エアコン暖房のしくみ
冬、部屋が「寒い」と感じるのは空気中の「熱」が少ないからです。この熱を増やして部屋を暖かくするのがエアコンです。エアコンは、「室内機」と「室外機」がパイプ(配管)でつながっていて、部屋を暖めるときには屋外の「熱」を室内に移動させて部屋を暖かくしています。
エアコンの室内機と室外機の中には、熱を空気の中から集めたり、空気中に逃がしたりする「熱交換器」が入っています。そして、パイプの中には、熱を運ぶ「冷媒(れいばい)」というガスが循環しています。
エアコンで部屋が暖かくなるしくみは、
1.室外機は屋外の空気を吸い込み、空気中の熱を熱交換機で集める
2.集めた熱は冷媒が受け取り、室内機へ運ばれる
3.室内機から温風として送り出される
この3ステップです。空気中の熱を交換する「冷媒」を循環させているのが、室外機に内蔵された“エアコンの心臓”ともいえる「圧縮機」です。圧縮機はエアコンの消費電力の約80%を使っています。
節電にとって重要なポイントは、圧縮機にかかる負担をいかに抑えるかということです。エアコンが熱をスムーズに集めたり逃がしたりできる状態をつくったり、効率的な使い方を意識したりすることが大切です。
節電ポイント1 「空気の通り道をふさがない!」
室外機のまわりをすっきりさせる
空気の熱を集める室外機にとって空気の通り道は大切です。室外機のまわりに障害物がたくさんあり、吸込口や吹出口をふさいでいませんか? その状態では、熱を効率的に集めることができず、無駄な電力消費につながります。
障害物がない場合も、冬は室外機のまわりに雪が積もって、吸込口、吹出口をふさいでしまうこともあります。
室外機の周辺は余計なものは置かず、障害物は取り除くようにしましょう。
フィルターのホコリはこまめに掃除
エアコンのフィルターにホコリがたまっていると、熱交換器を通る空気の量が減ってしまいます。熱を送り出す効率が下がるだけでなく、電気代もかかってしまいます。
空気の通り道をふさがないよう、2週間に1回を目安に、フィルターの定期的な掃除を心がけましょう。エアコンのフィルターを1年間掃除しないと、消費電力が約25%も無駄になると言われています。フィルター掃除は節電に効果的です。
節電ポイント2 「エアコンの心臓に負担をかけない!」
スイッチのオン・オフは控えめに
エアコンのスイッチを入れた後、圧縮機は室内をすばやく暖めるため、勢いよく動いてより多くの熱を運びます。そして室内が適温になったら、その状態を維持できる程度に力を落として安定運転を続けます。その後、室温が下がってくると、圧縮機はまた動きを強めます。
スイッチのオン・オフを繰り返すと、圧縮機への負担が増え、その分、多くの電力を消費します。 ダイキンの実験では、30分程度の外出なら一度オフにするより「つけっぱなし」の方が節電につながるという結果となりました。エアコンの頻繁なオン・オフはなるべく控えるようにしましょう。
運転モードは「風量自動」で効率的に
節電しようと風量を弱めに設定していると、熱交換器を通る空気の量が減り、室内に送り出す熱の量も減ってしまいます。その分圧縮機に負担がかかり、余計な電気を使ってしまいます。
風量を自動にしておくと、エアコンはスイッチを入れたあと、どんどん熱を室内に運び、すばやく部屋を暖かくします。必要な分だけ室内の熱を増やしたら、あとは部屋の温度を維持できるように安定運転を続けます。
風量自動は、より効率的な運転で圧縮機の負担を減らします。エアコンは基本的に「風量自動」を心掛けましょう。
節電のポイントをおさえることで、賢くおトクに快適な冬を過ごせます。
まずは、室外機のまわりをチェックしてみてはいかがでしょうか!