「自分の声が聞こえない」という人へ
潜在意識インタビュアーとして活動している私。最近、「自分の心の声を聞いてみましょう」というメッセージを伝えるセッションが続いている。
「自分の声を聞いてみて」と伝えると、「どうやって聞くんですか?」、「どうやったらわかるんですか?」と聞き返されることが多い。
それも、1人や2人ではない。今、自分の声がわからない人が増えている。
そしてそのことに、自分でも気づいていない人が多い。
自分の気持ちは、自分が一番理解しているはずなのに、この質問をする方は、本当にわからなくて聞いているのだ。
でも、これは決して不思議なことではない。
だって、私たちは気づけばずっと、“誰かのため”に生きてきたから。
親をがっかりさせないように。
先生にほめられるように。
友達から嫌われないように。
職場で評価されるように。
パートナーに愛されるように。
子どもにとって「いい母」であるように。
そのたびに、「本当はどうしたいの?」と問う時間を少しずつ、どこかに置き去りにしてきた。
というか、自分が本当にどうしたいかを考えるような余裕すらなくしてしまっていた。
誰かの人生を生きていることに気づくとき
そういうクセがついている人にとって、自分の声は大きく響いてこない。いつも心の奥でそっとささやいているだけの自分の声の存在を、いつの間にか忘れてしまう。
日々、誰かの声に耳を澄ませすぎている人は、その小さな声がますます聞こえなくなってしまう。
そして、いつのまにか、「私の人生」のはずが、誰かの期待やルールに合わせることが当たり前になってしまっている人生になっている。
もしかしたら、このコラムを読んでいる人の中にも、「私は今、自分の人生ではなく、誰かの人生を生きているのかもしれない」と気づくタイミングが来ている人がいるかもしれない。
「自分の声がわからない」
そう感じると、人は自分を責めようとするけど、それは違う。
あなたはずっと、誰かのために生きてきて、誰かをちゃんと大切にすることができる人だということを知ってほしい。
それは、本当にすごいこと。
自分よりも人のことを考えられる自分を誇っていい。そのことを、まずは認めてあげてほしい。
そしてもし、「もう少し、私の人生を生きたい」
今、そんな声が、どこかで聞こえはじめているなら、それはきっと、あなたの中の“本当の私”が、そっと目を覚まそうとしているということ。
思考ではなく感覚で生きる
セッションに来る方たちの話を聞いていると、今、まさにそのタイミングを迎えている人が多いと感じる。
「自分の声がわからない」
という人も、すぐにわからなくても必ずその声を聞くことができる。
自分の声は、“ちゃんと聞こう”と意識したその瞬間から、少しずつ自分の中に大きく響きはじめるから。
それは、たとえば、ふと気になること、なんとなくやってみたいこと、無性にモヤモヤすること。
意味のないように思える「感覚」を大事にしてみてほしい。
これまで、自分の声のボリュームを下げてきた人は、感覚より思考で生きている人が多いから。
「なんとなく感じること」。それらすべてが、“自分の声”かもしれない。
今はまだはっきり聞くことができないなら、「わかりません」と言う前に、まずは、自分にこう問いかけてみてほしい。
「私、本当はどうしたい?」
「それ、私がやりたいからやってる?」
あなたの中の声は、いつもあなたを見ていて、その答えを知っているのだから。