とうとう来たようです
とうとう来た! 多分、間違いない。
私は、40歳を過ぎてから2回、婦人科でホルモン検査を受けている。「先生、私更年期だと思います」と伝えたが、2回とも「更年期じゃないよ」という結果が出た。
先生が、「あのねぇ、君まだ若いの。更年期を心配するにはまだちょっと早いの。来るときには来るんだから、あわてて騒がなくてよろし」と言った。
私が通う婦人科の先生、Googleの口コミが5.0の神なので、本当に話すだけで癒される。
「でも、多分だけど先生、とうとう来ました! その時が!」という不調続きの中、このコラムを書いている。
年齢と共に変化していく身体
今年の夏、私はお仕事がとても落ち着いていた。「ママも一緒に夏休み~」と言いながら、娘と毎日のように遊べるほどに。
フリーランスというのは、働けば収入が増えるし、働かなければ収入は減る。
つまり、この夏の私の収入はなかなか落ち込んだ。「これは、焦るべき状況なのでは……」と思いつつ、「まぁ、こんなときも必要。秋が来ればまた忙しくなるさ」と思っていたら、本当に忙しくなった。
バランス良くおねがいしたいのだが……と思うほど、ひまだな~から、寝る時間もないぞ! という変化に、私の体がついていけなかった。
フリーランス歴13年。忙しくて眠れないとか、仕事が重なって~ということを何度も乗り越えてきたので、「余裕だわ!」と思っていたら全然余裕じゃなかった。
体力には自信がある。同じ世代の友人たちが私のことを「化け物」と呼んでいるのを知っているし、そう呼ばれる自覚もある。そのくらい体力おばけな私が、この秋の忙しさにとうとうダウンした。
まず、だるい。とにかくだるい。何このだるさ……と思うほどだるいという日が続くと思っていたらとうとうダウンした。
日曜の朝方、外にエンジンがうるさい車がいるなぁと半分眠りながら思っていた。時間が経ってもずっとうるさい。目を開けたら、その音が外ではなく自分の右耳の中で鳴っていることに気づいた。
シャンシャンシャンシャン。初めてのタイプの耳鳴り……。そして、起き上がろうとしたら天井がぐるんぐるん回って立ち上がれない。
「おやぁ???」。私は猛烈にトイレに行きたかった。なのに起き上がれない。何とか立ち上がり、壁にぶつかりながらトイレに行った。同じように壁にぶつかりながら寝室に戻り、「なんか私おかしい」と言ってそのまま布団に寝転んだ私と、飛び起きた夫。
わたし「なんか目がまわってるの」
夫「救急車呼ぶ!」
わたし「いや、そういうのではない」
みたいな会話をしながら、夫は私の症状をググっている。
私が不調を伝えると、夫はすぐにググる。「これかな……」「いや、これかな」。不調なんだけど、私はその夫の姿を見ると、「あぁ、愛されるなぁ」と心が満たされる。
目がまわっていて横になるのがきついので、ソファにクッションを置き、座り寝のような姿勢になって寝た。ものすごく深く寝た感じがして、14時か15時頃かなと思って起きたら夕方の18時近かった。ほぼ1日中、ソファで爆睡をした。
老いることの捉え方で老い方は変わる
日中ほぼ寝て過ごしたのに、夜もすぐに眠れた。それほど身体が休息を欲していたということなんだろう。翌朝起きると耳鳴りとめまいは止まっていた。
それでも念のため、耳鼻科を受診。「昨日のめまいを思うと、一人で病院に行くのが怖いな」と言ったら、夫がついてきてくれた。
昨日の症状を伝え、めまいの検査と聴力検査を受けたが、どちらにも異常はなし。
「昨日は起き上がれないほどひどかったんですけど……」。
「1日でメニエール病が治るということはないので、自律神経の乱れ、ホルモンの乱れ、極度の疲労ですね」。
帰り道、夫が、「症状を調べると、更年期の可能性も高そうだよね」と言った。「そうだよなぁ」と思う。
46歳。あと半年すれば47歳。更年期の症状が出る頃である。
「とうとう来たかぁ、その時が。自分のこと、たくさん優しくして甘やかそう」
私は、年齢を重ねることにネガティブな思いがない。50代になるのが楽しみだし、その間に乗り越えるべきことがあることもわかっている。
だから、「その時が来たのね」と思うし、これまで頑張ってきた分、ここぞとばかりに自分を甘やかそうと思う。
そんなことを思っていたら、生物学者の先生がテレビで、「老いというのはヒトだけに与えられた特権」という話をしていた。
「老いることをマイナスに思ってはいけない」「40歳くらいから、ヒトはヒトとしての人生をはじめる」と。
誰もが平等に老いていくけど、それをどう受け止めるかはその人次第。
私は一度きりの人生、せっかくならこれからはじまる変化のときもポジティブに過ごしていきたいなと思う。