教えていただいたのは……久加亜由美さん
(株)マンダム先端技術研究所ライフサイエンス研究グループ。嗅覚測定を行うための国家資格である「臭気判定士」の資格を保持。2008年株式会社マンダム入社。2012年より体臭研究に携わり、デオドラントに関する基礎研究(体臭/制汗)に従事。
研究員がおすすめする汗のにおい対策
前回の記事「知らなかった…。ワキのにおいには種類がある!40代女性のにおいの特徴」に続いて、今回は具体的な“汗とにおい対策”をご紹介します。
「汗臭(ワキ臭)」対策
「汗臭(ワキ臭)」対策には、汗を抑え、殺菌することが大切。
そのためには、デオドラント剤を活用するとよいでしょう。
また、デオドラント剤は汗をかいてから使用するという方もいるかもしれませんが、正しい使用のタイミングは「汗をかく前」です。常在細菌が増殖する前にデオドラント剤を使用しましょう。
【制汗剤はタイミングによる”使い分け”がおすすめ!】
・朝は事前の予防として密着度の高いスティックタイプやロールオンタイプの制汗・デオドラント剤をワキに使うとよいでしょう。
・昼はそれでも出てしまった汗や菌を汗拭きシートを使って拭き取ってから、制汗剤・デオドラント剤を使うことがおすすめです。
・夜は睡眠中の寝汗予防としてウォーターやスプレーなどを使うのがおすすめです。
おすすめの「頭皮臭」対策
「頭皮」のにおいには、しっかりとシャンプーで汚れを落とすことが重要です。
皮脂や汚れが多いとシャンプーが泡立ちにくいので、ブラッシングをし、お湯で髪と頭皮の汚れを洗い流してからシャンプーをするとよいでしょう。
皮脂や汚れが多いとシャンプーが泡立ちにくいので、シャンプーの泡立ち加減が頭の汚れ具合を見るポイントにもなります。
シャンプーの泡立ちが悪い場合はもちろん、日常的に2度洗いをすることをおすすめします。
【皮脂が酸化する前の対処が肝心!】
「加齢臭」は、皮脂成分が酸化されることで発生します。
常在細菌の代謝によって発生するわけではないので、消臭成分の配合された防臭効果のあるボディシャンプーを使ったり、ボディペーパーで皮脂をこまめに拭き取ったりするとよいでしょう。
マンダムが解明「汗腺を”眠らせる”抑制技術」とは?
制汗剤は、一般的に汗の出口にフタする成分、ACH(クロルヒドロキシアルミニウム)などを肌につけることで発汗を抑制しています。
そのため大量の汗が出た場合、フタが流され効果が弱くなるという課題がありました。
そこで、大量の汗に弱いという課題を解決する成分として注目されているのがGMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)です。
GMAは、汗腺から汗を絞り出す筋上皮細胞の収縮を抑制し(汗腺を一時的に眠らせ)発汗量を4~6割に抑制すること、暑さによる温熱性発汗に加え、緊張やストレスによる精神性発汗も抑制することが、2023年マンダムと大阪大学の共同研究によって明らかにされています。
これからの季節、多くの人が悩む「汗とにおい」ですが、制汗剤は日々進化しており、デオドラント剤を適切に使い分けることで対策は可能です。
40歳代女性の4割以上が実感している特徴的な頭皮臭も、気になる方はご紹介した方法での丁寧なシャンプーを習慣化してくださいね。