今回、お話を伺う八馬ゆみさんは、これまでに9,000人以上の夫婦仲再構築に関わってきた実績があるカウンセラーさん。八馬さんのもとには、悩める妻たちが数多く駆け込み、夫婦関係を修復、再構築し悩みを解決していくそうです。今回のテーマである、「夫の浮気」について、普段、八馬さんが相談者の方にアドバイスしている内容を聞いてみました。
浮気をする理由は?
――浮気の原因で最も多い理由は何でしょうか?
男性は、妻を幸せにしてこそ男としての自信を持つことができる生き物。好きな女性を幸せにすることが自信につながります。妻が幸せそうにしていて、自分に対して感謝をしてくれて、自分のことを褒めてくれ、自分のことを最優先にしてくれていたら、それが自信となり、浮気はしません。
これにときめきを与えてくれたら完璧。ただ、これを妻から感じられない場合、その自信を与えてもらえない場合は、他の女性に対してそれを求めてしまいます。
――浮気をされないために、できることはありますか?
私が相談者さんにいつもお伝えするのは、「kissしましょう」ということ。そのkissは、「K=感謝、I=挨拶、S=尊敬、S=最優先」の意味。
これを、旦那さんにちゃんとしましょうとお伝えしています。「kissしていますか?」「kiss足りませんよ」と声掛けしながら、この4つを意識することからはじめていただいています。
夫の浮気が発覚!妻の取るべき対応とは?
――浮気発覚後、夫婦仲を修復させたい場合はどうしたらいいのでしょうか。
社会通念上「浮気は悪いこと」。浮気した夫を責めたくなる気持ちはとてもよくわかります。
夫の浮気は、妻にとってショックが大きいものです。「まさか」「信じたくない!」と体の震えが止まらなくなる経験をされた方もいると思います。そんな時、まずは、深呼吸していただきたいです。そして、平静を取り戻し、自分がどうしたいか心が定まるまでは、どうか、行動を起こさないでください。
怒り、悲しみ、不安、焦りといったマイナス感情から妻が行動を起こすと、夫のプライドを傷つけてしまうので逆効果。のちのち妻が「やはり修復したい」と思っても、「もう無理」と言われる可能性が高まります。「怖い」「めんどくさい」と思われるような存在になってしまうと、関係修復のハードルは高くなるのです。
もしもあなたが「今後も夫婦でいたい」と思うのであれば、夫への働きかけは、離婚か修復か決めてから。
こういう人生の一大事こそ、冷静に対応していただきたいです。
修復の道が遠ざかる、やってはいけないNG行動!
――夫婦仲の修復をより困難にしてしまうNG行動や発言を教えて下さい。
以下お伝えするのは、修復したい場合のNG行動です。離婚を決めきれない場合も、NG行動をしないことで、あなたの未来の選択肢を広げることができます。
NG行動1.夫を責める
「夫が悪いことをしているのに、なぜ責めてはいけないの?」と思われるかもしれません。ですが、論理的にその結末がどうなるかを考えると「責めない方がいい」ことがわかります。
人は、一緒にいて居心地の良い人、幸せな気持ちになれる人のそばにいたいものです。そうはいっても、悲しい気持ちや怒りの気持ちを抑え込むと、妻の心が壊れてしまいます。
なのでわいてくる悲しい気持ちや怒りは、自分でしっかりと感じ、寄り添ってください。自分で自分を抱きしめてあげてください。誰もいないとき、クッションなどをバシバシ殴って発散したり、カラオケボックスで思い切り泣き叫んだりして発散することもおすすめです。
NG行動2.自分から離婚をほのめかしたり、家を出る
離婚する気がないのに「離婚」という言葉を夫に言うのはやめましょう。不安な気持ちから「もう離婚しかないわ」、「離婚したいの?」のように、「離婚」を会話に入れないでください。また自ら離婚届けを持ってきて差し出すような行動もNGです。離婚する気がなかった夫も、何度も離婚と言われたり、離婚届を見せられたりすると「離婚した方がいいのかもしれない」と、考え始めてしまいます。
また、売り言葉に買い言葉で喧嘩になったり、夫の態度にいたたまれなくなり家を出てしまう人もいます。
修復したい気持ちがあるのであれば、安易な気持ちで家を飛び出さないこと。家を出るのは、離婚を決めたときだけと心得てください。
NG行動3.相手の女性に慰謝料を請求する
「浮気をやめさせたい」と思い、相手の女性のところに乗り込んだり、慰謝料の請求をすると修復が難しくなります。怒鳴り込んだり、慰謝料を請求することで、夫はあなたを敵認定します。またその行動自体が、夫と浮気相手の絆をより強く結びつけてしまうこともあります。
また不貞の慰謝料は、相手の経済力によりますのでリスクや労力のわりに合わないこともあることを覚えておいてください。
NG行動4.親や友人らに夫が浮気していることを言う
「うちの夫、浮気しているんです」ということを言ってしまう人がいますが、これは夫を責める包囲陣を作るようなもの。夫にとっては、敵のような存在になってしまい、仲直りが難しくなります。
一人で抱え込んでいると苦しくて、実家の両親に打ち明けたり、共通の友人に話してしまう方もいると思います。女は悩みを人に話すことで癒される側面がありますから、誰かに話したくなりますよね。でも、これもNG行為です。
なぜなら、相談された側はあなたを心配するあまり、あなたの夫を責めたり、あなたにアドバイスしようとしますが、多くの場合、修復方法を知らない素人さんです。心が弱っているあなたは、思い付きのようなアドバイスに振り回され、ますます疲弊してしまいます。また夫は「ペラペラしゃべりやがって」と、あなたを敵のような存在に思い、より仲直りが難しくなります。
NG行動5.浮気の証拠を集める
離婚したいのであれば、積極的に証拠を集めてください。ですが、夫婦仲を修復させたい気持ちがあるのであれば、証拠集めはおすすめしません。
探偵を雇ったり、スマホ見たりすることもおすすめしません。この行動は、夫のことだけではなく、自分のことも嫌いになってしまう行為です。
なぜなら、証拠を見つければ見つけるほど、あなたは傷つき、彼への怒りや憎しみが増長するからです。感情のコントロールが難しくなり、修復のための冷静な行動も取りにくくなります。
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浮気をされたのに夫を責めない方が難しいと感じた方もいると思いますが、夫婦関係を修復するうえでは、このくらいの覚悟が必要ということなのかもしれません。
浮気を知っても、関係を修復したいう気持ちがある場合は、前向きに八馬さんがお話された内容を意識することで、望む結果につながるということですね。