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大学から39歳まで看病していた母が亡くなり、婚活・仕事もうまくいかず、人生行き詰まっています。<42歳女性のお悩み相談>

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2022.09.16

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:八方塞がり状態でどうしたら……。

落ち込む女性出典:stock.adobe.com

(京都府 42歳 みみつきちー)

私は42歳 独身 派遣 女性です。人生行き詰まっていることです。

仕事も3ヶ月更新のいつ切られるかわからない、転職活動もうまくいかない、仲の良い友達も結婚や休みが合わない、遠いなどもあり、なかなか合うことがなくなりました。

もともと体は頑丈ではないですが、病院にかよったり、サプリを飲んだり。メンテナンスに時間お金をかけて、なんとか体調をたもってきました。持病もだんだん改善してました。しかし最近は体調も良くなく…。

そして婚活もうまくいってません。唯一関係が続いた人がいたのですが、片耳難聴だと聞いていたのに実は両耳難聴で本人の申告より調べると重度だと発覚しました。隠されていたのです。
会話をするのに大きくゆっくり言わないといけないため、自分が思うよりクタクタになっていて。結婚をそれとなくほのめかされましたが、先ほどの状況から結婚は無理かなと思う一方で、もうないかもと思うと動けなくなる自分がいます。

動けないのも、長年私の生活の中心であった母が亡くなり、芯がなくなったからかなと思います。
私が大学在学中に専業主婦の母が倒れ、ひとりっ子の私が介護をするようになってから、母との共依存が始まりました。
介護で母から頼られているようで精神的には頼っていたんだと気づき、ひとりになると泣けてきます。

今までは疲れたら休んでバランスを取っていましたが、休んでも余計に疲れる。やらないといけないことも、ご飯をたべること、掃除すらもおっくうです。
遊びに出かけても、たまに合う友達とも前のように楽しめず、すっきりしないまま帰る。一人で出かけても、周りがカップルや友達で出かけていたり、親子で出かけているのが目に入り余計につらくなります。

うさこさんの他の方へのアドバイスを参考に「自分を好きになる」「幸せ」だと思うようにしてますが、それでもなにかあるともうたちまち崩れます。

仕事は大学事務から民間派遣社員の仕事をやってきましたが、体調がわるくなったり、パワハラが起きたり。結果として不眠になるなど上手くいきません。
友人関係も、長期的につながれる人はいません。

どうしたらこの八方塞がりを抜け出せるでしょうか。
アドバイスを是非よろしくお願い申し上げます。

※お寄せ頂いたご相談文から抜粋させて頂いております。
 

まず「立ち止まって」みてください

回答

はじめまして。たくさんの言葉を寄せてくださり、ありがとうございます。
こちらへの掲載分だけでなく、寄せてくださった全文を読ませていただきました。
 
大学在学中から39歳まで、お母様の看病や介護をされてきたとのこと。本当に大変でしたでしょうね。原因がわからず、しかも、介護が必要なご病気。お母様もみみつきちーさんもどんなにご不安だったことでしょう。お母様を支えながら、大学を卒業し、仕事を探し、就職し、頑張ってこられた約20年、本当にすごいと思います。
 
そして今も、ご自身の体調をケアしながら、婚活をし、職場に改善を訴え、転職活動をし、サークルにも参加してみたり。常に現状を変えるために行動されていることが伝わってきます。本当に頑張り屋さんですね。
 
そんなみみつきちーさんに、私が一番にお伝えしたくなったこと。
それは、「立ち止まってみてください」ということです。
 
「いやいや、動けないって言ってるでしょ!」と叱られてしまうかもしれません。
ただ、心はどうでしょうか?
 
食事や掃除すらも億劫なほど動けないのは、体が止まりたがっているのかもしれません。その一方で、心は「止まるな!動け!」と自分を追い立てていませんか?休んでいるつもりでもどんどん疲れてしまうのは、心が休めていないからではないでしょうか。
 
もしそうだとしたら、どうしてそんなに追い立て続けなくてはいけないのでしょう?
 
私は、みみつきちーさんが本当に求めているものは「安心感」ではないかなと思いました。心の底から「私はここにいていいんだ」と感じられる安心感。もしかしたら、それが欲しくて求め続けているのではないでしょうか。
 
お母様を支え続けた長い長い生活の中で、もしも、みみつきちーさんの心の中で「誰かのお世話をすること、役に立つこと」と「ここにいてもいい安心感」がくっついてしまっていたとしたら……。もし心の奥底で「誰かのお世話をする私なら、ここにいられる」そうくっつけてしまっていたとしたら……。役に立つために頑張りすぎてしまいます。心をクタクタにしてお世話をしてしまいます。クタクタになりたくないのに、クタクタになる相手や場所を選んでしまう。そういうことが起こってしまうんです。
 
このまま進むと、安心感を求めるがゆえに、ますます自分をクタクタにするほうへ進んでしまうかもしれない。
だからこそ、行き詰まりや八方塞がりと感じる状況が「いったん止まろう」と教えてくれているのかもしれません。
 
不安を埋めるために得たものは、ますます自分の幸せをわからなくしてしまう。
だからこそ、何かを得ることで安心しようとするのではなく、何もない自分で先に安心する。今はそういう方向転換が必要なのかもしれません。
 
どうぞ「何もしなくても、誰の役に立たなくても、ここにいていいんだよ」という安心感を、まず先に自分にたっぷりと与えてあげてください。
やさしく体をなでながら、「安心していいよ、大丈夫だよ」と自分に言ってあげてください。
 
安心も、幸せも、心で感じるものです。
仕事も、パートナーも、趣味も、友達も、心で感じる力が疲れ切っていたら、自分にぴったりを見つけることができませんよね。心に安心感があるからこそ、心で感じるセンサーがしっかりと働いてくれるんです。

 これまで本当に頑張ってこられたみみつきちーさんが、たくさんの幸せを受け取れるほうへ方向転換していけますように。信じて応援しています。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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