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41歳女性のお悩み「誰かに何か言われても言い返せず、いつもモヤモヤするんです…。」

カルチャー

 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2023.04.19

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:誰かに何か言われても言い返せない…。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(北海道 カーネーション 41歳)

41歳で子どもはいません。夫とのふたり家族です。

私は学生の時にいじめられていたせいか内向的な性格で、あまり友達がいません。

新しい職場でも誰かに見られていると思うと緊張して思うように仕事ができず。
人と話すのも頑張って話して疲れてしまったり、誰かに何か言われても言い返す事が出来ず、いつもモヤモヤしてその人を嫌いになってしまいます。

自己啓発本を読んでいると「気にしないようにする」とか「許すことも大事」と書かれていますが、また同じ事を繰り返してしまいます。

どうしたら角が立たずに言い返すことが出来ますか?
 

心の中に「否定」フィルターがあるかもしれない

回答

ご相談ありがとうございます。
「誰かに何か言われても言い返せない」ことに悩まれているのですね。
 
「見られていると思うと緊張して」「頑張って話して疲れて」「何か言われても言い返す事が出来ず」などの言葉から、職場での緊張感が伝わってきました。
 
学生時代の経験から、
「またイヤな目にあうんじゃないか」
といった不安や怖さが今でもあって、心が安心を感じにくくなっているのかもしれませんね。
 
不安や怖さが強くなると、どうも自分に対する視点が厳しくなるようです。自分を守りたいと思うがために、ダメなところや嫌われそうなところに注意深くなるんですよね。そうして、いつしか自分を否定的に見る癖がついていきます。
 
ところで、少し話は変わりますが、実は私たちは、誰もが、起こる出来事や、誰かの態度や発言などにふれた時、心の中のフィルターを通して「きっとこういう意味だろう」と解釈を加えて受け取っています。ですから、同じものを見ても、聞いても、どんなフィルターを通しているかによって、解釈が違ってきます。
 
たとえば、同僚に「その仕事、まだできてないの?」と言われた時、「否定」フィルターを持っている人は、「遅いと責められている」と解釈するかもしれません。一方で、その真逆の「肯定」フィルターを持っている人なら、「私を心配してくれているのね」と解釈して「手伝ってー」とお願いするかもしれません。
 
受け取る側のフィルターによって、まったく違う解釈になっていきますよね。
 
自分を否定していると、心に「否定」フィルターを育ててしまうので、他人からも否定されているように感じてしまいがちになっていきます。
 
もしもカーネーションさんも心当たりがありそうでしたら、このフィルターを取り替えていきませんか。
 
そのために大切なのは、自分に対する否定をやめていくことです。
 
たとえば、もしご自身の内向的な性格を否定的に感じていたとしても、別の角度から見れば素敵なところもたくさんあるはずです。思慮深い、冷静な判断ができる、自分のペースを持っている、聞き上手などなど、内向的な方の魅力はたくさん思い浮かびます。ネガティブな面だけでなく、そうしたご自身の強みにも目を向けてみてほしいのです。
 
いきなり自分を肯定するのは抵抗がありそうでしたら、「わりといいかも?」くらいから始めてみてください。
 
そうしていくうちに、「否定」フィルターが弱まり、「わりといいかも」フィルター→「なかなかいいよね」フィルターへ。
 
こんなふうに肯定的なフィルターへ変わっていくにつれて、自分を必要以上に守る必要がなくなって、職場での緊張感がやわらいでくるでしょうし、まわりの人の態度や発言を受け取る時の解釈も自然と変わってくるでしょう。
 
そうすれば、そもそも「言い返したい」とモヤモヤするような出来事が減ってくるでしょうし、それでも嫌味を言われたり、誤解されたりした時には、「このままの自分を出しても大丈夫」という感覚で言葉を返していきましょう。
 
「え。それってどういう意味ですか?」
「その言い方、グサッときちゃいました」
「それはちょっと違いますね」
こんなふうに、悪意なく、サラリと。きっとこれが「角が立たない言い返し方」です。
 
過去にいじめられた経験があったとしても、カーネーションさんはいじめられる人なんかではありません。
これまでカーネーションさんを守ってきてくれた「否定」フィルターにはお礼を言ってお別れをして、そのままで素敵なカーネーションさんでのびのびと職場を楽しんでいってくださいね。

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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