教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
さつまいもで作る簡単なおやつ
今回は、さつまいもを使ったとっても簡単なおやつをご紹介していきます。
さつまいもにはさまざまな栄養が豊富に含まれていますので、まずは栄養について見ていきましょう。
さつまいも
さつまいもには、ビタミンCやビタミンE、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維の中でも不溶性食物繊維が多く、便の量を増やしたり、腸のぜん動運動を促してくれたりするような働きがあります。
カリウムやナトリウムのバランスがいいので、むくみ予防の効果もあるんです。
さつまいもの断面から白い液体が出てきます。白い液体はヤラピンという物質で、便を柔らかくして便秘解消に非常に役立つ成分なんです。
そしてさらに、レジスタントスターチというものが多く含まれます。レジスタントスターチというのは、難消化性でんぷんのことです。でんぷんですが、水溶性や不溶性食物繊維の両方の特徴を併せ持ったような働きがあるんです。
レジスタントスターチがあるおかげで、血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑えたりする働きがあります。
皮まで余すことなく食べよう!
皮の部分に多く含まれる紫色の色素アントシアニンは、赤ワインに含まれているような抗酸化物質でもあるんです。またさつまいもを切ったときに、茶色になることがあります。それはクロロゲン酸と言って、抗酸化物質になります。
水に浸すことで、レジスタントスターチやクロロゲン酸も水に溶け出します。これらの栄養素を余すことなく食べるように、今回は皮ごと使った手軽なおやつをご紹介します。
皮ごと使う「揚げない芋けんぴ」
今回は水にさらさずに使うので、水溶性の栄養素はそのままです。また油で炒めることで、さつまいものβ-カロチンやビタミンEなどのさつまいもの主要な栄養素の吸収を高めます。
フライパンでゆっくり火を通すことで、でんぷんが分解され甘味が増しておいしくなります。
材料
- さつまいも……1本
- 米油……さつまいもの量に合わせて調節
味つけ
- 塩……適量
- はちみつ(メープルシロップでも代用可)……適量
- 砂糖(お好みの砂糖)……適量
- シナモン……適量
米油はごま油やオリーブオイルなどお好みの油をお使いください。
作り方
1.さつまいもはよく洗い、端の方を包丁で切り落とし、輪切りにします。輪切りにしたさつまいもを好みの細さに千切りにしていきます。切ったさつまいもは、水にさらさずに使います。
※あまり細すぎると折れやすくなるので、ある程度の太さを確保しながら細切りにします。
※水にさらさずに使うと変色してきますが、クロロゲン酸というポリフェノールなので、安心して使ってください。気になる方は水にしばらく浸してもOKです。
2.鍋を中火で加熱して、米油(適量)をひき、1のさつまいもを入れます。しばらく放置をして、たまに菜箸でかき混ぜるという感じで、さつまいもに火を通していきます。ときどきフライパンを振って、さつまいもをひっくり返してください。
ふたをすると蒸気がこもるので、今回はふたは使いません。水分を飛ばして焼いていきましょう。
※オーブンで焼く場合は、200度で10分~20分で焼いてください。
3.さつまいもに火が通ってきたら、焼きつけて、香ばしいしあがりにしていきます。焦がさないようにゆっくりさつまいもを回して、全体に火を通すようなイメージで焼きます。全体がパラっとしてきたら、火を止めます。
※今回は10分弱加熱しました。
4.火を止めて、2~3分余熱で放置して、さらにパリッとしたしあがりにします。
5.味つけをして、できあがりです。今回は、塩、はちみつと塩、砂糖とシナモンで味をつけました。このほかにも、たとえば塩とカレー粉、塩こしょうなどもおすすめです。
今回は、「皮ごと使う揚げない芋けんぴ」をご紹介しました。塩で味つけをした芋けんぴは、お酒のおつまみにおすすめです。味つけもお好みのアレンジで楽しんでみてください。
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。