夏休みの短縮・廃止を求める親が増えている?
先日、ネットニュースを見ていたら、「夏休み短縮・廃止を求める子育て世代が6割」という見出しが目に入った。
記事を見て見ると、休み中の食費や光熱費といった生活費が増えることで困窮するという理由から、夏休みの短縮や廃止を求める声が増えているという内容だった。
たしかに、何もかもが値上がりしている。スーパーで買い物をすると、会計額を聞いて、「えっ?」となることが増えた。主婦の感覚的に、カゴに入れたもののだいたいの合計額を想定しながら買い物をする。以前なら3,000円くらいだった量でも、5,000円を超えるようになってきたし、消耗品もどんどん値上がりしていく。
育ち盛りの子どもがいる家庭で、子どもが学校に行かずに家にいるとなると、その分の出費が増えることは間違いない。それも、兄弟がいる家庭ならなおさらだ。
気温が高く、命に係わる暑さになる時期。子どもたちが安全な環境で暮らせることを考えなくてはならない中で、経済的な理由からこのような声が増えていくことにショックを受けた。
こういう悩みを抱える家庭が減るように、子育て世代が安心して子育てができるような環境を、国としてもっとしっかり整えてもらいたいなという気持ちになる。
長期休みが辛いと感じるもうひとつの理由
子どもにとってはうれしい夏休みも、親にとっては大変なこともたくさんあるということを親になって初めて知った。
家庭毎にいろいろな事情があることはわかっている。経済的理由以外にも、長期休暇中の子どもの過ごし方についていろいろ調整が必要だったり、これから1ヵ月ちょっとの間、家族のスケジュール管理が大変だといういう人はたくさんいると思う。
けど私は、「子どもが夏休みで家にいるのが辛い」とか、「夏休みが憂鬱」という言葉を聞くのがすごく苦手だ。”同じ親として”ではなく、”そう思われる子ども”の立場になって聞いてしまうから。「子どもがずっと家にいるのが辛い」と親から思われるのは辛い。
「子どもの前では言ってない」と思っても、子どもは親が心の中で感じていることを、まるでエスパーのように感じとる。
そして、その感じ取ってしまった親の気持ちに傷つく。
子どもの頃、そうやって傷ついてきた自分と向き合った経験があるからこそ、私は、親が無意識で無自覚に子どもを傷つけることに敏感になってしまう。
親が、「夏休みが辛い」「子どもとの時間が辛い」と感じるには、必ず理由がある。
もしかしたら、自分も子どもの頃に親がそう感じていることに傷ついてきたのかもしれないし、親と長く過ごす時間の中で、怒られたり、否定されることが多かったのかもしれない。
ただ、目の前にいる子どもに同じ思いをさせるのは違う。
今、私が読んでいる本に、「子育ての遺産は連鎖する」という言葉がある。それがもし、負の遺産なのであれば、どこかで断ち切らないといけない。
私は、自分の中の傷ついた子ども(インナーチャイルド)を癒してながら子育てをしている。もし、癒してあげられることを知らずに子育てをしていたら、きっと今のような子育てはできていないと思う。
自分の中の傷ついた子どもを癒すたび、娘に対して、「こう育ててあげたい」と思う接し方、愛し方ができるようになる。
「”まずは自分のことを幸せにする。癒してあげる。そうすれば、自然に自分にとって大事な人たちのことを幸せにすることができる」
私は自分が経験してきたからこそ、自信を持ってこう言える。
辛いから1歩踏み出してみる
これからはじまる夏休み。子どもと長く過ごすことに対して、「つらいーーーー」と感じてしまうなら、「どうして私はそう思うんだろう?」ということに向き合ってみてほしい。
すごく難しいことを提案しているように感じるかもしれないけど、その辛さから抜け出すことは案外拍子抜けするほど簡単なことだったりする。怖いと思うことも、やってみたら、「なんだこんなことなら、もっと早くやっておくんだった」って経験したことあるはず。
悩み続けるより、思いきって向き合い解決してみたら、思っていたより簡単だった! という体験を、ぜひこの夏にしてほしいなと思う。
子どもが長期休暇で、ましてやべったり親と一緒に過ごしてくれる時間なんて、長い人生の中で考えたら本当に一瞬だから。
その宝物のような時間を、辛い~という気持ちで過ごしたらもったいない。2度と戻らない時間なのだから。