成長とともに会話は自然と減っていく
子どもが大きくなると、日常の全部を話すのは難しくなってきますよね。家族には言いにくい話が増えていくのは思春期としても大切な過程。それでも何気ない会話や本音を交えた話し合いは家族にとって重要です。
問題なく会話ができる親子と、本音の会話がどんどん難しくなってくる親子の間にはどんな違いがあるのでしょうか。
会話の多い親子の特徴を考えてみます。
会話が多い親子の特徴
夫婦の会話が多い
日常的に夫婦の会話が多いと、自然と家族の会話が増えていきますよね。
何気ない話をしたり、TVを一緒に見ながら話したりしている様子があると、子どもも自然とその空気感に合わせてなんでも話すようになるようです。
そうはいっても家にいる時間がずれていたり、時間に追われていたりすると夫婦間での会話を増やすのは難しいですよね。親子でも夫婦でも、毎日たくさんの会話をする必要はありません。むしろ一人の時間をゆっくり過ごしたり、充実させたりするのも家族全体で大切にしていきたいところ。
休日や出先など時間があるとき、「きっとこんな返事しか返ってこないだろう」と感じて無言で過ごすのではなく、「最近仕事どう?」など、少しずつ夫婦の間でも会話を増やす工夫をしてみてもいいかもしれません。
タブーの話題が少ない
家族の間でも、知らず知らずのうちに作られてしまうタブーの話題。
成績や勉強について触れると怒る、友人関係について踏み込み過ぎると黙ってしまう、疎遠になった小学校のときの友人の話は気まずそうにするなど、子どもにも様々な事情がありますよね。
一方親の方も、お金の話はされたくない、仕事と家は分けたいから職場の話は避けたい、夫婦喧嘩について子どもから触れられたくないなど、タブーにしたい話題もあるでしょう。
また、「中学受験時代の殺伐とした雰囲気や強めの叱責をお互い思い出したくないからタブーになっている」など、過去の経験に触れたくないような親子も多いよう。
家族それぞれが様々なタブーを抱えていると、会話は自然と限られたテーマになっていきます。
一方で、「職場でこんな人がいてね」「今月家具買い替えたからお金厳しいなあ」など包み隠さずに話している親御さんの家では会話も多いよう。なんでもオープンにするのは難しくとも、子どもを信頼して色んな話題をぽつぽつ振ってみるのもよいかもしれません。
言葉に価値判断を入れない
人は相手の話を聞くときに、「何か言ってあげないといけない」「自分の意見も伝えないと」と思うと、どうしても価値観や主観的な意見が入ってしまいます。
例えば、
- 「このゲームが面白くてね、こういうところの作りが凝ってて」に対して「お母さんゲーム全然してこなかったからわかんないんだよね」
- 「今日学校で〇〇ちゃんが給食食べるの遅くて先生に怒られていたんだよ」に対して「早く片付けられないと困るもんね。あんたも早く食べちゃいなさい。」
このような返答ばかりだとなかなか会話が続きませんよね。
家族との会話が楽しいという子の話を聞いていると、親御さんの聞き方が上手なご家庭が多いんです。
- ゲームについては「こういうところに注目しながら楽しんでるんだね。ここはどうなってるの?」と会話を広げる。
- 学校の話については「先生どんなふうに怒ってたの?〇〇ちゃん結局どうしたの?」と話を最後まで聞き切る。
話の方向性を親が決めていくのではなく、「どういう話なんだろう」と、子ども本人に委ねて聞くと会話が広がりやすくなります。
できる範囲で親子の会話時間を充実させていけるといいですよね。