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悪口ばかり言ってきた義母を今も許せない。今後私がお世話するかもと思うと……。<52歳女性の相談>

家族・人間関係

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2023.02.24

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:悪口ばかり言う義母がゆるせない。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(東京都 ライラ 52歳)

義母を許せなくて辛いです。
義母は他人の悪口、あら探しが大好きです。

私達は東京在住で夫の実家は北海道なのですが、娘が幼い時、お金もかけて苦労して飛行機に乗せて帰省して連れて行ったのに、朝から晩までこき使われ、娘がまだおむつ取れないとか一人っ子だから甘やかしてる…などと言われ、まるで悪口を言われに行っているようでツラかったです。

苦労して東京から乳児を連れて行ったのに「離乳食を食べさせる手際が悪い」と言われて心がとても傷つき、じゃあ、あなたが見本を見せてよと思いました。子育てに口うるさくダメ出しはしますが、一切手を出しませんでした。

ある日、娘の世話があったので、夫より朝部屋を出るのが遅くなったら、「あなた、いつもお兄ちゃん(夫)より遅く起きてるの?」と非難されました。あなたの息子が育児を私に丸投げして、あまり抱っこもしないから、私が全部面倒見てるんですけど、と思いました。

特に、第二子がお腹の中で亡くなり泣き暮らしている時に「あらまあ、もったいない」と軽く言われた事は一生忘れないと思います。

私が至らない所があって、経験も人格も私よりずっと立派な人生の先輩から指摘されるなら素直に聞けるのですが、こんな意地悪で自分勝手でモラルの無い人に、偉そうにああだこうだと上から目線で言われたくないと思いました。

義母もだんだん歳をとってきたので私の世話になる気でいるみたいですが、私は、もし義母を面倒見て頑張って世話をしているにもかかわらず悪口を言われたら、暴力を振るわない自信がありません。

あんな意地悪でモラルの無い人には、いつまでも腹を立てていないで、無視した方が良いと思うのですが、悪口を言われたり嫌味を言われたりした事が忘れられずに苦しいです。
どうしたら、くだらない意地悪をする義母の事をまともに相手にせず、かわいそうに思って許す事が出来るでしょうか。

ご自身のお気持ちに目を向けていきましょう。

回答

とてもつらい思いをされたのですね。
幼いお子さんを育てている時というのは、母親になったばかりで、肉体的にも精神的にも、特に大変な時期ですよね。心身ともに精一杯だったライラさんにとって、「嫁とはこうあるべき」という価値観から発せられたお義母さんの厳しい言葉は、とても苦しかっただろうと想像します。
深く傷ついてしまったからこそ、今でも腹立たしく感じて、許せないでいるのですよね。
 
とはいえ、誰しも過去と他人は、変えることができません。
それなのに、その変えることができないものにどうしても囚われ続けてしまう。
だから、「許せない」という感情は、とてもつらくて、苦しいんですよね。
 
でも、大丈夫。過去と他人は変えることができませんが、自分の感情や感覚は変えていくことができます。そのためにも、ライラさんご自身のお気持ちに目を向けていきましょう。
 
実は、「他人を許せない時」というのは、その心を深く見つめていくと、同時に「自分を許せない時」でもあることが多いです。「誰かに怒っている時」というのは、同時に「自分が自分に怒っている時」でもあることが多いんです。
 
自分を許せない?自分に怒っている?
あまりピンとこないかもしれませんね。
 
もしよかったら、次のようなセリフを口に出して、つらかった頃のライラさんを労ってみてください。
 
「あの時は、本当につらかったね。しんどかったね。悔しかったね。
あんな扱われ方、嫌だったね。傷ついたね。
本当は、もっと大切に扱ってほしかったよね。
ああ。もっともっと大事にしてもらいたかったなあ。
あの時の私、すっごく頑張っていたもんなあ。
本当は言いたいこと、たくさんあったよね。
嫌です。やめてくださいって言いたかったよね。
もっと大切に扱ってくださいって言いたかったよね。
言わないで我慢しちゃってごめんね。
言わせてあげられなくて、ごめんね」
 
どんな感じがするでしょう。
 
本当は嫌なのに、本当は傷ついているのに、つい「いい嫁」「正しい嫁」であらねばという思いから(あるいは別の理由から)、「大切にされない扱われ方」を受け入れてしまった自分。そんな自分に対して、がっかりしたり、怒ったりしているライラさんが、心のどこかにいませんでしょうか。
 
だからこそ、将来、あの時と同じように「大切にされない扱われ方」をした時に、また自分がそれを受け入れてしまうのではないかと、その結果、我慢の限界がきて、爆発してしまうのでないかと、心配になっているのはありませんでしょうか。
 
もし、そんな自分を見つけたら、
 
「あの時は、言えなかったよね。しょうがなかったよね。
でも、これからは、私が私の味方でいるからね。私が私を大切にするからね」
 
と、あの時の自分を許してあげてみてください。
 
自分でも自覚できない無意識の部分で、自分のことを「大切にされない存在なんだ」と信じてしまっていると、ついつい相手の言動をそのまま受け取って傷ついてしまうのですが、「私は大切にされる存在」と心の奥底から信じられるようになると、相手の言動が自分の中に受け入れていいものなのか、自分で選べるようになります。
 
そうすると、「嫌だけど我慢するか」「拒絶して関係を壊してしまうか」の2つしかないと思っていた他にも、いろんな選択肢があることが見えてきます。
 
こんなふうに、先にご自身の心を自由にしてみるところから始めてみてくださいね。きっと、過去と他人に囚われていた心が、「今」と「自分」に戻ってきますから。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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