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49歳女性のお悩み「職場の上司やチームの人が私を認めていない感じがする……。」

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2022.05.06

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:職場の上司やチームの人が私を認めていない感じがする…。

職場出典:stock.adobe.com

(滋賀県 49歳 あすか)

40代の会社員、独身女性。今の会社で働いて(正社員)今年で15年目になります。
成績があまり良くないので、ずっと一般職です。全員女性の職場で働いています。

直属の上司やチームの人と人間関係が上手くいってないことに悩んでいます。
上司とはよく話をしますが、意見が合わないことが多いです。
私は上司が4人目なので、他の上司の考え方も取り入れて仕事をしています。なのにそれを認めてくれません。

新たな契約を外から取ってきても「おめでとう」すら言ってくれません。
同じチームの人たちとは性格が合わず、私を除いた他のメンバーでいつもお昼を食べにいったりして仲良くしています。

他のチームの人ですが仲が良い人はいるため、会社で完全に孤立しているわけではないのですが、私としては侮辱されてる気分になります。
上司に相談したら「性格が合わないなら無理に仲良くする必要はない。」と言ってくれますが、このままずっとこの職場で働く自信がありません。
私はどうしたらよいでしょうか?

心地よい人間関係のつくりかた

回答

ご相談文を読んで、とても真摯にお仕事に取り組まれている様子が伝わってきました。きっと会社にとって、あすかさんはとても頼もしい存在ではないかと思います。
 
ただあすかさんとしては、まわりの人に認められていないと感じるのですね。自分を認めていないと感じる(ときには侮辱されている気にさえなる)人たちと毎日一緒に働くというのは、なかなかしんどい状況ですよね。
 
実は私自身も「どうして評価されないのだろう」と感じて、苦しかった経験があります。そんなことを踏まえつつ、「こうしたらお仕事しやすくなるかな」と私が思う提案をさせていただきますね。
 
相手も自分も大切にするコミュニケーションの考え方として「I am OK, you are OK」というのがあります。「私もOK、あなたもOK」と受け止められる心の状態だと、お互いに自分を表現しやすく、心地よい人間関係を築きやすいという考え方です。
 
心の状態が「私はOKでないけど、あなたはOK」になっていると相手に従うばかりになりがちですし、「私はOKだけど、あなたはOKでない」になると、自分だけが正しいと思ってしまいがち。
 
たとえば私が「もっと認められたい」と思っていた時、成果を出すこと、課題を達成すること、ミスをしないこと等が評価につながると思っていました。それなのに、いくら頑張っても正当な評価をもらえない気がして不満が募るばかり……。
 
そんな時にこの考え方を知り、いつの間にか「私はOKだけど、あなたはOKでない」の状態になっていたかも?と気づきました。もちろん、そんなつもりはありません。でも「認められたい」と思うあまりに「私‘だけ’が認められるべき」という状態になっていたかもしれないなと。
 
気づかないうちに「あなたはOKでない」というメッセージを発してしまっていたとしたら…相手は否定されたように感じて、私のことを認めにくいかもしれませんよね。
 
もしかしたら、あすかさんにもそんなことが起こっていないかな?と思いましたので、「私もOK、あなたもOK」な心の土台を育てる方法をお伝えしてみますね。
 
ステップ1は、自分を認めること。「私よくやってるなあ」「契約がとれたのも私なりに頑張ったからだね。私おめでとう」そんなふうに自分を評価してあげてくださいね。あすかさんは、本当に一生懸命お仕事されていると思います。
 
ステップ2は、相手も認めてみること。職場の人たちの素晴らしいところなども探してみてください。

ちなみに、この順番がとっても大切です。相手だけを認めようとすると「私はOKでないけど、相手はOK」にひっくり返ってしまいがち。自分を認めていると、相手のことも認めやすくなります。
 
最後に、「相手を否定しないで自分の意見を伝える方法」をひとつお伝えしておきますね。「イエスアンド法」というものです。
 
自分の意見と相手の意見が違うとき、「あなたの意見もわかります。でも……」と、自分の意見を伝えることをイエスバット法と言います。これも先に相手を肯定しているので悪くはないのですが、否定の接続詞がつくことで「やっぱり否定しているよね?」と相手は感じてしまいます。
 
これを「あなたの意見もわかります。そして……」のように変えるだけで、相手はあなたの意見をより受け取りやすくなるんです。
 
こんな感じで「私もOK、あなたもOK」を意識していくと、まわりの人がますますあすかさんのことを認めやすくなると思います。これまで長く一生懸命に頑張ってこられたあすかさんですから、きっと「本当は認められていたんだ」なんて気づくことも多いはず。応援していますね。

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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