「言い争いたくないから黙っておく」はNG。人と戦わずに言いにくいことを伝える“3つのステップ”

家族・人間関係

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 「言い争いたくないから黙っておく」はNG。人と戦わずに言いにくいことを伝える“3つのステップ”

2023.03.04

職場の会議やPTAの会合など、さまざまな人が集まる状況では、“声が大きい人”の意見が通ってしまいがちですよね。波風を立てたくないから、人間関係をギスギスさせたくないからと、その場の空気を読んでなんとなくお茶を濁したり、心にもないことを言ったりした経験がある方もいるかもしれません。でも、自分の思いや考えを、相手と戦うことなく伝えられたなら、きっと気分はもっとスッキリ軽くなるはずです。今回は、言いにくいことを伝える「3つのステップ」についてご紹介します。

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教えてくれたのは……船見敏子さん

船見敏子さん

株式会社ハピネスワーキング代表取締役。公認心理師。産業カウンセラー。
大手出版社で雑誌編集に携わっているときにカウンセリングを学び始め、2005年よりカウンセラーに転向。全国の企業などでの研修・講演などを含め、約1000社・約10万人のメンタルケアに携わっている。

書影

『言い返せない人の聴き方・伝え方』
著者:船見敏子
価格:1,815円(税込)
発行所:日本能率協会マネジメントセンター

さわやかに言いたいことを伝える「戦わない会話術」

「戦わなくても言いたいこと、言いにくいことは伝えられます」
とおっしゃるのは、公認心理師として全国の企業などで研修や講演を行っている船見敏子さん。相手と戦うことなく、平穏に、波風立てずに、さわやかに言いたいことを伝えられる「戦わない会話術」について提案しています。

「戦わない会話術を身につけると、今悩んでいる相手とのコミュニケーションがきっと楽になります」と船見さん。今回は、船見さんが提唱する「言いにくいことを伝える3つのステップ」をご紹介します。

「言いにくいことを伝える3つのステップ」

ステップ1.言われっぱなしにならない「聴き方」で聴く

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同じものを見ても、人によって受け止め方は異なります。
たとえば、待ち合わせ場所には5分前には着くべきだ、と考える人もいれば、時間ぴったりに到着すればOKと考える人もいるでしょう。
こうした思考のギャップは、価値観や信念、つまりは「心のフィルター」が、人によって異なっているからだと船見さんはおっしゃっています。

相手の心のフィルターを理解するために大切なのが、「話をよく聴くこと」。
話を聴くというのは、ただ黙って相手の話を聞くだけではありません。相手が何を伝えようとしているのかをできるだけ正確に理解し、気持ちや考えを受け止めようとする姿勢が大切です。

ステップ2.今の問題が解決した「未来」をイメージする

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相手が伝えようとしていることを聴いたら、視点を「未来」に移していきます。自分だけでなく、「お互い」にとってハッピーな未来を考えてみましょう。
未来のビジョンが見えることで、イライラや不安、気分の落ち込みが落ち着き、行動を起こす力が湧いてきます。

ステップ3.「未来形のことば」で提案を伝える

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最後に「未来形のことば」で、自分の考えや意見を伝えます。主張ではなく、「対話」をイメージすると、心理的なハードルを少し下げられると船見さんはおっしゃっいます。
ポイントは、「自分と相手の双方にとって」よりよい状態を、「未来の行動をイメージすることば」で伝えること。「私たち」を主語にしたり、「一緒に考えてください」「相談させてください」という言葉で相手を巻き込んだりすると、対話を展開しやすくなります。

コミュニケーション能力はトレーニングで上達できる!

「戦わない会話術を身につけることは、自分の率直な思いや考えを言えるようになるだけでなく、あなた自身をラクにする」と、船見さんはおっしゃっています。

トレーニングで上達できる出典:stock.adobe.com

戦わない会話術の3ステップを実践した人からは、
「今まで言えなかったことを初めて言えた」
「スムーズに会話ができた」
「思った以上にあっさり相手が納得してくれた」
など、うれしい報告がたくさん届いているのだそうです。

はじめはうまくいかないこともあるかもしれませんが、「コミュニケーション能力はトレーニングすることで上達する」と船見さん。3ステップのできるところからトライすることで、いつもの人間関係がいい方向に好転するかもしれませんね!

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