5歳の女の子が使った素敵な言葉
先日、友人親子と食事をしていたら、友人の5歳になる娘ちゃんが、「私、これ大好きじゃないの」と言った。
友人宅に集まり、桃の節句のお祝いをしていたときのこと。
その日のメインは手巻き寿司。食卓の上には手巻き用のネタがたくさん用意されていて、寿司飯に海苔、その他にもおかずが並んでいた。
「これ食べる?」
手巻きのネタの何かをすすめたとき、5歳の女の子は、「私、これ大好きじゃないの」と言った。
聞いた瞬間、とっても素敵な言い方だなぁと感じた。
「それきらいなの」とか「食べない」とか、「いらない」ではなく、「大好きじゃないの」という言葉をチョイスをするそのセンス! なんて素敵なの~! と思った。
ポジティブに生きている人は言葉もポジティブ
その子のママである友人に、「大好きじゃないの」という言葉は、あなたが教えたの? と聞いたら違うと言う。
「気づいたらそう言うようになっていたの。本当は大好きになりたいんだけど、そうなれないという気持ちで言っているみたい」
再び、私の中に熱い感動がこみあげた。
本当は大好きになりたいんだけど……。45年生きてきた私が、5歳の女の子からとっても素敵なことを学んだ瞬間だった。
友人は教えていないと言ったけど、彼女の普段の話し方や、何か相談をしたときに返ってくる言葉のチョイスを考えると、ママの普段の言動が娘ちゃんの言葉に影響していることは間違いない。
私はその友人から、会話の中の言葉選びやネガティブな事態に直面したときの向き合い方についてのとても多くのことを学んでいる。
彼女は全てのことを基本的に肯定的に捉える。そのために自分の想いを諦めたり、我慢したりすることはしない。私のまわりにいる、「こんな生き方があるのか!」という目から鱗のポジティブな生き方を実践している人の1人だ。
言葉が持つパワーは表情にも影響する
以前もコラムに書いたことがあるように、私は、ライターという職業柄普段から「言霊」を意識して生きている。
とは言え、ネガティブな言葉を絶対使わないと決めているわけではない。そんなことは無理だ。負の意味しかない言葉を発するときもあるし、心が荒れ狂うことだってある。そんなときは、その気持ちや言葉を自分の中に溜め込んでしまうより、吐き出すことのほうが大切だったりする。
けど、できるだけポジティブな言葉を発する人でありたいと思っている。
だから私は、「きらい」という言葉は使わず「苦手」と言う。「疲れたぁ~」という気持ちのときは、「頑張った~!」と言う。
友人の5歳の娘ちゃんがそうだったように、私の娘も私が普段から口にする言葉の影響を受ける。そう思うとなおさら、負のパワーが強い言葉がつい出てしまうようなマインドで生きてはいけないなと思う。
私は一度、鏡を見ながら言葉を発してみたことがある。ぜひ一度やってみてほしいのだけど、負のパワーを持つ言葉を口にするときは、自分の顔も負の表情になる。
普段、自分が話すときの顔なんて見ることがないので、あまり意識したことがないかもしれないけれど、実際に負の言葉を発しているときの自分の顔を見ると、「これは……。あまり発しないようにしよう」という気持ちになる。
逆に、ポジティブな意味の言葉を発すると、とても良い表情をしている自分が鏡に映る。
「ありがとう」「大好き」「たのしい」「うれしい」「しあわせ」
この言葉を発したとき、鏡に映る顔がネガティブな人はいない。
言葉には、本当に力あるしエネルギーがある。
5歳の女の子から、改めて私は大切なことを教えてもらった。