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夫とレス状態。そもそも、私に関心すら無いのがさらにつらい…。<お悩み相談>

家族・人間関係

 夫とレス状態。そもそも、私に関心すら無いのがさらにつらい…。<お悩み相談>

2024.01.03

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:夫とレス状態。私に関心すら無いのがさらにつらい…。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(神奈川県 ゆかり 55歳)

うさこさん、初めまして。結婚20年、50代の子なし夫婦です。

新婚当初から夫が原因のレスで悩み、カウンセリングにも通いましたが効果がなく、私は自殺未遂を計りました。それでも夫は何も言いません。

私は性欲を求めていると言うより、理由がわからないレス…拒否をされている感じが辛いんです。夫はそれが全くわかっておらず……。他にも沢山あります。

まず、謝らない、礼を言わない、名前を呼ばない。これ、けっこう辛いです。キスやハグも一度もないですね。体に触れると怒るほどです。

あと、私は独学ではありますが、ピアノやイラストや声楽を家でやっているのですが、夫はそのことにもまったく関心がなく褒めるどころか不機嫌になります。

長年我慢してきましたが、もう限界。
私は、とある持病があり仕事をすることができず実家には父がいますがこれまた、かなりの毒で帰りたくありません。

こういうのどうしたらいいでしょうか。本当に限界です。それと……義親は、成人している夫のことを〇くん、〇ちゃんと呼び、夫がそれをいやがらないのも気持ち悪いのです。

自分との関係性を良好に。

回答

長い間、つらい思いをされてきたのですね。

ひとつひとつの言葉から、おそらくこれまでゆかりさんを本当に悩ませてきたものは、レス自体というよりも、「一緒にいるのに、まるで存在を無視されているよう(拒否・否定されているよう)な感覚」だったのではと思いました。
 
もしもずっとそんな感覚でいらしたのだとしたら、とっても苦しく、つらいものだっただろうと思います。
 
そんなゆかりさんに私からご提案したいのは、ご自分との関係性を良好にしていくことです。

というのも、もしかしたら長年の結婚生活の中で「拒否されている」「無視されている」という感覚が強くなって、もしかして、まるで自分自身を「拒否される人」「無視される人」かのように信じてしまっていないかな、と思ったからです。

「相手の態度や行動」と「自分がどんな存在か」は、本当は関係ありません。
たとえ、パートナーがゆかりさんを拒否したり、無視したりするような態度をとったとしても、それは彼の問題で、彼の事情によるもの。ゆかりさんご自身が「拒否される人」であったり「無視される人」であったりするからでは、決してありません。

ですので、相手の態度には関係なく、自分を慈しんでみてください。「女性として大切に扱われる存在」として、ご自身を扱ってみてください。

自分にやさしい言葉をかける。鏡の中の自分ににっこりと微笑みかける。丁寧にやさしくスキンケアをする。ゆっくりと湯船に浸かる。疲れたらたっぷり休む。「今日も頑張ったね。ありがとう」と自分にハグをして眠る。

もしこれまで「もっと〇〇でなくちゃ」とか「〇〇な自分はダメ」とか「私には無理」なんて言葉を自分にかけていたとしたら、「そのままの私も素敵だよ」「どんな私も愛おしいね」「やってみなくちゃわからないよね」と、自分にかける思いや言葉を、自分を承認、信頼し、応援する言葉に変える。など。
 
いかがでしょう。想像すると、どんな感じがしますか。
もし抵抗を感じるとしたら、ゆかりさんもまた、そのままのゆかりさんを拒否してしまっているかもしれません。
ですので、もしよかったら、できそうなことから少しずつやってみてくださいね。

と、こんなふうにお伝えするのは、今のゆかりさんが感じている「拒否される」「無視される」感覚は、もしかしたら結婚以前からのものかも?と想像したからです。

ご実家のお父様に対して「かなりの毒」と書かれていますので、もしかしたら幼い頃にもそんな感覚を感じ、「そのままの自分を受け止めてもらえない」悲しさや傷つきが心の中に積み重ねられてきているかも?と思ったからです。

私たちは「もう傷つきたくない」と思うと、「正しさ」で自分を守ろうとすることがあリます。それが「もっと〇〇でなくちゃ」とか「〇〇な自分はダメ」とか「私には無理」などの考えになって、自分自身もまた「そのままの自分」を否定してしまうことがあるのです。

そのままの自分を否定していると、まわりの人の態度が、まるで自分を否定しているかのように突き刺さってしまうことがあります。そして実は、これこそが、本当にゆかりさんを苦しめ、つらくしてしまっているものかもしれないのです。

ゆかりさんが自分との関係性を良好にして、自分への信頼を取り戻していくと、自分の問題は自分の問題、彼の問題は彼の問題、と切り分けられるようになります(たとえば、彼は彼で、ただ自分を守ろうとしているだけなのかも、というように)。そうすると、彼の態度と自分の存在をつなげなくなるので、きっと見え方や感じ方が変わってくるのではと思います。
 
さあ。まわりの人がどうであったとしても、大切にされる存在として、幸せに生きていいゆかりさんなら、これからどう生きたいでしょう。たとえ、誰かに頼ったり、恥ずかしい自分を見せたりしたとしても、自分の価値も魅力も1ミリも減らないとしたら、自分にどんな道を歩ませてあげたいでしょうか。
きっとこれまでは見えなかった選択肢も見えてくるのではないかなと思います。

ピアノにイラストに声楽。なんとたくさんの素晴らしい才能をお持ちなんでしょう。心からその才能を楽しみ、自分を幸せにしていかれますように。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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