“親”としては全てが初体験
「子育てって、"教育"じゃなくて"共育"なのよ」
子育ての大先輩が教えてくれたこの言葉が、いつも私の心の中にあり、支えとなっている。
子どもの成長の早さに驚くのと同じくらい、自分も育てられている!(鍛えられてる!)と感じることが多い。
45年生きてきて、それなりの経験は積んできたつもりでいるけど、”親”としては全てが初体験。
親歴は9年を超えても、日々新しいスキルを求められる親業は、慣れとかベテランとかそんな域に達する姿は想像できないくらいハードだったりする。
子どもの個性を知っておくと子育てが少し楽になる
小学4年生になった娘は、最近「宿題した?」「明日の準備はできてる?」と聞くと、あからさまにイライラした顔をすることが増えた。
「おぉ! これは思春期ってやつだね! 小4の壁とか9歳の壁とか聞くけど、ほんとにちゃんとやってくるのね。成長してるのねぇ!」
と、感じながら娘の様子を観察する。
私は、生年月日から性格、本質を見るというメソッドの資格を持っていて、講師の資格も取得した。講師としての活動はまだなくて、ただただ自分の子育てに役立てている。
「生年月日から、そんなにいろいろわかるもの?」と思うかもしれないけど、これが意外と侮れない。
「このタイプの子には、こういう伝え方が良い」とか「安心する」とかがわかっているだけでも、子育て中にぶつかる壁は随分低くなるし、子どもの個性を知っておくだけで子育てが少し楽になる気がする。
個性についての話はまた別の機会に。
そのイライラは、ホルモンのせい!
娘を見ていると、イライラしている自分に戸惑ってることが伝わってきた。こういうときは、そのことについて話し合ってみるのが我が家のやり方。
「最近、パパやママにイライラすることがあるでしょ?」
「うん……。あるの。ごめんなさい……」
”ごめんなさい”という言葉が出てきたことに、娘が戸惑っていることを確信。
「それはね、あなたが成長してるってことなんだよ。イライラするのは成長の証。そのイライラはあなたのものというより、ホルモンのせい!」
「え? ホルモン?」
「そう! 成長するときにはたくさんホルモンが出るんだけど、そのホルモンは体を大きくするだけじゃなくて心も影響して、パパやママにイライラしちゃったりするのよ」
「そうなんだ。イライラするのは悪いことじゃないの?」
「全然悪いことじゃないよ! だって、自分の気持ちとは違うでしょ? なんでだろ? って思ってたでしょ? そのイライラはホルモンのせいだから、あなたが悪いことじゃないの。成長してるってことなんだよ」
「そっかぁ! 私、成長してるんだ!」
「ママもね、ホルモンのせいでイライラすることがあるよ。月に1回とかね。あと、あなたを産んだ後、パパにイライラが止まらないことがあったのよ。でも、それも全部ホルモンのせい! だって、ママはパパのこと大好きだもん。なのにホルモンのせいでパパのことが嫌いかもって思ったこともあるんだよ。ホルモンってすごいイタズラするのよね〜。でも、これはホルモンのせいなんだってわかってたら気持ちが楽になるでしょ。いつまでも続くわけじゃないしね。そういう時期なんだってわかったら安心しない?」
「する!」
「よし! ホルモンのせいだから、そのイライラに戸惑わなくて良いんだよ」
そんな話を娘とした。ホルモンの説明がこれで正しいのかはわからない(というか、多分違う)。けど、娘はそれからイライラしたときの表情が変わった。
「これは、ホルモンのせい」
自分も、パパもママもわかっているということで心に余裕ができたように思う。
娘と共に親として育っている途中
私のお腹の中で育って、私のおっぱいを飲んで大きくなったからって、お互いのことがなんでもわかるわけじゃない。生まれ出た瞬間から個であるわけで、意思を持ち、彼女の人生がある。
だから、「言わなくてもわかるでしょ!」なんてことは通用しない。わかりたいし寄り添いたいなら、言葉で伝えあうしかない。
……と、思っている。だから私は、
「どんなときも、いつだってパパとママはあなたの味方だよ」ってことを娘に伝える。
大人だって自分の気持ちをうまく言葉にして伝えられないんだから、まだ9歳の娘が、今感じていることを上手に伝えらるわけがない。
だからこそ、心の中にあるモヤモヤとか言葉にできずに詰まっている気持ちにちゃんと気づいてあげられる親でいたい。
ということまで、私は話す。
「パパもママも、あなたと共に親として育っている途中だからね」って。