ママ、一度ちゃんと聞いてみて
年末、実家に友人家族が集まった夜、テレビではレコード大賞が流れていた。
友人夫婦の長男(大学生)とうちの娘(6年生)は、Mrs. GREEN APPLEが好きで、「今年も、ミセスだよね!」「そりゃそうでしょ!」と盛り上がっていた。
1年前も、その前の年も、Mrs. GREEN APPLEがレコード大賞を取る瞬間をこのメンバーで見てきた。
「今年も? 3年連続で取るなんてことある?」
盛り上がる2人に、私はそう聞いた。音楽番組では必ず見かけるし、テレビ、ラジオ、とにかくMrs. GREEN APPLEの曲を1度も聞かない日はないというくらい耳にしているけど、実は、しっかり歌詞を読んだり、ちゃんと聞いたことがなかったのだ。
2人の希望通り、2025年のレコード大賞を、Mrs. GREEN APPLEが3年連続で受賞した。
受賞後の歌唱を、2人は真剣に見ていた。私は、その2人の表情をずっと見ていた。
大晦日も、紅白歌合戦でMrs. GREEN APPLEが出てきたら、娘はテレビの前に行き真剣に見ていた。
「本当に好きなんだね」と声をかけると、「ママ、一度ちゃんと聞いてみて。ミセスの歌はね、歌詞がすごく良いんだよ」と言われた。
ちゃんと聞いて気づいたミセスの魅力
年が明け、実家から東京に戻り、お正月のバタバタが少し落ち着いてきたころ、私は初めてちゃんとMrs. GREEN APPLEの曲を聞いてみることにした。
歌詞を見ながら、歌を聞く。最近、こういう音楽の聴き方をしていなかったなぁと思う。
曲自体は普段の生活の中で何度も耳にはいってきたことのあるものばかりなのに、歌詞をしっかり確認しながら聞いていたら、ものすごく良い歌詞がたくさんあった。涙が出てくる曲がいくつもあった。
友人の息子やうちの娘が、テレビの画面を真剣に見つめながら聞く意味が分かったような気がした。
私が今、彼らと同じように10代を生きていたら、生きていく中でMrs. GREEN APPLEの曲が大きな支えとなる場面がきっとたくさんあるだろう。
いや、40代後半でも、めちゃくちゃパワーをもらった。
3回目のレコード大賞を受賞した、「ダーリン」は、「聞くぞ!」としっかり聞いたら、素晴らしい曲だった。
年末、「3年連続でレコ大取る?」なんて言っていた自分に説教したい。「ダーリン」は、レコード大賞を取って当然すぎる曲だった。その日から、うそみたいな話だけど、寝ている間も私の頭の中には、「ダーリン」が流れている。
1,000人の18歳が歌う「ダーリン」を見て感じたこと
YouTubeで、Mrs. GREEN APPLEを聞き漁っていたら、NHKで放送された「Mrs. GREEN APPLE 18祭」という映像が流れきた。
実は、この前日、たまたま深夜にテレビを見ていて、2025年の年末に放送された「Vaundy18祭」の再放送を見たばかりだった。
この18祭というのは、長く続いている番組で、毎年、アーティストと1,000人の18歳が共に歌うらしい。私は、この番組を初めて知ったのだけど、Vaundyと共に歌う18歳の子たちの歌う姿を見て、真夜中に号泣した。
そして、翌日、その前の年に放送されたという「Mrs. GREEN APPLE 18祭」をYouTubeで見つけて、また号泣した。
見たことがある人はわかるだろうし、まだ見たことがない人はぜひ見てみてほしい。
私たちは、日々の生活の中で感情を思いきり表現することって、どのくらいあるだろうか。
怒ったり、悲しんだりということはなんとなくあったとしても、喜びや楽しみ、幸せ~! という感情を、体全身で、しかも、見ている人にもそれが伝わるように表現することって、なかなかないように思う。
日本人は特に、そういった感情を表現するのが得意ではない人が多い。恥ずかしいという気持ちになることもだし、何より人の目を気にしすぎている。
でも、18祭で歌う1,000人の18歳たちは、全身で歌う。笑顔だったり、泣きながらだったり。とにかく、体全体を使って、今、自分の中にある感情をすべて表現しながら歌う。
18歳だった頃の私にとって、「18歳」という年齢は、子どもでも大人でもない不思議な年齢だった。
なんとなく。自分という存在を持て余しながら生きていたように記憶している。
自分が18歳のときに、彼らのような経験ができていたら、20代の生き方が少し違っていたかもしれない。
憧れのアーティトと共に歌う。自分の中からあふれ出す感情を、人の目なんて気にしないで思いっきり表現する。
素晴らしい経験をしているなと思う。その姿を見ているこちらも心が震える。
この年末年始、私は娘のすすめでMrs. GREEN APPLEの音楽をちゃんと聞いて、すっかり夢中になってしまった。
彼らの音楽から、”自分の気持ちをちゃんと感じて生きて良い”というメッセージを受け取ると、この曲を聞いている人たちはとても幸せだろうなぁと思えてワクワクする。



