どんなことがストレスになるのか
新しい学校や新しいクラスに変わることを心配に思うのはもちろん、休み明けに久しぶりに学校へ行くことで緊張や不安が高まる子も多いです。親としては元気に送り出したい気持ちをもつ一方、「上手くやっていけるかな」と一緒に不安になってしまうこともありますよね。
子どもが進学や進級するにあたってのストレスには様々なものがあります。
- 人目を気にせず家で休んでいた日常が終わる悲しさ
- 好きなことをする時間が減ってしまうことに対する不満
- 学校で同年代の子と上手く付き合っていくことへの負担
- 関係性ができていない友達や先生と過ごす不安
- 予想外のことが生じる環境への怖さ
- 自分が周りと違うかもしれない、失敗するかもという気がかり
子どもであっても大人であっても、環境の変化にはストレスがつきものです。
子どもも、大人と同じように、学校での対人関係を上手くこなしていくことに負担を感じたり、失敗しないかどうか不安に思う気持ちがあります。
不安や心配に対する3つの対処法
事前に一緒に確認しに行く
新しく通う学校や教室を事前に確認できると、見通しや想像ができ、安心につながります。
何分歩けば到着するのか、どんな道を通るのか、校門から教室まで何を目印にしたらいいのか、教室の色や匂いはどんな感じなのか。子どもが気になるポイントは意外なところにあるものです。
「曲がり角にはこんな目印があるね」
「靴はここで履き替えていくんだね」
「ここは絵具とか木の匂いがするね」
一緒に場所を確認したり、感覚を共有することが心の支えになり、「お母さんがこんな風に言っていたな」と心の中で思い出すことができると、「1人じゃない、大丈夫」と自分に言い聞かせられるようになります。
「困ったときの対処」を準備しておく
どれほど事前に準備をしても、実際に始まってみると、場面や状況によって新しいことが次々とでてきます。
そのようなときに、「困ったときの対処」を身につけておくことが役に立ちます。
- 隣の友達に「ちょっと聞いてもいい?」と尋ねてから質問する
- 先生が来たとき、メモに書いたSOSサインを提示する
- 先生を目で追い、目が合ったら首を振る
- 何がわからなかったのかノートの片隅に書いておく
- 困ったとき、親や先生はもちろん、それ以外の人に相談してもよいことを伝えておく
「先生に聞くんだよ」、「友達に話しかけなさい」と言われても、恥ずかしくて聞けなかったり、タイミングを誤ってしまうこともあります。
不安が強い子の場合、子どもの特性や特徴を先生に伝えておき、子どもが示すことのできるサインを共有しておくなど、可能な限りの配慮をお願いしておくのもひとつです。
また、先生や親などの大人に言いにくいことは、兄弟や上級生など身近にいる人に相談してもよいという話をしておくのも大切です。
必要なのは「身近な誰かを頼るスキル」です。
子どもができそうな対応、出せそうなサインを一緒に考え、準備しておくことが心の支えになります。
本人が必ず気づく、でも人から見られないところにメモを入れる
普段と違う予定や、イレギュラーな対応があると、頭が真っ白になってしまい、何をすればよかったのか忘れてしまう子もいます。
また、口頭で言われるよりも目で見た方が、落ち着いて理解できる子も多いです。
「学校に着いたら黄色いファイルに入っているプリントを先生に渡す」
「3時間めは体育だから、2時間めが終わったらすぐに着替えて、体育館に移動する」
ランドセルを開けたときに見える場所や、昼休みに取り出す給食袋に入れておく、1時間目に使う教科書に貼っておくなど、行動を先読みしてリマインドすることで、不安や失敗を減らせます。
大事なことを思い出せるだけでなく、ママやパパからのメッセージがお守りのような存在になることもあります。
周りの友達に見られると恥ずかしい気持ちになることもあるので、本人だけが気づくことのできる場所に、大きすぎず小さすぎないサイズのメモを入れることがポイントです。
学年が上がるごとに、忘れないようにすべきことを一緒に確認し、自分でメモすることを癖づけていけるとよいと思います。
環境の変化に戸惑うのは当然のこと
進級や進学という新しい環境において、変化に抵抗する気持ちや、まだ知らない環境を怖く感じる気持ちが生じるのは当然のことです。
そんなときに必要なのは、「帰ってこれる場所がある」という感覚です。
「よく頑張ってきたね、大きくなったね」と声をかけ、家で一緒にお昼寝をしたり、美味しいおやつを食べて、活力をチャージしていけるといいですよね。