自由に、縛られたくない。【女将の特製ポン酢】

カルチャー

 自由に、縛られたくない。【女将の特製ポン酢】

2023.12.21

こんにちは ライターの みやむらです。 日々のあれやこれやを拾ったものを、ちょこっとエッセイ風に書いていく…その名も「書き語りばったり」。 今日は【女将の特製ポン酢】で、しばらくお付き合いくださいね。

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冬のお鍋、最高!

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お鍋がおいしい季節。
主婦にとっては、白菜、白ネギ、春菊にきのこたちを常備させておけば、仕事帰りやランチ会や昼飲み会で帰宅が遅くなった時にでもお肉や魚、練り物や麺類さえ買って帰れば、夕飯は楽勝!いや~お鍋って本当にいいもんですね。っていう話ではなくて…今日の話題は【女将の特製ポン酢】。

温泉旅館でよくある風景

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年末年始に「温泉でも」と計画している人も少なくないはず。そこでよく見かけるのが写真のような豪勢なお食事。ありとあらゆる土地の自慢料理が並び、その中にお鍋がある場合や、例えば北陸地方などではど~~んとカニづくし!という豪華版も。

「当館自慢の女将の特製ポン酢でございます」

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そんなとき、時々お料理の紹介とともにアナウンスされるのが「こちらのお鍋は当館自慢の女将の特製ポン酢でお召し上がりください。」という言葉。正直、私はこれがとっても苦手(涙)。

調味料の好みは千差万別

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お醤油や味噌、おだしも地方によって解釈はまちまちで、関東は濃い目で関西は薄味かと思いきや、薄口醤油を使っているだけで、実は塩分は多めだったりする。(その話はまた今度w)例えばカニやふぐのおいしさは全国共通だが、調味料…この場合で言うとポン酢は好みの分かれるところ。なので家の冷蔵庫のドアポケットにある「いつものポン酢」で、カニをふぐや霜降り肉を食べたい!と思いを馳せてしまう…。

OH! MY ポン酢

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冬場でなくても最近では一年中スーパーにポン酢が並んでいて、その中から色々試した上で「お気に入りのMYポン酢」がみんなあるはず。我が家のオーディションを突破した厳選ポン酢で、上等のカニが食べたい!と思うのは、至極当然のこと。

新世界

実は、大阪には旭ポン酢という大スターが君臨している。だいたい初めてそのポン酢で鍋を食べると多くの人は「ゲホゲホっ!」と、強めの酸味でむせるのだが、「そやな、初めてやとそうなるわな。」と、ちょっと斜め上からエールを送りつつ、初心者がその味にハマっていくさまを見て満足する。そして遠方の友人には無理やり送り付けて布教活動?も活発に行うのが常。

何がいいのか、何が悪いのか。

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では「女将の特製ポン酢の何がいけないのか」と言われると、これもまたはっきりと理由が言えない。強いていうなら、各地から来られるお客さんの好みの平均値…つまりは万人受けを狙って、醤油や酸味、ゆずやかぼすなどの果汁の割合を加減しているため、最終的には「可もなく不可もなく」に落ち着いてしまうのが原因かと。

ポン酢

それに対してスーパーのポン酢たちは、ゆずの産地のものはド直球でゆず感を押しだしているし、最近ではマイルドにだし系ポン酢も流行中。平均点を狙った「女将の特製ポン酢」よりも、かなり華やかで強力でガッツがある。

自由が正義!の食べ放題

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もう1つ忘れてはならないのが食べ放題店のポン酢やタレ、鍋スープたちのポテンシャルの高さだ。和風のおだしだけでなく、とんこつ風や韓国風などあらゆる鍋を同じ食材で楽しめ、そこにそえる薬味やポン酢をはじめとしたタレ類の種類も多く、あらゆる組み合わせにトライできる。

「おいしい」と言わねばならない強迫観念

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つまりのところ【女将の特製ポン酢】は「まずいわけではない」。しかし、「飛び切りおいしいものも少ない」のも真実。加えて「特製だから、めちゃくちゃおいしんだろうな。」という期待値の高さと平均点の実際のお味とのギャップが埋められない現実。そこに評価が下がってしまう要因が潜んでいるようだ。

おかみ

加えて言うなら「いかがでしたか?」と女将に聞かれるのでは?聞かれたら「おいしかったですぅ。」とか言わなくちゃいけないんだろうなぁ…というプレッシャーも減点対象の1つかも。

自由って素敵

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やっぱり、自由って大切。
日々「have to(ねばならない)」に縛られて生活している私たち…せめて「ポン酢」ぐらい自由になればいいなぁ、と思う今日この頃。ごめんね、女将さん…。

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート

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