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<年収1000万超えの夫>家事子育てを優先してほしいからパートをやめてほしいという夫の話

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2023.06.17

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:年収1000万超えの夫が私にパートをやめろと言ってくる

悩む女性出典:stock.adobe.com

 (東京都 ミチ 44歳)

仕事をやめるかやめないか、悩んでいます。

夫は年収1000万超えのエリート、わたしはパートで月10万円ほど。
中学3年生の娘と小学6年生の息子がいます。

夫はわたしに料理や掃除片付け、子育て、その他もろもろ…を完璧にしてほしいそうで「月10万円くらいの仕事、やめて専業主婦になってくれないか?」と言ってきます。

お金にしたら確かにそこまで大きくありませんが、わたしの性格上働いて社会の一員感、誰かの役にたっている感覚がないと、メンタルが壊れそうで恐いんです。

娘も大きいのでわたしとの時間がたくさんあるわけではなく、家に居ても話す相手がいないなんてツラすぎる…。

仕事はやめたくないのですが、夫の言っていることもわからなくもないので、迷っています。後悔しないようなアドバイス、頂けたらうれしいです。
 

どっちの意見を採用するか…の前に。

回答

確かに、働く理由はお金だけではありませんよね。
 
「社会の一員として誰かの役に立っている実感が、自分のメンタルに良い影響を与えているから働き続けたい」というお気持ちもとってもよくわかりますし、精神的な拠り所を家族だけに求めるのではなく、自分には家族以外の場所でのコミュニケーションも必要だと自己分析されているところも、とっても自立した大人の考え方だなと感じました。

そうした自分の意見をしっかりと持ちつつも、パートナーの気持ちや考えも大切にしたくて、悩んでいるんですよね。そこまた、ミチさんの素敵なところですね。
 
こんなふうにお互いの意見が食い違うときは、つい「どっちを採用するべきか?」に頭を悩ませてしまいがちだと思うのですが、お互いにとって心地がいい暮らしのためには、それぞれの意見の背景にあるものに目を向けていくことをオススメしたいです。
 
「背景にあるもの」とは、ミチさんの場合ですと、ご相談文に書かれているような「働き続けたい理由」にあたりますが、彼の場合はいかがでしょうか。
 
ミチさんに専業主婦をしてほしい理由として、「料理や掃除片付け、子育て、その他もろもろ…を完璧にしてほしいそう」と書かれていますが、彼はどうしてそう思うようになったのでしょう。
 
そこを見つめていくと、きっと彼の「困りごと、心配ごと」や「大切にしたいもの」が見えてくるのではと思います。
 
たとえば、「家の中がスッキリと整っていることがメンタルの安定のために必要」と感じてのことなのか、「子供たちがさみしい思いをしていないか?」など何か心配があってのことなのかなど、きっと彼には彼なりの理由があると思うんですよね。
 
この部分が明らかになってくれば、「どうすればお互いの心地よさを大切にできるか」という話し合いができ、それによって「仕事を続けるやめるか」だけではない、第3の解決策が見えてくる可能性もあります(たとえば、収入面に余裕があるのでしたら、家事のアウトソーシング等を検討する方向性もありそうですよね)。

あるいはまた、「家事や育児を完璧に」というのは表面的な理由で、ミチさんを「もっとラクにしてあげたい」と思っている場合もあるかもしれません。

家庭を持つ男性には「家族を幸せにしたい」というモチベーションで仕事を頑張っている方もたくさんいると思いますが、たとえば、彼の中で「幸せにする」=「ラクをさせる」ことになっていたりすると、パートを続けているミチさんを見て、「経済的に困らないほど稼いでいるはずなのに、どうして?」と不思議に思い、よかれと思って提案をしているケースもあるかもしれません。
 
なんて、いろいろ想像をしてみても、彼の背景にあるものは聞いてみないとわかりませんから、ぜひここに書いてくださったようなミチさんが働き続けたい理由をそのまま伝えつつ、ご夫婦で直接話し合ってみてくださいね。
 
そして、話し合われる時にはぜひ、「どちらか正しいか?間違っているか?」の議論をするのではなく、「相手が求めているものはなんだろう?大切にしたいものはなんだろう?」と相手を知ろうとする視点を持ってみてください。
 
私たちは、自分が大切にしているものを大切に扱ってもらえると、自然と相手の大切にしているものも大切にしたくなるもの。
 
ミチさんが、彼の提案の背景にあるものに目を向けて、彼が大切にしたいものを一緒に大切にしていこうとするとき、きっと彼もミチさんが働き続けたい理由を大切なものとして扱ってくれるはずと思います。
 
どちらか一方が我慢するのではなく、どこかにある正解に合わせるのでもなく、お互いを尊重しながらミチさんご夫婦だけのベストな答えが導き出されますように。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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