相談:子どもの学校行事や部活が規制され、何も経験させてあげられずツライ。
昨年の休校要請以来、子どもの行事や部活が規制され続けているのが辛いです。
コロナ禍で子どもの学校行事が全てなくなり、合唱コンクールや部活もやらせてもらえません。受験生なのに、授業時間も大幅に削られました。老人館はやっていても、児童館はダメ、地域のセンターも大人にしか貸しません。
夏休みも申し込んだ講座がすべて中止となりました。子どもは一日8時間くらいスマホをいじっています。
子どもの貴重な時間に、何も経験させてあげられず辛いです。
(40代 まいちー 東京都 パート)
発想の転換をしてみる。
楽しみにしていたイベントや、頑張ろうと思っていた部活、講座などが次々に中止に……それは確かにがっかりしますよね。戸惑ってしまって、とりあえずスマホをいじっている時間が長くなる……そんなお子さんの気持ちもわかる気がします。
「何も経験させてあげられず辛い」と書かれていらっしゃるということは、お子さんご自身が「貴重な経験ができなくて辛い」と言っているわけではなく、そんなお子さんを見て、母親であるまいちーさんが辛く感じている、ということですね。
本来、学校や塾で経験させてもらえるはずのことが経験できなかったことで、お子さんがどうなってしまう……とまいちーさんは考えて辛いお気持ちになっているのでしょうか?どんな未来を想像して不安を感じていらっしゃるのでしょうか?
コロナ禍で起こったさまざまな制限は、私たちにいろんな不安を抱かせますよね。そのひとつには、「想定通りの未来がやってこない」という不安があると思うのです。学校では〇〇を体験して、塾では〇〇を体験して、そうすればきっとこんな未来へと歩んでいってくれるだろう、そう想像していた通りにならない現状。もしかしたら、まいちーさんも今そんな不安や怖さを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
でも、逆に考えてみれば、今の子どもたちは、他の年代のお子さんたちは経験しなかった貴重な体験をしている、と言えるかもしれません。あると思っていたはずの「当たり前」が突然なくなってしまった。合唱コンクールも部活も夏期講座も「当たり前」に今まで通りに体験できるものだと思っていたのに、そうではなくなってしまった。そんなとき、この出来事をどう受け止めて、どう気持ちを切り替えて、どう未来を見つめていけばいいのだろう?そんなことを真正面から考える、とても貴重な体験をされているのかもしれません。
大人になれば、想定通りに進まない出来事にもたくさん直面するでしょう。そんなとき、「当たり前」が当たり前でなくなったこの時期に、どう受け止めてどう対応したか、どんなふうに気持ちを切り替えてみたか、そんな体験は、心の土台を支える自信となって、未来のお子さんのピンチを救ってくれるかもしれません。
誰も体験したことのない事態ですから、お母さんだって不安だし、お子さんだって不安だと思います。心の中にくすぶっていた不安が、あぶり出されるかのようにあふれてくることもあるかもしれません。
でも、だからこそ、これを「貴重な体験」として受け止めていくとしたら、今私は何ができるだろう?まずはまいちーさんご自身から、そんな目線で現状を受け止めてみてはいかがでしょうか?
「どんなことがあってもきっと大丈夫。なんとかなる」そんなどっしりとしたスタンスで、まず今のこの時期をまいちーさんご自身にとって有意義な時間にしていくためには、そしてご家族にとっても有意義な時間にしていくためには、何ができるだろう?そんな視点になっているお母さんを見て、きっとお子さんも「こんなふうに目線を変えていけばいいんだな!」とお子さんなりに学んでいかれるのではないかな、と思います。