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「独身ひとり暮らしの今。結婚、子ども……自分の気持ちがわからないんです」<41歳 みおりさん>

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2023.11.08

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:自分がこの先どうしたいのかがわかりません

悩む女性出典:stock.adobe.com

(大分県 みおり 41歳)

独身でひとり暮らしです。

結婚したい!子どもをうみたい!という強い気持ちが無いもので、ここまで独身できました。途中彼氏がいたこともありましたが、今はいません。

結婚して子持ちの友人の話をきくと「子どもはかわいいんだなぁ」と思うこともあれば、「自分の時間はとれないし、ストレスがたまるんだ」とか「夫のこと嫌いになるものなんだな」という気持に揺さぶられ、結局のところ自分がどうしたいのかがわかりません。

このままでよいものか。後悔しないための考え方を教えて頂けたらありがたいです。
 

「嫌なことを避ける」ではなく「自分はどうしたいか」

回答

ご相談ありがとうございます。

結婚していてもいなくても、子供がいてもいなくても、みおりさんの人生は素晴らしいです。まわりの人と同じことを経験していてもいなくても、みおりさんの人生は素晴らしいです。

そして、たとえ自分の時間がとれなくてストレスがたまることがあったとしても、パートナーを嫌いだと感じることがあったとしても、ご友人の人生もまた素晴らしいです。

どんな道を選んだとしても、人生に優劣はありません。

ですから、たとえば「結婚して子育てをすることが女性の幸せ」といったような昔誰かが言った「幸せのカタチ」を当てはめて、それを経験していない自分は幸せじゃないのかも? なんてことをもしも思うことがあるのでしたら、そんなことを思う必要は一切ありません。

これまでの人生は、みおりさんがご自分で選んで歩んでこられた素晴らしい人生です。どうぞ誇りを持ってくださいね。

その上で、これからの人生を選択していくにあたっての「後悔しない考え方」についてご提案をさせていただくとしたら、それは……

「嫌なことを避けるのではなく、好きなこと、やりたいことのほうへ向かってみてください」

ということです。

おそらく今のみおりさんは、ご友人の体験談から「自分の時間が持てなくてストレスが溜まるのは嫌だな」とか「パートナーを嫌いになってしまうなら嫌だな」とか、そんなふうに考えてどうしたいかがわからなくなっているのですよね。

でも実は私たちって、「嫌なことを避ける」を軸にすると、「自分はどうしたいか」がどんどんわからなくなってしまうんです。

たとえば、みおりさんがご旅行で東京に来られたとします。

タクシーに乗って「東京タワーと渋谷には行かないでください」と伝えたら、きっと運転手さんは「目的地はどこですか?」と聞きますよね。それでもさらに「浅草にも行きたくないんです」と伝えたら、結局どこに向かえばいいかわからなくて発車できないと思うんです。

もしかしたら今のみおりさんも、ご自身に向かって、たどり着きたくない場所だけを伝える乗客のようになっているかもしれません。

ですから、これからぜひ目を向けていただきたいのは、自分が「どうしたいか」「どうなりたいか」です。ほんの少しでも心に浮かんだら、ぜひその思いを大切にしてみてください。

たとえば、もしも「愛する人とずっと仲の良い関係でいたいな」と思うなら、それをムリと言う人ではなくて、それを叶えている人を探してみたり、その人の話を聞いてみたりする。自分の「こうしたい」という思いを大切にするとは、たとえばそんな感じです。

もしかしたら、みおりさんだって、昔は「こうしたい」「こうなりたい」と運転手さんにわかりやすく目的地を伝えていたかもしれません。でもその度に、「そんなのムリだよ。だって〇〇さんがこう言ってたもん」と打ち消していたら……、心に浮かべることさえやめてしまいますよね。

ですから、それが叶うかはいったん置いといて、まずは「こうしたい」と心に浮かぶ想いを大切にしてみてくださいね。

さらに言うと、「嫌なことを避けるのではなく」の意味は、みおりさんの人生に「失敗すること、間違えること、損をすること、傷つくことを許してあげくださいね」ということでもあります。

もちろん、誰だって、失敗したくないし、間違えたくないし、損したくないし、傷つきたくもないですよね。でも、前述の通り、それらを避けることを大切にしすぎてしまうと、どこへ向かいたいのかわからなくなります。ですから、「たとえそんなことがあっても大丈夫」とご自身を信じてあげてほしいんです。

「どんなことがあっても大丈夫だから、したいことをどんどん自分に経験させてあげよう」
そんなふうに思えたら、後悔のない人生になると思いませんか。

ご自身の「こうしたい」を大切に扱えば扱うほど、人生は愛おしいものになります。どうぞ、誰と比べる必要もない、みおりさんだけの愛おしい人生を。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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