10代、20代に好きだったドラマを見返してみたら
年末から、動画配信サービスで懐かしいドラマを何本か見た。
どれも10代、20代の頃に何度も何度も見た作品ばかり。今は、そういった作品をスマホからでも気軽に見ることができるので、ついつい時間を作って見てしまう。
あまりに好きすぎて、DVDの購入まで考えていた作品が、昨年末に配信スタートになっていたので早速見た。
2003年に放送されていたドラマを2024年の暮れに見ると、いろいろな驚きがあった。
そのドラマの主人公は、30代半ばで信用金庫に勤めている。実家暮らしをしていたが、過干渉の母親との暮らしから逃げるように家を出る。
30代半ば、独身のまま実家を出た娘のことを心配する母親は、”娘を早く嫁に行かせるセミナー”に参加する。そこで、講師が「女は才能か、おっぱい」と力説。母親が娘に、「才能はないから、豊胸手術を受けなさい」と言う回があった。
「これ、今だったら放送できないな……」
そう思いながら見るシーンがたくさんあった。放送当時25歳だった私は、このドラマを見ながら、「20代のうちに結婚しなくては!」という気持ちになっていた記憶がある。実際に結婚をしたのは33歳になってからだけど。
若けりゃいいなんてことはない
そのドラマを見終わった後、私の人生の中で何回目だろう? というくらい見てきた「アリー my Love」を見はじめた。
20代前半の頃の私は、アリーに感化されまくって生きていたように思う。それが、良かったかどうかはわからない。
20代の私が人生のバイブルのように見ていたドラマも、46歳になって改めて見て見ると、「なんという考え方!」と感じるシーンやセリフがたくさんあった。
主人公のアリーは、とにかく自分の世界で生きている女性。20代が終わることを恐れ、運命の男性と出会えていないことを常に悲観している。
私が若かったころ、女性の年齢をクリスマスケーキに例える話があった。25日までは売れるクリスマスケーキも、その日を過ぎれば需要がなくなる。同じように、女性も25歳を過ぎると結婚相手を見つけるのが難しくなる。というもの。
今となれば、「バカ言ってんじゃないよ」と鼻で笑ってしまうような例え話だけど、あの当時はその言葉がどこかで自分の気持ちを重くしていたのは確か。
20代の頃に好んで見ていた作品を改めて見て見ると、どの作品も、「20代が最高!」「20代のうちに結婚しなくては」「30代はもう人生が終わっている」「30過ぎて結婚できていなかった女としての価値がない」と言ったメッセージを受け取ってしまうようなものが多い。
もう一度言っておこう。「バカ言ってんじゃないよ」。
人生を100年だと考えてみたら
ある年齢から、「早く40代になりたい」という思考に変わった私だけど、それでも若い頃は、若くなるなることに対しての恐怖感や不安感を持っていた。
なぜそうだったのだろうと思えば、普段接するメディアからインプットされていたものが多かったのだろうと思う。
今は時代も変わり、上記のようなあからさまな表現をする作品は減ったし、年齢を重ねるほど人生は楽しくなるという発信をしている人も増えている。
人間は、細胞分裂を繰り返しながら新しい細胞を作り続けるが、細胞分裂は50回が限界と言われている。人間の寿命に換算すると120年なんだそうだ。
つまり、人間は最長120歳までは生きることができるとされていて、世の中には「人生100年時代」という言葉が溢れている。
そう考えると、46歳の私はまだ人生折り返し地点にも至っていない。20代が終わったら人生が終わるなんて考えていたけども、20代なんて、人生を語るには早すぎるし、むしろ人生はここからだろう! という年齢だ。
生殖機能のことを考えれば、結婚や出産と言ったことに対して年齢で考えるべきことはあれど、20代や30代で人生を悟った気になったり、人生もう終わりだ……なんて思うのは、やっぱりすごくもったいないことなんだと思う。
年齢の重ね方、人生をどんな風に満たしていくかが大事なんだということを、昔好きだったドラマを見て再認識した。好きなことも変わりはないけども。
若さは確かに武器ではある。でも、その武器を駆使しただけでは、人生は決して豊かにはならない。
今の若い人たちの中に、「若いうちが花」のような意識で生きている人がいたとしたら、「そんなことないよ」ということを、もっと素敵に年齢を重ねた人たちが発信して、「年齢を重ねるってワクワクする~」という気持ちにさせていけたら良いなと思う。