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義父の介護は誰がする?#小田桐あさぎのアラフォー人生お悩み相談

カルチャー

 義父の介護問題、息子はあなたでしょ!

2021.01.09

人生に悩みはつきものですが、人生でも一番惑い、悩める世代の40代。しかし、悩むことの半分くらいはもしかしたら自分の固定観念「こうしなきゃ、こうでなきゃ」によって自分を縛っているせいかもしれません。 『「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』著者の小田桐あさぎさんに聞く「アラフォーの人生相談」。今回は「介護」についての相談です。

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連載:小田桐あさぎの 揺れる惑う悩めるアラフォー 人生お悩み相談

相談:義父の介護は誰がするかで話し合いができません

義父の介護問題

義父は80代。今年初めに階段から落ちてしまい、太ももを骨折、そのまま歩けなくなりました。気丈な人でしたが、自分で歩けないことで気持ちが落ち込んでしまったのか、少し認知症の傾向も出てきてしまい、介護が必要です。

義母はすでに他界しています。今まではデイサービスがない日はヘルパーさんに来てもらっていましたが、意外と貯金がなく、このままの頻度でヘルパーさんへの依頼を続けると貯金が早い段階で底をついてしまいそう、とのこと。

そこで旦那のお兄さん(独身)と夫と私、3人で話し合いましたが、「料理ができない」「仕事がハード」など色々と理由をつけて私に押し付けようとしてきました。

私が私の両親の介護をするならまだしも、なぜ私が主体となって夫の親の介護をしなければならないのかさっぱりわかりません。

断りたいのですが、まったく聞く耳を持ってくれず、「じゃあ頼むから……」と話し合いもそそくさと切り上げる始末。私は引き受けた覚えはないので、このままほっておこうと思うのですが、他にいい方法ってあるでしょうか。

お義父さんのことは気になるのですが、気になるからと言ってやってしまうと良くないと思っています。パートも辞めなければならないかもしれませんし、費用の負担をどうするのか、私の時間はどこまで使うのかなどクリアにしてからでないとなし崩しにしたくありません。そして何より、私の両親の介護も出てきているので、やはり助けるとしても「主体は夫(と義理兄)」が考えてほしいと思っています。

(東京都・ミイ・52歳・パート)

小田桐あさぎさんからアドバイス:誰も主導権を握らない話し合いでは何も決まらない

放っておきたいけど、気になる……という気持ちはとてもよく理解できます。
おそらく旦那さんのお兄さんとパートナーの中では、もう「お義父さんの介護はミイさんのタスク」ということで割り振られて、話が終わってしまっているんですよね。だから単にミイさんが放っておくだけでは「なんで自分の役割を果たさないんだ?」と、あたかもミイさんが自分の役割を放棄したかのように責められるだけということが安易に想像がつきます。引き受けたつもりはないのに悪者かのように責められるなんて、納得がいきませんよね。

「自分の親の問題は自分が主体で考えるタスクだ」と認識してもらうことが重要

この事態を解決するためには、ミイさんが書かれているように、なし崩し的に介護をしないことがとても大事だと思います。そして、さらに重要なのは、できればもう一度、お兄さんやパートナーと、しっかり話し合いの場を設けること。特にパートナーである旦那さんとの話し合いが重要かと思います。そして今度の話し合いではミイさんが主導権を握り、お兄さんやパートナーが何を言おうが「絶対に自分は介護をする気はない」ということをはっきりと伝えてみてはいかがでしょう。何を言われても頑として譲らない。書面に書いておいても良いかもしれません。

何を言おうがミイさんは絶対に介護しない、旦那さまが自分の責任でどうにかすべきだ、ということが旦那さんにしっかり伝わると、ようやく相手も「自分がどうにかしなければ」という気持ちになるのではないかと思います。「自分の親なんだから最初から自分の責任では?!」と思う気持ちはわかりますが、おそらくお兄さんやパートナーの中では介護が家事や育児と同様に、女性や奥様の仕事だと思っているので、そこからすり合わせていく必要があります。

結局誰も介護しなかったとしても最終的に困るのはお義父さんなわけですから、強気でいれば良いのではないでしょうか。

根競べになりそうなときは

とはいえ、もし何度も話し合いをしてもお互いに頑として「自分は介護はしたくない」の一点張りから譲らなかったとしたら、最終的には根比べになってしまうかと思います。そして結局、気になってしまう上に、家事の段取りがいいミイさんが引き受ける羽目になりそうな気も。

それが嫌だということであれば、もうお金で解決するしかないと思います。誰もやりたい人がいないのですから。

お義父さまの貯金が思ったより少なく……とのことですが、生命保険を解約するなり家を売るなり、自分たちの貯金をはたいてでも、施設に入所して頂くなり、プロにお願いする方向で考えられたほうが良いのではないでしょうか。

私は、介護には強い覚悟が必要だと思っています。ミイさんでもパートナーでも、お兄さんでも、もしも誰か一人が介護を引き受けることになれば、その人は50代という精力に満ち溢れた貴重な自分の時間の大半を、介護に費やすことになるのです。自ら望んでするならば、それも一つの幸せな人生の形かとは思いますが、望んでもいないのであれば、やはり引き受けるべきではないと思います。

お金はまた取り戻すことができますが、自分の人生の時間は、二度と戻りません。自分の人生というものは、自分が幸せになるためにあるのです。そして時間は有限です。限りある時間を、ご自分が幸せになるために使って頂きたいと思います。

そのためには、時には自分のために戦うことや、お金で解決できることはお金で解決するという割り切りも必要かと思います。応援しています。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

小田桐あさぎ

小田桐あさぎ

出会って2週間で結婚。第一子の妊娠中にブログを開設。独自論が好評を博し月間30万PVの人気ブログへ。自分らしい魅力を開花するスクールは4年間で400名以上の女性が受講。「VERY」など女性向けメディア掲載歴も多数。著書に「私、ちゃんとしなきゃから卒業する本」「嫌なこと全部やめたらすごかった」がある。

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