40代で抜いた3本目の親知らず
親知らずを抜いた。
20代前半に1本。30代で1本。そして、40代後半に3本目の親知らずを抜いた。
これが最後の1本だと思っていたのに、レントゲンを撮ったら右上の歯茎の中に隠れている親知らずが見つかった。確かに、3本抜いた記憶はなかった。生えていないのと、抜いたの違いがわかりにくいのが親知らずだ。そして、近々4本目も抜く予定。
前回抜いたのが10年以上前なので、親知らずを抜いたこと自体は覚えているけど、その詳細までは覚えていない。
今回、親知らずを抜くことになったのは、区の歯科検診を受けたことがきっかけ。
歯科検診のクーポンが届いたので、受診できる歯科医院のリストの中から選んだところが、ものすごく当たりだった。
その歯科医院、口コミの数はあるのに、評価が5.0。コメントを読んでも、リアリティがあったし、何よりHPに書かれた院長の思いに感銘を受けた。
「ここしかない!」と思って受けた歯科検診で、「この親知らず、抜きましょうか」と言われたので、その検診から1ヵ月後に抜歯の予約を入れた。
出会ってしまった最高の歯科医院
初めて検診で行ったときから思っていたけれど、その歯科医院、受付の方も歯科助手の方も、とにかく陽キャなのだ。
何年も前から通っていたっけな? というくらいフレンドリー。
「お久しぶりです~」なノリで話しかけてくれる。それも、イヤな気がしない、適度な距離感が保たれている。
そこに現れた先生は、女性たちに比べるとややおとなしめ。声も小さいので、「ん?」となるけど、話してくれる内容は、実に誠実で信頼できる。
「こんな素敵な歯医者さんが近所にあったのに、今まで気づかなかったのもったいなかったなぁ」と思った。
そして、親知らずを抜く当日。朝から少し緊張。痛みには強い方だけど、さすがに親知らずを抜くとなると、それなりに緊張する。
11時の予約時間に到着すると、相変わらず陽が溢れる受付の方が出迎えてくれた。そこへ先生が出てきて、「抜きましょ~う!」と言う。
そのまま奥の個室へ移動したら、担当の歯科助手さんから今日の説明を受ける。
その中に、日常会話をはさみつつ緊張を和らげてくれる。コミュニケーション能力、高すぎるって! と心の中で何度か呟いた。
抜歯後にランチに行けるくらい凄腕だった
先生が隣にきて世間話をする。そして、私の歯の画像を見て、「本当にきれいな歯をしている。これなら、定期的に掃除をしてケアしていれば、虫歯にもならず自分の歯で長く暮らせるよ。そのためにも、今回の親知らずは抜いたほうがいいし、隠れていた1本も早めに抜きましょう」と言った。
そんな話をしつつ、麻酔を打つ。うがいをしてまたお喋り。しばらくして、追加の麻酔。
しっかり麻酔が効くまで、何度かにわけて打つ。なぜか、眠たくなってきて、「なんだか眠たくなってきました。麻酔のせい?」と聞いたら、「それは関係ないですね~」と言われた(笑)
いざ、親知らずを抜くタイミングで、私はものすごい睡魔に襲われて、半分寝ていたように思う。
と言っても、本当にあっという間。顎をささえられたと思ったら、スポっと抜けた。
「はい、終わりましたよ~」
時計を見たら、11時45分だった。
「麻酔が13時頃に切れると思うので、その前に痛み止めと抗生剤を飲んでくださいね。麻酔が切れたら食事していいですよ」
受付で支払いを済ませると、先生と助手の方々がみんなで見送ってくれた。
こんな歯医者さん、今まで出会ったことないんですけど~!
そのまま薬局に行き、言われた通り薬を飲んだ。そして、13時、友人と約束しているランチへ向かった。
え? ランチ? 抜歯後に?
そう。私はその後、ランチの約束を入れていた。そして、普通にサラダとスープとパンのランチを食べた。
痛みも腫れもないままランチをして、その後のお茶をして、夕方帰宅して、夕飯を作って食べた。
抜歯後、1度も痛みを感じることなく、痛み止めは1回しか飲まなかった。
「本当に、親知らずを抜いた?」と、夫に聞かれて、口を大きく開けて見せたら、「抜いてるね……。元気すぎるね。その先生凄腕だね」と言われた。
年齢を重ねると、良い医者の見極め力も付くんだなぁと自分の見極め力の成長を感じたというお話。



