娘の夏休みを家族3人で満喫
お盆が過ぎて、娘の夏休みも残りわずかとなった。
今年から夏休みが少しだけ長くなった娘。けど、それもあと10日ほどで終わってしまう。
小学校生活最後の夏休み。毎年のことながら、家族3人でべったりと過ごした42日間になる。夫と娘は、区民プールに通い続けて、日焼けをしたというより、「焦げたね」という表現がぴったりくるほど真っ黒になっている。
娘が産まれたとき夫が、「小学校を卒業するまでは、仕事より子育てが最優先」と言った。中学生になれば、きっと今ほど親と過ごす時間も減るだろう。そういう意味では、この夏はいつもより特別な夏だった。
親になって11年になる夫は、「子育てほどクリエイティブなことはない」と言う。娘が成長していく様子をひと時も見落としたくないという勢いで、娘の成長に寄り添っている。
夫婦共にフリーランスの我が家。長期休みの間は、二人とも仕事を調整しながら娘との時間を優先する。こうしてべったり3人で過ごせる時期は、思いきりその時間を味わい尽くす。
夫は、シンプルに子育てを楽しみ、娘の成長を見届けたいという人。私は、自分の幼少期に満たされなかった部分を、娘を育てることで埋めようとしている。
そんな二人が子育てをすると、こんな風にべったり3人の時間を満喫する親子ができあがるのかぁと感じる。
よみがえった幼少期の記憶
お盆の帰省中、テレビを見ていたら、ある俳優さんがインタビューでこんな話をしていた。
「うちは母子家庭だったんですけど、母親が仕事や用事があるときに、僕を映画館に預けていったことが多くて。昔はあまり入れ替え制もなくて1日ずっと見ていられたんですよね。朝から夜まで映画館にいて、お昼にはおじちゃんからパンをもらってみたいな感じだったんです。だから、いつの間にか映画に関わりたいと思っていましたね」
この話を聞いた瞬間、小さかったころの記憶が一気によみがえった。弟と私もよく映画館で1日を過ごした。
「夕方、迎えに来るからね」と言われて、1日中映画館の中で映画を見た。「となりのトトロ」も「火垂るの墓」も「子猫物語」も、映画館にいる間、何回も見た。
「同じような子ども時代を過ごした人がいるんだなぁ」と思った。
あの時代はそれができたし、その中で私たちはたくましく育つことができた。
あの当時は、それがイヤだと思った記憶もなかったけれど、私が今、娘と過ごす時間を大事にするのはその反動であることは間違いないだろう。
実家にいるときの私は、母であり娘となる。47歳になっても、相変わらず母にあれこれ口うるさく注意をされて、ムッとしてしまったりする。
私の母は、愛情深い分、相手をコントロールしようという意識が強い人だ。母が作ったルールがたくさんあり、誰もがそれに合わせて生活して当たり前という考えを持っている。
そして、何事もネガティブな方向から見ることが多い。同じ空間で時間を過ごすと、私の中の癒えていないインナーチャイルドが騒ぎ出す。
実家で過ごす1週間。今回もまた、いろいろな感情が溢れ、向き合い、消化させることに時間を要した。
女手ひとつで私たち兄弟を育てた母は、私には想像もできない苦労をしてきたはず。なので、母を責めることはできない。
私の中にいる傷ついた小さな私のことは、私自身が癒していくしかないのだ。
インナーチャイルドを癒すということ
潜在意識インタビューを受ける方の中にも、インナーチャイルドを抱え悩み続けている人が少なくない。
親になっても、40代になっても、自分の中の傷ついた子どもが影響して、「自分を愛すること」「自分を認めること」「自分を信じること」ができないと苦しんでいる人がいる。
私は、そのことで親を責めても仕方がないと思っている。それよりも、大人になった今、自分自身が癒していくことが最善だったりする。
私自身がそうして前進しているので、同じ悩みを抱える人たちに寄り添いたいという気持ちが強い。
インナーチャイルドを癒すことで起こる変化は、想像以上に大きい。
「人が変わったみたい」と言った人がいたけれど、本当にそのくらい人生観や価値観が変わる。
子育て真っ只中の今、インナーチャイルドケアをするたびに親が与える影響の大きさを感じ、自分の子育ては大丈夫なのだろうかと、ハラハラ、ドキドキしてしまうけど、親だって悪気があるわけではなく、愛することでやりすぎてしまうことがあるのだ。それが結果として子どもに傷を作ってしまうというのは、なんとも悲しいことだけど……。
その経験から学ぶこともたくさんある。実は、魂はその学びをしたかったということだって考えられる。
今回の帰省で自分の中の残るインナーチャイルドを認識した。そして、これもまた自分自身で癒していこうと思えた夏だった。