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「ひとり暮らし。仕事はやりがい無く、両親は高齢。未来に希望が持てません……。」49歳女性の人生相談

カルチャー

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2022.12.23

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:ひとり暮らしで仕事はやりがいなく両親は高齢。未来に希望が持てない

ひとりで悲しむ女性出典:stock.adobe.com

(愛知県    みなみ 49歳)

未婚のひとりぐらしです。わたしは愛知、両親は青森に住んでいます。

スーパーの正社員で働いていて、お金には困っていません。
仕事は正直やりがいなどは無く「はやく仕事終わらないかな…」という気持ちで毎日働いています。

両親とは仲が良いのですが、80代で病気をもっているので今後介護だったり、親がいなくなってしまい孤独になるツラい未来しか見えません。

SNSは生き生きとしている人が目に入ってよりツラくなるので見ないようにしています。
未来に希望が持てるようにするためにはどうしたらよいでしょうか。
 

「今」に目をむけてみてほしい

回答

「希望がある」ってどんな状態でしょうか。
「何か楽しみなことがあって、ワクワクしている」とか、「この先がもっとよくなりそうだと期待できる」とか、そういう感じかもしれませんね。

ではみなみさんは、もしも未来に希望がいっぱいなら、どんなふうに生きられると思うから、希望を持ちたいのでしょうか。

たとえば、
未来に希望が持てたら、今をもっと楽しめるのに。
未来に希望が持てたら、今をもっと生き生きと生きられるのに。

おそらくですが、こんなふうに、本当に変化を期待しているものは、「今」にあるのではないでしょうか。
もしそうでしたら、上記の言葉をひっくり返してみてください。

今を楽しんでいると、未来への希望が生まれる。
今を生き生きと生きていたら、未来が希望だらけになる。

いかがでしょう?

みなみさんの「これまで」が創り上げてきたものが「今」です。そして、みなみさんの「今」が創っていくものが「未来」です。ですから、実は、未来の希望は、誰かに与えられなくても、今のみなみさんが生み出していくことができるんです

そして、未来への希望を生み出していく方法のひとつとして、日常の中に「want(したい)」を取り入れていくことがオススメです。

みなみさんの日常生活は今、どちらかというと「must(しなければいけない)」が多くなっている状態ではありませんか。

「must」がしっかりとできることはもちろん大切なことですが、「must」ばかりだと、どうしても自分で人生を創っているという感覚が少なくなってきてしまいます。

ですから、今の生活に「want」を取り入れて、楽しむことを意識してみてほしいんです。

好きなことややってみたいことがあればぜひ取り入れてみてほしいですし、もしそういうものがなかったとしても、小さな楽しみを日常に作ってみてください。
あるいは「must」の中に「want」を取り入れる工夫をしてみるのもいいですね。

たとえば、
スーパーのお仕事をしながら、心の中でこっそりと
「今日は、しかめっ面の上司やお客さんの口角を1ミリあげちゃおう」
などとゲーム感覚で仕事を楽しめるような設定してみると、いつもの職場がまた違った景色に見えてくるかもしれません。

SNSで生き生きしている人を見てツラくなるのは、本当はみなみさんもそう生きたいからですよね。
「生き生き」って、命が輝いている表現だと私は思っています。

みなみさんは、今、生きています。きちんと自分で働いて、自分を養って、ご両親の将来を考えて、とても立派に生きていらっしゃいます。まずはそこに誇りを持ってください。
そして、今を面白がる。今を楽しむ。そうやって未来の素になっている「今」のほうへ目を向けて満たしていってください。それが今生きているこの命を輝かせるということですから。
今を楽しんでいると、きっと「もっとこうしたい」「もっとこうなりたい」という気持ちが生まれてくるはず。それこそが、「希望」です。
「もっとこうしたい」が出てきたら、無意識に自分で「そんなの無理だから」と、希望の芽を摘み取ってしまわないように気をつけてくださいね。

そして。
どうぞ、ご両親がいなくなってしまう未来ではなく、ご両親と一緒に楽しめる今を大切にされてください。ずっとずっと一緒にいることはできなくても、あたたかい思い出がみなみさんの未来を必ず支えてくれます。

今を「充」分に満たしていると、未来がたわわに「実」ります。楽しみにしていてくださいね。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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