わが子が考えていることがわからない…。成長に合わせて見直したい「親子の関わり方」

家族・人間関係

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2024.08.10

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子どもが大きくなってくると、ふとしたときに子どもの考えや性格がわかりづらくなっていることがあります。うちの子ってどんな子なんだろう、親の関わり方はこのままで大丈夫かな? 「わが家」のタイプ・傾向を把握し、対処法を考えてみます。

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子どもが何を考えているのか、わからなくなってきた

  • 休みになるとゲームばかりしているけど、元々ゲームが好きなタイプだったのかな? それとも周りの子に影響されているのかな?
  • そういえば最近全然話していないけど、幼稚園の頃はよく園であったことを話してくれてたな。思春期だから?それとも何か落ち込んでいるのかな?

ゲームをする子ども出典:stock.adobe.com

日々仕事や家事、兄弟の育児など様々なタスクに追われていると、ふとしたときに子どもの考えが見えづらくなっています。
「お子さんの性格は?」と聞かれても、「うちの子ってどんな子なんだろう」と悩む方も。

子どもが大きくなるにつれて、親の知らない側面が増えてくるのは当然。
ですが、子どものタイプや現状がわからないと、「このままでいいのかな? うちの子大丈夫?」と不安になりやすくなります。
逆に、理解しておけると「まあ大丈夫か」と、信頼を寄せやすくなります。

まずはわが家のタイプ、親子の傾向から、考えてみましょう。

わが家の「普通」はどんな普通?

子どもの辛さがどの程度か理解できない、子どもが本心で何を考えているのかわからないと感じている親御さんは多いよう。

カギとなるのは普段のコミュニケーション。
多くの人は「うちは普通なのでは?」と考えがちですが、それぞれに個性や色がでています。

例えば

  • どんな宿題が出て、どの課題がどのくらい進んでいるかは全て把握している一方、子どもが夢中になっているゲームの内容は知らない。ゲームの話をしたこともない。
  • 毎日食卓を囲んで会話をしているからコミュニケーションは取れていると思う。しかしその会話のほとんどが口数の多い上の子主体の話であり、下の子の学校での様子はわからない。
  • 父親は子ども好きで休日によく子どもを連れてでかけている。しかし最近、子どもから「休日父親の趣味に付き合うのは嫌だ」と話があって驚いた。

このように、一見コミュニケーションをしっかり取っているつもりでも、内容や方法に偏りがあるというのはどこの家庭でも起こりえます。
母から見るとよい父親であるが、子どもの受け止め方は異なっていた、といった齟齬もありえるんですね。

「わが家のコミュニケーション」について、傾向を理解していくのが大切といえます。

食卓を囲む家族出典:stock.adobe.com

癖がわかると対処が見えてくる

普段から「私の関わり方ってどんな風に見えてるかな?」「子どもはどんなタイプなんだろう」と常日頃周囲とシェアしてる人は少ないのでは。
自分たち親子のコミュニケーションはどのように理解していけばよいのか。
一番参考になるのは「周りで見てくれている人」。

余裕があるときに、親自身のことや子どもについて、周りの人から意見を聞いてみてください。すると、気づいていない「癖」が見えてくるのでおすすめです。

  • この子私に似てるところあるのかな?小さい頃の私ってどんな風だった?
  • 厳しくしてるつもりはないけど、怒るとうちの子すごく落ち込むんだよね。叱りすぎなのかな?
  • 夫は子どもに甘すぎる気がするんだけど、どこの家もそうかな?

話し合う家族出典:stock.adobe.com

特に、親の幼少期や親子関係を知っている人(両親や兄弟など)に聞いてみると、意外な面を教えてくれるかもしれません。

子どもと調整しながら関わり方をアップデートしていく

子どものイメージが一定の時期でストップしていて、親がいつまでも幼いときの方法で関わってしまうのは親子あるあるですよね。
大きくなっても幼少期の傾向が残る子もいれば、全く異なるタイプに成長する子もいます。
特に、学校の友人関係など家庭外の繋がりによって、子どもの性格は変化しやすくなるもの。

「今の」子どもの性格、「今の」親子の関わり方、「今の」親の気持ち。
日々忙しくしていると見失ってしまいがちですが、「今」をキャッチして親子関係もアップデートしていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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