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<お悩み相談>流れるように過ぎていく毎日。趣味もない。生き生きと日々過ごすにはどうしたらいいですか?

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 生き生きと日々過ごすにはどうしたらいいですか?

2022.08.19

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:生きがい、やりがいのある人生にしたいけど…

落ち込む女性出典:stock.adobe.com

(東京都 48歳 ミキ)

28歳のときに結婚して、今は中学生と高校生の子どもがいます。
二人ともいい子に育っており、夫とも特段仲良しではないですが普通の夫婦の関係です。

悩みがないことが悩みというか、日々が流れるように過ぎていて。なんというか「明日はこれがしたい!」「これがあるから毎日楽しい!」というモノがなく、これからの未来が楽しいと思えていません。

テレビやYouTubeで何かに没頭している人を見ると、羨ましいなぁと思う気持ちはあるのですが、自分なんか何もできないという気持ちがでてしまいます。

どうしたら生き生きと日々過ごしていけるのか。アドバイス頂けたらうれしいです。
 

まずは誤解を解きましょう

回答

何かに没頭している人や、目標に向かって頑張っている人、「推し」に夢中になっている人たちって、すごく楽しそうですよね。

「好き」「楽しい」「うれしい」そんな感情を満喫しているように見えるし、時には「くやしい」「切ない」といった気持ちも味わうかもしれないけど、それさえもなんだかとても羨ましい。そんな感じでしょうか。
ということは、ミキさんにとって「どうしたら生き生きと日々過ごしていけるのか」というお悩みは、「もっと心を動かして生きたい」ということなのかもしれませんね。

そして、今そうなっていない理由について、ミキさんは「自分なんか何もできない」とおっしゃっています。ここについては、ちょっと深掘りしてみたほうが良さそうです。

もしミキさんご自身が「私にできることは何もない」と本当に思っているのでしたら、その誤解は解いておきましょう。ミキさんは、ご結婚されてから今まで、ご家族を大切にし、お子さん達を中学生と高校生になるまで育ててこられました。ミキさんが心を込めて愛情を注いできたからこそ、今のご家庭があるのではないでしょうか。簡単にできることではありません。

あるいは、「自分なんか何もできない」という考えが浮かぶ時、それはいったい誰の声なのか考えてみるのもいいと思います。昔誰かに言われた言葉がずっと頭の中に残っている場合もあります。もしそうだとしたら、その人の言葉で自分を縛るのはもうやめてしまいましょう。昔そう言った人がいたとしても、それを採用し続けなくていいのです。

何もできない赤ちゃんだったお子さん達が中学生や高校生になるまで、ミキさんはたくさん心を動かしてこられたのではないでしょうか。ひとつひとつの成長に喜び、幸せを願い、時にはハラハラしたり不安になったりしながら。大変さの裏側には、やりがいがあります。

そして今、お子さんたちがしっかりと成長され、子育ての大変さが少しだけやわらいできたことで、「これからは自分のために心を動かしたい」という望みがムクムクと湧いてきているのかもしれませんね。
さあ、ここからは、ミキさんがミキさんのために心を動かしていく時です。自分の感覚に敏感になって過ごしてみてください。「どんなことを感じてもOK」と、どんな自分にもOKを出してみてください。

自分の「好き」を知るためには「キライ」の感覚もキャッチする必要があります。「心地よい」を知るためには「なんかイヤ」も感じ取る必要があります。意外とキャラじゃないものに惹かれるかもしれません。そんな自分にもOK。「今は何にもしたくない」そう感じる自分にもOK。

ゲームみたいに、自分の感覚に耳をすませて、キャッチすることひとつひとつにOKを出していく。自分の感覚を認めてもらえたら、きっと自分が喜びます。役に立つとかたたないとか、誰のためになるとかならないとか、意味があるとかないとか、そんなものにかき消されていた感覚が戻ってきます。

「私なんか」扱いされていた自分が堂々と自分を表現しはじめて、「こっちこっち!」とミキさんを手招きをするようになります。それってきっと、ミキさんが思い描いている「生き生きと」生きている状態ではありませんか。

今この瞬間に心が動くものを大切に積み重ねていく。それがやがて「生きがい」と言えるような大きな存在になっていくのかもしれませんね。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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