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今の仕事をやめたいけど新しい仕事に就けるか不安…。そんなあなたに“伝えたい言葉”

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2023.07.06

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:警備の仕事をやめたいけど転職できる気がしない

警備出典:stock.adobe.com

(兵庫県 冬眠中のタレパンダ 45歳)

今警備業の仕事をしているのですが、辞めたいです。
理由は、危険をともなうし夏から仕事内容が変わる可能性の噂が流れているためです。

かと言って私は学職歴はたいしたことないし、人間関係もうまくないし、作業がおっとりで覚えも悪く転職するにも自信がありません。

古友はスーパーで15年働きリーダー格。器用で店長から頼られており羨ましく思います。私は黙々とマイペースなお仕事や自営業が理想です。出店車のクレープ屋さんを見かけていいなぁ〜と思った事がありますが、奮起する気持ちがないまま今の状況です。

今世代や将来不安があり悩んでます。上手くまとまりがなく乱れ文章をすいません。
どのように行動したらいいのか、アドバイス頂けたらうれしいです。

自分に対する評価を疑ってみましょう!

回答

これからの働き方について悩まれているのですね。
ご相談文からすると、警備業の仕事を辞めたいという気持ちははっきりしているものの、辞めた先の未来が見えなくて、どんな方向へ進むべきか、考えあぐねているといった感じでしょうか。
 
とはいえ、
●黙々とマイペースなお仕事や自営業が理想。
●出店車のクレープ屋さんを見かけていいなぁ〜と思ったことがある。
とも書かれていますので、やりたいことは見えかけているけれど、自分には難しいことのような気がして、やりたいことを具体的にしていくことや、そこに向かって行動することにストップをかけているような状態なのかなと感じました。
 
そこで私からオススメしたいのは、「自分に対する評価を疑ってみる」ということです。
 
実は私たちには、「ポジティブな情報よりもネガティブな情報に注意や関心が向きやすく、記憶にも残りやすい」という性質があります。これは、<ネガティブバイアス>とよばれるもので、大昔に人類が、危険をいち早く察知することで生き延びられるようにと備わった性質だと言われています。
 
このネガティブバイアスによって、自分自身の「できていないところ」「持っていないもの」「過去の失敗経験」などに注意が向きやすい状態になっていると、自分の「できているところ」「素晴らしいところ」「過去の成功体験」などが見えにくくなり、その結果、自分を過小評価し、自信をなくしていくことにつながってしまいます。
 
冬眠中のタレパンダさんも、転職をする自信がない理由をいくつか挙げられていますが、それはもしかしたら、ご自身のそうした「ない」部分に注目してしまうからかもしれません。

もしそうだとしても、それは人の性質としてごく自然なことですから、自分を責める必要は全くないのですが、ただ、新しいチャレンジをしてみようとする時には、意識して、今まで注目していた部分とは真逆の部分に目を向けてみると進みやすいです。

具体的には、ご自身の「できているところ」「素晴らしいところ」「持っているもの」そして、「過去に成功した経験」。ぜひこういう部分をぜひたくさん思い出してみてください。
 
とお伝えすると、多くの人が「そんなのありません」とおっしゃるのですが、人は、自分の優れている部分については「このくらいできて当たり前」なんて思ってしまうもの。ですから、他人と比較する必要は一切ありませんし、ぜひ過去に人に褒められたことや、「他の人は苦労するみたいだけど、私はなんとなくできちゃうな」と感じることなど、注意深く細かく探してみてくださいね。
 
たとえば、黙々とマイペースに仕事ができるのは素晴らしい性質ですし、警備業の経験や、その他の職務経験、プライベートでの経験などによって身についたこともあるでしょう。おっとりとした性格だからこそ、人に喜ばれたことだってあるはずです。
 
こんなふうに「もうすでに持っているもの」や「できていること」が見えてくると、少しずつ「できる理由」が見つかり始めます。
 
あるいは、40代・50代からこれまでの学歴や職歴と関係のない新しいチャレンジを始めた人を見つけてみるのもいいですね。そうした誰かの姿は、自分もそれをしていいんだという自分自身への「許可」につながります。
 
「できる理由」が見えてくると、少しずつ自分への信頼=「自信」が戻ってきます。きっとそこからさらに、冬眠中のタレパンダさんが本当にやりたいと思っていることが明確になっていくはずです。
 
本当はご自身の中にたくさんある「できる理由」と「可能性」。ぜひそこに目を向けて、進みたい未来へと進んでいってくださいね。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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