期待と不安が織り交ざる春休み
友人との関係がうまくいかない、教室に入るのが怖い、勉強に追いつけない、先生との相性が良くない。
学校に通うのが難しくなる理由は子どもによって様々。
そんな中、学期を区切りにして、新年度から学校や専門家と話し合いながら再登校を模索する方や転校など環境を変えて再出発を考えている方は多いはず。
不安と期待が織り交ざる春休みはどのように過ごしていけばよいでしょうか。
この1年学校に通うのが難しかった子との春休みの過ごし方を考えてみます。
まずは子どもが今いる段階を知る
学校が休み期間に入ると、毎日登校している他の子と比べなくてよくなるので、少しほっとする親御さんは多いと思います。
しかし、「わが子はこの休みをどう過ごすつもりなんだろう」「休みが明けたら学校に戻れるの?」と不安を感じ、つい強くあたってしまいやすい期間にもなりえます。
子どもと関わる中で最も大切なのは、子どもが今どの段階にいるのかを理解すること。
- 傷ついた気持ちを療養する時期、休息が必要な時期。
- 抑うつや不安感が和らぎ、興味のあることなら取り組める時期。
- 登校を目指して前を向こうとしている時期。
気持ちの落ち込み方も回復の仕方も子どもによって様々で、一様に同じ経過をたどるわけではありません。
親はどうしても親自身の感情や願望が織り交ざってしまい見立てが難しくなりますが、子どもの心をよく見てくれている先生や専門家であれば子どもの状態を適切に把握してくれると思います。
家族や先生、スクールカウンセラーと情報共有しながら子どもの現状、次の段階について考えていけるとよいでしょう。
生活リズムを改善する
休息期間でも、新しいスタートをきる段階でも、生活リズムの改善・維持は重要な課題になってきます。
少しずつ回復してきたとき、まず目を向けたいのは生活習慣についてです。
- 平日は7~8時に起きる、休日も10時までには起きる。
- 親の声かけではなく、目覚ましで起きれるようになる。
- 夜は22~0時までには眠る。
- 朝ご飯を座って食べる習慣を身に着ける。
年齢やその子の体調によって、就寝・起床時間は家族で話し合って決めてくださいね。
また、日光には寝つき、寝起きともによくしてくれる効果があります。
毎朝30秒でもよいので、日の光を浴びる習慣も身に着けていくのもおすすめです。
楽しく過ごす時間、息抜きは十二分に
「来年度から学校に通うんだから頑張らせないと」「遅れた分を取り戻すために努力しないといけない」と考える方は多いです。
しかし、まず目指すべきところが登校なのであれば、勉強は一旦わきに置いておく必要があります。
挑戦は「小さく、小分けに」考えていくのが重要。
登校する時間に起きる、制服に着替える、登校時間に家を出る、教室に入る、午前のみ授業を受ける、給食まで滞在する、部活に顔を出す。
その子の負担に応じてスモールステップで計画を立てていくのが肝心です。
親から見るともどかしいほどの進み具合でも、その子にとっては大きな負担と感じているケースも多いです。
家での休息時間は十二分に、「少し甘やかしすぎかな?」くらいに取っていけるとよいでしょう。