デジタルに支配された生活
例えば、大谷選手の大活躍や台風情報など、ワクワクする話題や必要な情報がいつでも手のひらの上に届くスマホは本当に便利! というより生活必需品。お財布を忘れても電車にも飛行機にも乗れるし、お買い物も宿泊もOK。こんなにデジタルに支配される世の中になろうとは……昭和生まれの人間には全く想像できなかったこと。
しかし、小さい頃に夢見ていた空飛ぶクルマや月旅行はン十年の間、叶わないまま。このアンバランスはひとえに、それらの発達や発展が経済に直結しているかどうか、ということのようですが……さて、このデジタル生活、実は人間のココロとカラダにさまざまな影響を及ぼしている、という情報も多く目にするようになりました。
今回は「Instagramデトックスに成功した!」と語る、saita編集部のなっつさんにその経緯とその後の自身の変化についてお話を伺いました。
お話を伺ったのは…saita編集部なっつさん
37歳IT系の会社員。朝イチで愛犬と土手へ散歩に行く時間が毎日の幸福タイム。
節約に目覚め、自炊をがんばるもその半分が冷凍食品頼りとなっており、企業様の努力に感謝する日々。冷凍餃子は本当に神。最近は、SNSや巷で話題のニュースとは物理的にも気持ち的にも距離を置き、他人ではなく自分と向き合う日々を過ごすことで、毎日が幸せに。
時間の浪費・メンタルに悪影響!?
──Instagramを見るのをやめようと思ったきっかけは?
「学び系のYouTubeや、何かの本で『SNSを見ている時間は何も生まれていない、はっきり言うと時間の浪費』『無意識に他人と自分を比較してしまいメンタル的にいいことがない』というメッセージを見たのがきっかけでした。」
──他のSNSは?
「Instagram以外のSNSや巷のニュースもプライベートではあまり見なくなりました。通勤時に、XとTikTokは見ちゃいます(笑)。」
「どうでもいい情報」が多すぎる
──やめる前と比べてみて、どのような変化が?
「メンタル面では、有名人の不祥事や不倫などのゴシップネタを見ることがなくなり「嫌悪感」や「怒り」を覚えることが減りました。身近なことではないのに、イヤな噂や不穏な情報を目にするだけで、感情が振り回されていたことに気づいたんです。結局どうでもいいことに反応しすぎていたような……。
他に変化があったことと言えば、自分と向き合う時間が増えた印象です。例えば、朝起きてスマホを見ることなく、すぐ犬の散歩に出かけて爽快な気分で一日をスタート! そのあとは学びの時間(読書など)に充てるなど『好きなことをする時間』が増えて、毎日が充実しています。今まではこれらの時間を全部スマホに費やしていたんだ、と気づきました。」
アピール強め!?なInstagram
──Instagramと他のSNSとの違いについて、気づいたことは?
「Instagramは、画像の加工や編集、話題も含めて、自己アピール強めな投稿をしている人が多い印象でした。自己顕示欲や承認欲求という言葉がありますが、投稿者のそれらの欲求を目の当たりにしてしまうと心がざわつくことも……。例えば『山梨に旅行に行ったんだ、いいなぁ』とか『料理上手なパートナーさんで羨ましい』とか(笑)些細なことでも自分と比較する材料にしてしまって。
Xは投稿はせず見るだけです。ネガティブな情報もあるので、心が持っていかれないようサササーッと情報収集だけを心がけて、TikTokは、シンプルに見ていて楽しいものが多いですし、個人的には、犬を飼っているのでワンコたちのことを投稿しています。
SNSの必要性について
──なっつさんにはInstagramは必要ない、という結論になったようですが、一般的にSNS全般の必要性についてはどう感じますか?
「人と人がつながってコミュニケーションをとれる、という意味での良さはありますね。
特に最近、Xで子育ての悩みや、身近な人の死で心を痛めている人の投稿に、多くのがサポートするコメントを見たんです。『共感』や『寄り添い』なら赤の他人でもできるし、逆に周りの人に同情されたく無い時には、SNSを心の居場所にしてもいいのかな、と思いました。相手が知らない人だからこそのメリットもあるのかな、と。」
自分軸を持った上で、上手に使う
──SNS内で出会う人たちとの距離感を適切に取ることや、SNSそのものに依存しないことが大切なようですね。
「何ごとも『へえ、そうなんだ。そういうこともあるんだ。』と客観的に見ることのできる人、冷静に距離を取れる人は、SNSとの付き合い方が上手でしょうね。私の場合はみんなが正直に吐き出している喜怒哀楽に振り回されて疲弊したのかもしれませんね。
Instagramはネガティブな話題は少ないのですが、逆に勝ち組的なキラキラした休日の過ごし方や、充実した生活ぶりに妙な焦りを感じたことも……。
もしかすると感性が豊かな優しい人は、事故に遭った方の投稿に引き込まれすぎて、自分も同様に悲しくなるかもしれませんし、裏表の無い正直なタイプの人は、うっかり自分と意見が合わない人の投稿に対して強い言葉を浴びせてしまうかもしれません。
デジタル情報やその中に存在する誰かとは、まずは距離感を保ち、自分は自分としてしっかり軸をもって、接するべきだと感じます。」