教えてくれたのは……神崎 健輔さん
洗濯・シミ抜き職人の神崎 健輔(かんざき けんすけ)さん。実家の老舗クリーニング店「白洋社」部長。株式会社クラスタス CTO。宅配クリーニング「Nexcy(ネクシー)」CTOとして、全国から集配可能なクリーニング店の運営も行う。またそれらの経験をもとに、「洗濯ハカセ」として、家庭でもできる洗濯・シミ抜き術を発信中。
洗濯物に残る臭い「6つの原因」
“衣類の不快な臭い=部屋干しによる雑菌の増殖”といったイメージがあるかもしれませんが、実は、ほかにもさまざまな原因で発生することがあります。
洗濯物に残る臭いの種類は、主に以下の6つです。それぞれの特徴や原因についてご紹介します。
1.洗剤や柔軟剤の残留
臭いの特徴:化学薬品のような臭い、人工的な香りが強すぎる臭い
洗濯機で適切にすすぎが行われていなかったり、洗剤を規定量以上に使用したりすると、洗剤や柔軟剤の成分が衣類に残留し、乾燥後も不快な臭いの原因となることがあります。香料を過剰に使用すると、その残りが悪臭に変わることもあります。
2.硫黄や鉱物由来の水の臭い
臭いの特徴:硫黄のような卵の腐った臭い、金属っぽい臭い
洗濯に使用する水道水が硫黄成分や鉄分を多く含んでいる場合、これらの成分が衣類に付着し、独特の臭いを放つことがあります。
3.生活環境の臭いの吸着
臭いの特徴:タバコの煙、料理の臭い、ペットの臭い
衣類は、周囲の環境の臭いを吸収しやすいです。タバコの煙、料理の臭い、ペットの体臭などが特に衣服に染み付きやすく、これらが原因で着用時に不快な臭いがすることがあります。
4.衣類の素材
臭いの特徴:特定の化学薬品やゴムのような臭い
合成繊維や新しい衣類の場合、製造過程で使われた化学薬品や素材そのものの臭いが残ることがあります。特に、ポリエステルやナイロンは臭いが残りやすい素材です。
5.体臭の移り
臭いの特徴:特有の体臭、汗臭
衣類に人の体臭が移ることがあります。特に、長時間着用した衣類、運動した後の衣類は、汗や皮脂が繊維に染み込み、独特の臭いを放ちます。洗濯しても、体臭による汚れが落ちない場合もあります。
6.不十分な乾燥や洗濯槽の汚れ
臭いの特徴:カビ臭い、湿った雑巾のような臭い
十分に乾燥されていない衣類は、湿気が残りやすく、カビや雑菌の発生を促し、悪臭を放つ原因となります。衣類に湿気が残ると菌の繁殖が進み、さらに臭いが強くなる可能性があります。
また、洗濯槽の掃除を怠るとカビが衣類に付着してしまうこともあるため、注意が必要です。
ニオイの原因となるものが多岐にわたるからこそ、知っておきたいのが、正しい洗濯方法です。次回の記事では「家庭でできる洗濯物のニオイ対策」について、ご紹介します。