教えてくれたのは……岸本良美 准教授
摂南大学農学部 食品栄養学科准教授。専門分野は、ライフサイエンス/栄養学、健康科学。ポリフェノールやカロテノイドをはじめとする食品成分の機能性を研究。
主な研究には「ポリフェノールと動脈硬化の関連を調べる研究」「皮膚のカロテノイド量の測定を野菜摂取量の増加につなげる研究」などがある。
緑黄色野菜、不足していませんか?
厚生労働省の指針(※)によると「1日の野菜の摂取量の目標は350g」で、そのうち120gは緑黄色野菜であることが望ましいとされています。さまざまな緑黄色野菜を組み合わせて、1日の摂取量を目指していただくのが理想的です。
緑黄色野菜の中で注目したい野菜のひとつが「カラーピーマン」です。主な栄養素や健康への効果、栄養価を最大限に活かすおいしい食べ方をご紹介します。
「カラーピーマン」は、なぜ色が違う?
カラーピーマンの黄、オレンジ、赤などの色は、「カロテノイド」と呼ばれる色素成分によるものです。それぞれカロテノイドの種類が異なるため、色の違いがあります。
カラーピーマンも、実は熟す前は緑色をしています。一般的な緑のピーマンよりも長く栽培することで、クロロフィルと呼ばれる緑色の成分が分解し、ゼアキサンチンやカプサンチンといったカロテノイドが増え、鮮やかな色になります。
含まれる主な栄養素と健康への効果
カラーピーマンは「カロテノイド」と「ビタミンC」を豊富に含み、栄養価の高い野菜です。
カロテノイドには抗酸化作用があり、紫外線などによる活性酸素の発生を抑える作用があるとされています。また、動脈硬化やがんのリスク低下にも効果があると考えられています。
カロテノイドは、体内にある程度蓄積されますが、日常的に摂取することで肌への紫外線のダメージを予防する効果が期待できます。日焼けによる肌のダメージ対策や健康維持のために、日々の食事に積極的に取り入れるのがおすすめです。
カラーピーマンの栄養を効率的に摂れる!おいしい食べ方は
カラーピーマンは生でも食べやすいですが、加熱することで野菜の細胞がやわらかくなり、カロテノイドを吸収しやすくなります。
ゆでた場合、カロテノイドはあまり影響を受けませんが、ビタミンCは水溶性なので流出してしまいます。
カロテノイドは油に溶ける性質があり、油と一緒に摂取すると最も吸収率が高くなる特徴があります。そのため、炒めたり、素揚げしたりなどの方法が最適です。
切り方や調理方法を工夫すれば、子どもも食べやすくなる!
子どもの場合、大きいものや生で食べるのは苦手なことも多いと思います。
細かく切って炒め物やカレーなどに加えたり、オムレツにしたりすると食べやすくなり、おすすめです。カラフルで見た目もかわいくなるので、食卓の彩りとして楽しんでいただけるのもメリット。
カポナータのように、カラーピーマン、トマト、玉ねぎなどを一緒に炒めて煮込むとカサが減り、たくさん食べやすくなります。栄養がたっぷり詰まった副菜としておすすめですよ。