教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
ネガティブ思考を変える「3つの言葉」
ネガティブ思考につかまると、気持ちが引っ張られて自信まで失ってしまう人もいると思います。自分で切り替えられるようになれば、もっと生きやすくなりますよね。
実は、私たちの脳にはさまざまな仕組みがあり、ネガティブだと思っていることが事実ではないこともたくさんあるのです。
今回は、ネガティブ思考を変える言葉をお届けしていきます。
1.「私がそう思っている(感じている)だけ」
他人からどう思われるのか、気になる人はいませんか?
「嫌われただろうか?」「言い方は良かったのだろうか?」「感じ悪いと思っただろうか?」など、これらのような悩みに終わりはありません。
それはなぜかというと、答えは相手が持っており、考えたところで自分では答えにたどり着くことができないからです。
そのため、悶々としたネガティブモードを切り替えるには「私がそう思っているだけだ」と自分自身に教えてあげることが必要になります。
- 相手に嫌われている→「私がそう思って不安になっている」
- 言い方がキツイと思われだろうか→「私がそう思っている」
- 感じが悪いと思われた→「私がそう感じている」
このように、「自分が思っている状態なだけだ」に切り替えてあげるのです。
もし本当に謝りたい、何かしたいと思ったら次の行動を考えて、自分なりの対処方法を見つけてあげましょう。
2.「未来のことはわからない」
ネガティブ思考の人は不安なことを考えてしまう傾向にあるのですが、“人からどう思われるのか”のほかに、未来の不安も色々もっています。
将来の健康、老後のお金、孤独なままだったらどうしよう……。不安な要素が多くあると、心配事はつきません。
気持ちはわかるのですが、シンプルな事実として、未来のことは誰にもわからないのです。
災害が怖いと思っていても、明日事故に遭うかもしれません。老後の心配をしていても、明日災害が来るかもしれません。つまり、何を考えても、あてにはならないと言えます。
その証拠に、あなたが出かける時に「次の信号が青か赤か」「これから停める駐車場はどこが空いているのか」、当ててみてください。全部当たることはないでしょう。小さな目の前の予想ですら当たらないのです。
私のクライアントさんで、余命宣告を受けた方がおられたのですが、余命が短いからと好きなことを楽しみ、お金も好きなように使っていたら、病気が改善されて社会復帰。嬉しいけれど、お金がなくなってしまった人もいます。
良いも悪いも、未来は誰にもわからない。少なくとも自分は分からない。「だから、今できることをしよう」といった思考に変えてあげましょう。
3.「実におもしろい」
思い通りにならないときは、ヘコんで落ち込むこともありますよね。
脳は期待をしながら動いているので、期待通りでないときにがっかりしたり、動揺したりするのは当たり前の反応です。ですが、期待通りでないからといって毎回落ち込んでいては、楽しいこともスルーされる思考パターンになってしまいます。
こういった場合は、TVドラマ『ガリレオ』の主人公のように「実におもしろい」という捉え方にすると、“どうすればいいのか”と、うまくいかないことに対して興味をもつ思考へと切り替えられます。
大きな成功をおさめた人たちや研究成果を出した人たちは、うまくいかない人・経験に興味をもって対応し、経験値に変えたからこそ、成果を手にできているのです。そんな思考に切り替えるのに、「実におもしろい」は最高の言葉です。
事実を受け止め、捉え方を変えるだけで人生は面白いように開けていきます。すべてあなた自身でできることなので、楽しみながらチャレンジしてくださいね!