『発表がうまくなる! 好きになる! 10歳から知っておきたい魔法の伝え方』(日本能率協会マネジメントセンター)
著者:鈴木深雪
価格:1,650円(税込)
話し方には設計図がある!
相手に話が伝わらない人の多くは、情報が多すぎたり、整理されていない場合があります。わかりやすい例をあげてみます。
Aさん
「メガネをなくしたんだけど、どこにあるか知らない? 起きた時ベッド脇でつけて、その後洗面台でコンタクトに変えたの。そのままメガネケースにしまって、バッグに入れたつもりだったんだけど、見つからなくて」
Bさん
「朝、起きてすぐにメガネをかけて、洗面台でコンタクトに変えたの。そこでメガネケースにしまってから、バッグに入れたんだけど、見つからないんだよね。メガネどこにあるか、知らない?」
どちらも「メガネの所在」を聞いているのですが、全く同じ内容なのに、Aさんの方が圧倒的にわかりやすいですよね!
「それは、初めに伝えたいこと(=結論)があるから、聞き手は”なんの話なのか”をわかった上で話を聞けました。どういう「順番」で話すかが、聞き手の理解度を大きく左右するのです」(鈴木さん)
「ななたこシート」で、思考を整理&実践!
とは言っても、誰でもすぐにわかりやすい話し方はできません。そこで、当てはめるだけで簡単に「話の設計図」が作れる「ななたこシート」をご紹介します。
「『ななたこ』の順で話すだけで、話の結論という大きな話題から、その詳細である小さな話題に自然と移っていきます。これが、伝えたいことが相手に分かりやすく伝わる順番です。何を話そうかな? どう伝えようかな? と思ったら、まずはシートを使って思考整理をしてみましょう」(鈴木さん)
実際に使えば、その差は歴然!
では早速、ななたこシートを使って「自分の欲しいもの」を紹介するプレゼンの設計図を作ってみましょう。
<なにを>電気調理鍋の魅力ついて
<なぜ>家族の健康と笑顔が増えるから
<たとえば>10分で作れるメニュー、ほったらかしでできる料理、野菜たっぷりのおかずなど
<行動>家族みんなが使いこなせるように、まずは週末家族と一緒に料理してほしい
「『ななたこ』を使えば、相手に伝わるシンプルでわかりやすい文章に大変身! 日常の会話だけでなく、家庭内での提案、仕事先でのコミュニケーションや資料作成などにも使えます」(鈴木さん)
プレゼンのとき、なるべく避けたいNGワード
実際にななたこシートを書いた時、「うれしい」「楽しい」「おもしろい」などという言葉を多用していたなら、要注意です!
「これらは、とても便利な言葉です。だからこそ、誰もが使いすぎて、自分の気持ちが伝わりにくい言葉でもあります。プレゼンでは、自分の中にしかない気持ち、自分だけの経験、自分だからこそ伝えられるアイデア……そんな『自分言葉』をぜひ使ってくださいね」(鈴木さん)
自分言葉といっても、新しい言葉を作る必要はありません。自分が見て、感じて、考えたこと、その経験と繋がった言葉を使うだけで十分。それだけで、同じ内容でも相手の心にぐっと深く届くんです!