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【会話の無い40代夫婦】大学卒業後家を出てひとり暮らしをする娘。会話の無い私たち夫婦の未来が不安。

家族・人間関係

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2023.08.17

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:夫との会話がなくて将来が不安です。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(神奈川県 ミキ 46歳)

夫と娘(19歳)の3人家族で一緒に住んでいます。
娘は大学に通っており、卒業後は家を出て一人暮らしをしたいと言っています。
そこで不安なのが、夫との2人暮らしです。

ここ数年、正直夫とはまともに話していません。仕事の関係上朝はやくから夜遅くまで働いているため食事の時間も別々で、「いってらっしゃい」「おかえり」など本当に最低限の会話。

土日は、夫は仕事仲間とゴルフに行ったり、部屋でテレビを見ていたりと別行動。
この状態で娘が家出て行ってしまったら、正直この夫と2人暮らしでは楽しさもなく、不安でたまりません。
かといって、離婚は考えていないのですが、どうしたら昔のように仲良く話せるものでしょうか。

今更どうしたら良いのかわからなくなってしまいました。

心の距離の縮め方

回答

一緒に暮らしているのに会話が少ないって、さみしいですよね。

とはいえ、夫婦でいる期間が長くなればなるほど、「お互いを分かり合っているからこそ(または、信頼し合っているからこそ)会話を必要としない」という場合や側面もあるでしょうから、必ずしも会話の少なさ自体が問題ということではないかもしれませんね。
 
ミキさんの「不安でたまりません」という言葉から、いつの間にかご夫婦の間にできてしまった心の壁のようなものを感じていて、お嬢さんの一人暮らしを機に、その心の壁をまっすぐに直視しなければならない日々がやってくるのかと、それはとっても孤独でつらいものになるのではないかと、そんなふうに思ってしまうところが、ミキさんを不安にさせている本当の問題なのかなと感じました。
 
平日は仕事の都合のため食事を別々にし、土日はゴルフやテレビなどで家族とは別行動をとるパートナーの態度に、ミキさんはこれまでどんなメッセージを受け取ってきたのでしょうか。どんなことを感じてこられたのでしょう。
 
もしかしたら、「私に関心がないのかな」とか、「家族とはあまり関わりたくないのかな」とか。「仕事の邪魔になったらいけないかな」とか、そんなふうに受け取って、「本当はこう言いたいけど」「本当はこうしてほしいけど」言わずに飲み込んできてしまった言葉や気持ちがたくさんあるのではないでしょうか。
 
心の距離って、言いたいことを飲み込めば飲み込むほど、ひらいてしまいます。

たとえ、相手のために、あるいは、家族が平穏に過ごすために、良かれと思って飲み込んだつもりだったとしても、それはミキさんなりの優しさや思いやりであったとしても、平気なふりや大丈夫なふりは、「私の内側に入ってこないで」というメッセージとなって相手に届いてしまうこともあります。
 
あるいはもし、彼のほうにも、たとえば家族の中で疎外感を感じていたり、「自分が口を挟まないほうがいいのでは」など、彼なりの事情や思いやりで飲み込んでしまった言葉や気持ちがあったとしたら……。
 
お互いに、相手から「入ってこないで」というメッセージを受け取ったように感じてしまい、心の壁が高く分厚くなってしまったのかもしれません。
 
「昔のように仲良く話したい」きっとそれがミキさんが心から望んでいることですよね。でしたら、ぜひその素直な気持ちをそのまま伝えてみませんか。
 
「今さらそんな恥ずかしいこと…」
なんてふうに感じるかもしれません。
 
でも、夫婦という近しい関係だからこそ、ついわかっているつもりになって、相手の気持ちを誤解したまま受け取り合ってしまっていることも多いんです。ですから、時にはその恥ずかしい本音をさらけ出して、本当はどんな関係性を一緒に築いていきたいのか、ミキさんの気持ちを出してみることがとっても大切だと思うんです。
 
とはいえ、長年の心の壁はすぐには取り払われないかもしれません。でも、
「私はあなたのことを大切に思っていますよ」
そんな素直な気持ちを口から出せただけで、それは自分の気持ちの味方になれたということ。ぜひ誇りに思ってみてください。

自分の気持ちの味方でいられるようになると、少し心に余裕が生まれます。そうすればきっと、たとえ会話は少なくても、彼は彼なりに、ミキさんとの生活を大切に思っているからこそしている行動が見えてくるかもしれません。
 
見えてきたら、そこに「ありがとう」の気持ちを向けてみてください。
 
自分は受け入れられている。
この場所に歓迎されている。
 
ミキさんの中に戻ってきたそんな感覚が、きっと相手にも伝わり、夫婦の間の心の壁を少しずつ薄く低くしていってくれるはず。
 
「昔のように仲良く話したい」そんなふうに素直に思えるミキさんはとっても素敵な女性です。
 
これまで子育てに奮闘されてきたミキさんのこれからが、ご自身の心を満たす素晴らしい人生になりますように。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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