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週末“わが家に友人を呼ぶ夫”にうんざり。食事の準備は私。週末くらい2人でゆっくり過ごしたいのに…。

家族・人間関係

 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2023.08.23

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:わが家に友人を呼ぶ夫にうんざりだけど言えない…。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(長野県 あい子 42歳)

夫は金曜日になると「明日うちに〇〇呼んでいい?」と、学生時代の友人や会社の仲が良い同僚をわが家へ呼びたがります。

だいたい夕方に来てお酒を飲んで、終電に間に合わずリビングで寝て朝帰るのです。しかも、おつまみなど料理の準備はわたしにやっておいてという始末。
うちは子どもがいなくて夫と2人暮らし。週末くらいゆっくり2人で過ごしたいのですが、夫はワイワイした場所が好きなので、そうもいかず…。

夫にイヤだとはっきり言いたいのですが、価値観が合わないということから離婚を切り出されるのではないかとこわくて言えません。
どう気持の折り合いを付けたらいいかわからず。
何かよい方法や、心の持ちようはあるでしょうか。
アドバイス頂けたらうれしいです。

「がまん」の背景にあるもの。

回答

「ワイワイが好き」な夫さんなんですねえ。
それ自体は楽しいことだとしても、ただ、「おつまみや料理の準備は(妻に)やっておいて」だなんて、それを「毎週のように」だなんて、(妻の立場を想像してみたら)「なんと大変なんだーーー」と思ってしまいました……。

きっとあい子さんの「おもてなし力」が素晴らしくて、夫さんもご友人の方々もつい甘えてしまうんでしょうねえ。終電を逃してしまうほど居心地がよいのでしょうねえ。
 
ひとつ気になったのですが、「週末くらいゆっくり2人で過ごしたい」というあい子さんの気持ちは、夫さんにはどのくらい伝わっていますでしょうか?
 
もしかして、「明日うちに〇〇呼んでいい?」という確認に対して、「私の気持ちは置いといて、よほどの予定がない限り“いいよ”と引き受けてあげなくちゃ」なんてふうに、心のどこかで思っていませんか?
 
もしそんなふうに思うとしたら、もしかしてあい子さんの心の中に「私さえ我慢していていれば、みんなが幸せ」なんていう思い込みがありませんか?
 
そして、それはご結婚されるよりもずっと前、あい子さんが子どもの頃からご家族やまわりの人との関係性の中で思っていたことではありませんか?

なんてことを矢継ぎ早にお聞きしてしまったのも、
 「価値観が合わないということから離婚を切り出されるのではないかとこわくて言えません」
 という言葉を読んで、あい子さんがそんな怖さを感じてしまう背景には、「相手に合わせられなかったことで大切な人が離れていってしまった(と思った)」、あるいは、「相手に合わせないと大切な人が離れてしまうのではと怯えていた」というような、何か悲しい体験があるのではないかなと思ったからなんです。
 
「大切な人が離れていってしまう」
もしそんな怖さがあったら、そりゃあ「自分を我慢させてでも、相手が喜んでくれるように」と頑張ってしまいますよね。

だからこそ、「自分に我慢をさせて、相手を優先する」という行為が、相手を大切に思うからこその、言わばあい子さんなりの愛情表現になっていったのかもしれません。
 
ですが残念なことに「自分に我慢をさせて、相手を優先する」ことを続けていると、相手はあい子さんのことを大切にしづらくなってしまうんです。

というよりも、たとえ大切にしたくても、あい子さんを大切にする方法がわからなくなってしまう。何が好きで、何が嫌いで、何がうれしくて、何がイヤなのか、全部快く受け取っていたら、見分けがつかないですものね。

その結果、徐々に「君の意見は聞かなくてもいいよね?」というのが当たり前になっていってしまうんです。

もしそうなってしまったら、それはあい子さんだけでなく、本当はあい子さんを大切にしたい彼にとっても悲しいことだと思いませんか?
 
ですからまずは、「大切な人が離れていってしまう」と怖がっている自分に対して、「あの時は怖かったね」と寄り添いながら、「でも、もう怖がらなくて大丈夫だよ」と教えてあげましょう。

今目の前にいるのは、今のあい子さんを大切にしたいパートナーです。彼に、あい子さんのことをもっと大切にさせてあげましょう。そのために、あい子さんの希望や意見、想いを教えてあげませんか?
 
いかがでしょう。そんなふうに捉え方を新しくしてみたら、「価値観が違っても、自分の気持ちや意見も伝えてもいいかな」とほんの少し思えてきませんか?
 
違う人間同士ですもの。夫婦で価値観が違うのは当たり前。そして価値観は、どちらかが我慢して合わせるものではなく、お互いに擦り合わせて、広げていくものです。
 
ワイワイもいいね。そして、2人で静かにのんびりもいいね。
どちらにも素晴らしさがあると知れたら、幸せが2倍になりますよね。
 
ぜひお互いの価値観を擦り合わせながら、2人とっての心地いい着地点を見つけていってください。

「自分に我慢をさせて、相手を優先する」から「自分も相手も大切にする」へ。
これまで相手をとっても大切にしてきたあい子さんが、ご自身もまた大切にされている存在だと思い出せますように。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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