妻の夢のため東京へ移住
いまから4年前。わが家は3年間住んだ京都から東京へとUターン移住してきました。その理由は、妻の夢を叶えるため。
娘の教育環境を変えるべく京都へと移住した僕たちは、夫婦で小さな小学校を創ろうと活動をしていました。
そのとき、僕たちがモデルとしていた小学校が東京にありました。様々な経緯があり、なんと妻がその東京の小学校の理事長に就任することになったのです。
それはとても嬉しい出来事であると同時に、妻が心配したのは夫である僕のキャリアについてでした。
妻が東京の学校に就任するということは、二人で進めてきた京都の学校づくりを辞めて東京に戻るということでした。そうなると僕はもう一度東京でどのようなキャリアを築くかを考え直すことになります。妻はそのことを心配してくれていたのです。
ですが、何も迷うこともなく「東京へ行こう」と決断しました。
妻にとってこれ以上ないほどのチャンスです。そして僕にとっては、もう一度自由に自分のやりたいキャリアを考える機会にもなります。
そうしてわが家は東京に戻り、今に至ります。
こうした話は、夫婦逆ならありふれた話かもしれません。夫のキャリアに合わせて、妻がついていくというような。
ですがなぜか妻のキャリアに合わせて夫が自分のキャリアを柔軟に変更させていくという話は、滅多に聞きません。
どこか無意識の中に、家族にとっては夫のキャリアは必須事項で妻のキャリアは二の次という思い込みがあるのではないでしょうか。
でもそれって、とてももったいないことです。
どちらのキャリアや夢をどのように優先するかは、柔軟に話し合って決めればいいのです。
夫婦でキャリアの話をしよう
夫婦でお互いのキャリアや将来について話をすることはあるでしょうか。これまで多くのご夫婦と話をしてきましたが、意外と話をしていない方も多いのです。
キャリアをつくっていく上で、家族の影響はもっとも大きいと言えます。子どもからの影響はもちろんですが、じつは夫婦の影響も大きい。
妻は夫のキャリアを応援するもの、というのは昔ながらの思い込みに過ぎません。夫婦がお互いに夢を応援し合うのがこれからの夫婦像だと思います。
わが家は、かつて僕が起業をしたいと言ったときに妻が生活を支えてくれました。そのおかげで僕はいまでも事業を続けることができています。
そしていま、妻が夢に向けて挑戦をしたいと言ったとき、僕は妻と家族を支える役割を進んで受け入れました。
そうやってどちらかがチャレンジをするときには、もう片方がサポートをする。そうするとお互いが自分の夢やキャリアに向けて挑戦する自由を得ることができます。
それには、日頃から夫婦でキャリアについて話し合うことが欠かせません。
何も知らないのに突然、新しい挑戦をしたいからその間家族に負担をかけるかもしれない、と言われてもそう簡単には頷けません。
これからは男性に、妻のキャリアや夢をサポートするという柔軟さが必要になるでしょう。
それは自分のキャリアを諦めることでも、妻の言いなりになるということでもありません。お互いのパートナーシップが高まり、夢に向けて支え合える関係を築くことです。
国際女性デーでは、社会で活躍するたくさんの女性の発信を目にすることでしょう。
男女関係なく自由に挑戦ができるようになるには、お互いがお互いを支え合う意識が必要です。
男性だからこそ、国際女性デーにそうした新しい自分の役割について考えて行きたいと思います。