教えてくれたのは……ウェルスナビ株式会社 小松原さん
働く世代が豊かさを実感できる社会をつくりたいという理念に共感し、ウェルスナビにセミナー講師として入社。2021年は年間約300回のオンラインセミナーで講師を務め、約1,700の質問に答えた。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
よくある失敗その1「長期投資なのに短期目線」
「長期・積立・分散」の資産運用は、10年以上の長い期間で行うものです。資産運用を始めたばかりの頃はリターンがプラスになったりマイナスになったりしますが、それを乗り越えると、長い期間をかけて大きなプラスを目指すことができます。
とはいえ、投資を始めたばかりの頃は、どうしても不安になりがちです。「投資を始めて2カ月経ったのに資産がマイナス。本当に将来プラスになるのか心配……」といったご相談を受けたこともあります。長い期間、運用することが大事だとわかっていても、大切な資産がマイナスになって不安になってしまうというわけです。
大切なのは、ここで長期投資をやめてしまわないことです。長い時間をかけてじっくりと増やしていくという基本に立ち返って、続けていただきたいと思います。
よくある失敗その2「一発逆転を狙う」
「長期・積立・分散」の資産運用では、一気にお金を増やすことはできません。それどころか、始めてしばらくの間は、資産がマイナスになることも多々あります。それならと、短期でリターンが出そうな商品に、焦って投資してしまうケースがあります。
しかし、資産運用にゴールへの近道はありません。短期投資で成功し続けるのはプロでも難しいことです。将来のためにお金を増やしたいなら、一気に増やそうとするのではなく、じっくりコツコツと長期投資を行うことをおすすめします。
よくある失敗その3「余裕資金を超えて投資する」
以前の記事でお伝えした通り、投資にまわしてよいのは、当面使う予定のない余裕資金です。しかし投資に慣れてくると、もっと増やしたいという気持ちが強くなり、生活に必要なお金も投資にまわしてしまうことがあります。
過去には、「子どものために近々使うと決まっているお金を投資で増やしたい」というご相談もありました。しかし、近いうちに使う予定のあるお金は、預貯金として手元に置いておくべきです。投資にまわすことはおすすめできません。投資にまわすお金を増やしたければ、要らない支出を減らすなど家計を見直し、余裕資金そのものを増やす必要があります。
長期投資は、長い時間をかけてじっくり行うものです。「今年こそ投資を」と考えている方も、焦らず無理のない範囲で始め、続けていただきたいと思います。