできる時間を作りましょう。
 
とお伝えすると、さまざまな「でも……」が浮かんでくるかもしれません。
「でも、仕事が……」「でも、子どもたちが……」「でも、家事が……」
 
ですが、どんな仕事よりもどんな家事よりも、友美さんのからだと心のほうが大切です。
本当はつらくて苦しいのにママが無理して頑張り続けることは、お子さんたちにとってもうれしいことではないはずです。
家事を代行してくれるサービスなどもいろいろあります。
「すごくしんどいから、今日はママをお休みさせてね」
そう言って、ママ業をお休みする日を作ってもいいんです。
 
今これを読みながら、どんなことを感じているでしょうか?
「そうだな。よし。休もう」と自分に休む許可を出せていますでしょうか?
それとも、「そうはいっても、〇〇でなくては」「〇〇してはいけない」と、いろんな「べき」や「禁止」が心の中を巡っていますでしょうか?
 
もし、心の中に「べき」や「禁止」が巡ってくるとしたら……。
 
今の友美さんには信じにくいことかもしれませんが、友美さんを本当に苦しめているものは、その心の中にある無意識の「ルール」かもしれません。
 
たとえば、
 
家事をサボってはいけない。お金は節約しなくてはいけない。
食事は手料理を用意しなくてはいけない。他人に頼ってはいけない。
自分を優先してはいけない。自分だけラクをしてはいけない。
 
などなど。

こうしたルールで自分を縛り過ぎてしまうと、それ以外の自分を許せなくなり、ルールを守っている=「正しい自分でいること」を何よりも大切にしてしまいます。「つらいのに頑張り続けてしまう」というように、自分の気持ちを後回しにしてしまいます。
 
「正しい自分しか許せない」って、とってもしんどいです。
ですから、もし心当たりがあるようなら、今日からは「まいっか」を口グセにしてみませんか?
 
「〇〇しなくてはいけない」と心を縛っているルールを、「〇〇できたらいいね。でも、できない時があっても仕方ないよね」くらいにしてみませんか?
 
「完璧じゃなくても、まいっか」「正しくなくても、まいっか」「ちょっとだらしなくても、まいっか」
そんなふうにご自身を許してみてほしいんです。
 
きっと友美さんの心がゆるんで、余裕が生まれます。
「正しさ」って「緊張」を生みますから。
からだと心をちゃんと休めるためには、自分を許していくことも大切なんです。
 
家のことをしようとしない夫さんを何とかしたいお気持ちは、よくわかります。正しいか、間違っているかで言えば、そりゃあ断然友美さんのほうが正しいです。
 
ただ、もしかしたら、彼は今、夫として正しく振る舞えていない自分に「妻や家族を幸せにできていない」という「罪悪感」を感じているかもしれません。
 
「え?罪悪感がないから、私がこんなに大変なのに、平気で独身みたいな生活ができるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は、「罪悪感を感じているからこそ、向き合うことができない。認めることができない」という場合もあります。
 
「まいっか」で心をゆるめると、余裕のほかに、もうひとつ生まれるものがあります。それは、「信頼」です。一人で完璧を目指し過ぎないことは、まわりを信頼することにもつながるんです。
 
信頼されると、まわりはうれしいです。夫さんだって、自然と信頼に応えたくなっちゃうかもしれません。
 
だとしたら、正しさから彼を何とかしようとするよりも、「まいっか作戦」のほうが得策だと思いませんか。よかったらぜひ、試してみてくださいね。
 
家族のためにいつも一生懸命に頑張っている友美さんが、もっともっとラクに楽しく毎日を過ごせますように。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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