子ども部屋に監視カメラをつけること、賛成?反対?
最近SNSで、子ども部屋に監視カメラをつける考えが話題となりました。
監視カメラをつけている人、賛成の人からは以下のような意見が。
- 実際に監視するのが目的ではなく、子どもが「もしかしたら見られているかも」と感じ、勉強しやすくなる。
- いくら親がガミガミ言っても結局目を盗んで部屋でゲームをしたりする。カメラをつけることでお互い無駄なエネルギーを使わずやるべきことをやるようになった。
- 「誰も見ていないと思うと気が抜けちゃうから」と、子どもの方から希望した。
一方、反対の意見をもつ人からはこんな声も。
- 子どもであってもプライバシーは守られるべき。自分の部屋ですら安心できない場所にしてしまうのはかわいそう。
- 親が叱ったり、子どもが言い返したり、お互い交渉したりするのも親子のコミュニケーションだと思う。
- 監視カメラは支配する側、される側のように立場の上下が明確になってしまう。
防犯対策やペット用カメラ、赤ちゃんの見守りカメラなど、一昔前より手軽にカメラを手に入れられる時代になりました。
一見合理的に見える子ども部屋の監視カメラ設置。
しかし子どものプライバシーや子育てのあり方としては否定的な意見もあり、判断は難しいところですね。
時代とともに変わりつつある子育てのあり方や子どもとの付き合い方、距離感について考えていきます。
学習はどこまで親が関わる?
コロナの影響もあり、子どもの学習や学校とのやり取りにはタブレットが用いられる機会がぐっと増えましたよね。タブレットや動画での学習は親の手がかかりにくく、勉強は一人で行いやすいものとなったよう。
親としては、「タブレットに任せる方が断然楽」と考える方もいれば、「子どもが選ぶ動画が正しいかわからない」、「娯楽動画に逸れることも多いから任せられない」と感じる方もいるようです。
自分にとって相性のよい教材、人、ペースでの学習は子ども一人で行う方が進みやすいでしょう。
一方、子どもの欲しい情報以外の関連知識にも触れていく、会話を通して気づきを得るなどの点では、親が隣についていることが役立つかもしれません。
子どもの趣味にはどこまで口を出す?
小中学生くらいの子どもたちの趣味になりやすいのは、動画視聴とゲームではないでしょうか。
日々世界中で配信され続ける動画に関しては、親が見ていても「これは面白い」と感じるものから、「こんなの見ていて大丈夫かな」と心配になるものも。
SNSでは「子どもが明らかに質のよくない動画にはまっている。親としてはやめさせたい。でもどこまで口を出すべきか迷う」などの悩みも時折目にします。
ゲームについても、「自分で町を作り開拓していくものや頭脳を使うものなどは見ていても安心できる。でもただ毎日闇雲に戦っていて、武装とかアイテムとか、生産性のなさそうなものに夢中になっているともやもやする」という親御さんの声を聞きます。
たしかに質のよいものに触れてほしい、ゲームや動画を見るのはいいけど意味のあるものにしてほしいと思う気持ちはもっとも。ただやはり、子どもにとって価値を感じられるものと、親が価値を感じているものは異なる方が自然なんですね。大人から見ると無駄に思えても、「子どもが夢中になれる時間」にこそ意味があるのではないでしょうか。
子どもであっても「いち個人」と考えるのが大切
イギリスのことわざで「馬を水辺につれていくことはできても、水を飲ませることはできない」というものがあります。
これはアドラー心理学の本でも有名になった一説ですが、「あるところまでは他人がサポートできても、最後は本人次第」と捉えられます。
親が大切に思う気持ちを子どもに伝え、子育てに反映させるのは悪いことではありません。
ただ、それで子どもが思う通りにならなかったとき、親が顔をしかめ続けたり、強く言い続けると、子どもの思いが蔑ろにされていくのではないでしょうか。
現代ならではの子育ての便利さと難しさ、親の思いと子どもの気持ち、折り合いをつけて付き合っていけるといいですよね。
※参考文献:「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」岸見一郎、古賀史健(著)