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公園にいた“大きなレジャーシートを畳む夫婦”から学ぶ「夫婦関係が良くなる会話術」

家族・人間関係

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 公園にいた“大きなレジャーシートを畳む夫婦”から学ぶ「夫婦関係が良くなる会話術」

2023.11.05

潜在意識インタビュアーkahoのコラム【良い人生は後から】 「良い花は後から」ということわざがあります。先に咲いた花よりも、後に咲いた花の方が美しいという意味を持つこの言葉。人生も同じだと思いませんか? 酸いも甘いも経験した40代頃からのほうが人生の豊かさを感じられるようになります。そんなことを意識しながら生きているkahoが日々思うことをお届けします。

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連載:潜在意識インタビュアーkahoのコラム【良い人生は後から】

日曜の公園で見たある夫婦の話

レジャーシート出典:stock.adobe.com

休日の公園は、さまざまなドラマが繰り広げられる場所だなぁと常々思う。私は、家族で公園に行くと、夫と娘が遊んでいる間、ベンチに座ってまわりの家族を観察する。

ある時、公園のベンチに座っていたら、近くでレジャーシートと格闘するお父さんがいた。

コストコで買える、あの大きなレジャーシートだ。持ち手がついていて、畳んでファスナーを閉じれば持ち運びにとても便利。きっと、一家に1個レベルで浸透しているだろうレジャーシート。我が家には2個ある。

ただ、素人には畳むのが難しい代物でもある。

案の定、そのお父さんは大きなレジャーシートの端と端を合わせようとするも、こんがらがったり、ずれたり……。畳んでは開き直し、何度も何度も格闘している姿を見て微笑ましい気持ちになっていた私。手伝ってあげようかしら……なんて思っていたら、そこに奥さんがやってきて一言。

「ねぇ! 畳み方違うんだけど! もぅ……。貸して!」

……ちーん。である。

奥さんがそう言ってしまう気持ちはよくわかる。でも、私はそのとき”98%お父さんの味方”になっていて、「そんな言い方……」という気分でお二人の様子を見ていた。

10分以上格闘していたお父さんも肩を落としている。

奥さんは、聞き取れないほどの小さな声でぶつぶつと文句を言いながら、驚くほどの素早さでレジャーシートを畳み、シャッ! と華麗にファスナーを閉めた。

どんな言葉をかけることが正解なのか

なぜ、奥さんはあんなに怒っていたのか。

お二人はその日、朝からケンカをしていて、奥さんの怒りがレジャーシートでさらに爆発したのかもしれない。

だとしたら、仕方ない。

レジャーシートを畳むたびに同じことをしているのかもしれない。

それも、仕方ない。

でももし、そういう理由が一切なく言った最初の一言があの言葉なのだとしたら……。

夫婦のことは夫婦にしかわからないので、この場合の正解はこれです! なんてことは言えないけども、冷静に傍から見ていた私としては、あのとき奥さんにはこう言ってほしかった。

「畳んでくれてるの? ありがとう。それ、畳み方難しいでしょ。一緒に畳も!」

こう言われると、お父さんはうれしい。だって、10分以上、慣れない……いや、できないことに格闘してきた自分に感謝の気持ちを伝えてくれたから。

そして、一緒に畳むことで畳み方を学べる。「次は、うまく畳めるぞ!」なんて気持ちになれたりするはず。

相手への言葉は自分に返ってくる

夫婦出典:stock.adobe.com

この話を夫婦関係で悩む人にすると、「なんで私(奥さん側)のほうがそんな風にご機嫌取らなきゃいけないの?」と聞く人が一定数いる。

ものごとの捉え方は人それぞれだけど、これをご機嫌取りだと感じているうちは、夫婦関係にモヤモヤが募っていくばかりかもしれない。

「ねぇ! 畳み方違うんだけど! もぅ……。貸して!」

そう言われたお父さんは、きっと、もう2度とレジャーシートを畳まない。「畳んだら怒られる」という認識ができてしまうから。

そして、翌週なのか、翌々週なのか、どこかの公園で、畳むことをやめたお父さんは奥さんにきっとこう言われる。

「ねぇ、レジャーシートくらい畳んでおいてよ。ほんとに気が利かないんだから」

……再び、ちーん。である。

畳もうとしても、畳まなくても怒られる。でも、”気の利かない夫”になった理由は? 奥さんの一言にも原因があるかもしれない。

もちろんそれはお互い様なんだけど、お互い様だからとどちらも歩み寄らずに相手を否定し、攻撃するだけの関係になってしまったら、夫婦でいる意味とは? ということになる。

そして、この怒り任せの言葉を相手にぶつけるということは、何より結果的に自分を追い込む。

大切な人とこそ、言葉のコミュニケーションを

夫婦出典:stock.adobe.com

「こうであってほしい」「こうしてくれて当たり前」「こうしてくれると思っていた」。

言葉で伝えてもいないのに、一方的に期待して、相手がそれに応えなかったと怒る人がいる。人間関係にはよくある話だけど、家族として、夫婦として人生を共に過ごす相手と決めた人ならば、その人とこそ言葉でのコミュニケーションを深く持ったほうがいい。

エスパーでもない限り、言葉で伝えられていない相手の気持ちを察して動いて期待に応えられる人なんていないのだから。

でも、多くの人はなぜかそれを期待し、怒っている。

我が夫婦も例にもれず、結婚から数年は、この一方的な期待によるケンカを繰り返してきた。でも、”言葉足らずで勝手な期待をすること”をやめてから、ケンカをしなくなった。

いつもイライラしていた夫の行動について話し合ったとき、「俺は、良かれと思ってやっていた」と言った彼の言葉にハッとした。私からすると、彼の行動はいつも少しずれている。でも、その根底には、「良かれと思って」という私への想いがあった。

ちゃんと思い合っているのに、言葉足らずですれ違っちゃってる。そこに気付けていなかった私も、伝えきれていない夫も、もったいなーい!

「俺今、これをよかれと思ってやっているんだけど、伝わってる?」って聞いてほしいと伝えた。そしたら私は、

「そう思ってやってくれていたのね。ありがとう。でも、もう少しこうしてもらえたほうがうれしいかなと言えるから」と。

だからと言って、相変わらず言葉足らずだったりするし、私もきっと勝手な期待をしてイラっとしていることがある。それでも、以前よりずっと良い夫婦関係を築けている。

それは、公園で見かける多くの夫婦の形からの学びが大きい。

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著者

潜在意識インタビュアーkaho

潜在意識インタビュアーkaho

フリーライター歴13年。著名人から話題の人まで幅広い方々へのインタビューライターを中心に活動中。ヒプノセラピーを学び、潜在意識の中にある大切な情報を気づくことが人生を変化させることを知り、潜在意識インタビュアーとしての活動を2022年からスタート。

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