教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
自己肯定感が低い人に共通する幼少期の特徴
幼少期の経験は、自己肯定感に影響を与えているものが多々あります。中でも、養育者の関わり方は重要なポイントです。
自己肯定感が低い人に共通する幼少期は、どのようなものがあるのかを解説していきます。
親の接し方が否定的だった
自分が好きなものを否定された、頑張ったことにダメ出しをされる。
こういった経験をすると、子どもは“畏縮(いしゅく)”してしまいます。自分の存在が拒絶されたように感じてしまうからです。
大人に悪気がなくても、子どもは褒められたり認められたりしながら、のびのびと成長したいという欲求を持っていますから、うまく意図が伝わらないのです。
拒絶されたと捉えた経験が多いと、“自分はダメな人間なのだ”という思い込みがついてしまい、自己肯定感が育たないまま成長して生きづらさを感じるようになります。
大勢の前で失敗した
失敗は、誰にとっても気持ちのいいものではありません。しかも、幼少期は学校や限られた世界が自分にとっては「世界のすべて」という感覚があります。
そんな時に大勢の前で失敗してしまった、笑われたなどの経験があると、“失敗する人間だ、次も失敗したらどうしよう”、“失敗は怖い”という思い込みに縛られてしまいます。
人前が怖い、過度に緊張するなど、自己肯定感を上げたくても体の反応がいうことを聞かず、自己肯定感が低いままになりがちです。
親の自己肯定感が低かった
意外に多いのが、養育者自身の自己肯定感も低いパターンです。
家での会話が愚痴や不満ばかり。子どもを褒めない、期待を押し付ける。自分の機嫌で言うことが変わる。
こういった環境に長くいると、子どもは何が正しくてどうしていいのかが分からず、顔色だけで判断するようになってしまうのは当たり前と言えます。
そして、心理的安全もないので、自己肯定感も育てられないままです。
自己肯定感とは、「私は大丈夫」だと心の底から思えているかどうかです。
以前の記事でもお伝えしたように、生まれつき自己肯定感が高い、低いは決まっているものでも、そういう性格でもありません。たまたま環境や周りにそういった人が少なかっただけ。
自己肯定感は、いつからでも自分で育てることができます。
こういった経験をしたから、育てられる機会が少なかっただけなんだと知ってもらえると幸いです。